11 出発と豚
翌朝日の出と共に俺達は王都を出た。最初は馬車でも借りようかと思ったが、ナナツさんの共有空間のことを考えて歩きで行く事にした。仲間とのんびり旅をする、こんな自由は冒険者の特権だな。
1時間ほどのんびり歩いていると、
「ん、」
リンがふと歩みを止めた。そして、街道から少し離れた森を見ると、
「討伐対象のオークがいる。」
「数は?」
リンの報告に俺も武器である大剣を抜く、
「6、いや10かな何体か違うのが混ざってる。多分別種」
「え、なんでわかるんですか?」
自分の感知スキルでは森まで届かないからか、ナナツさんは少し驚いているようだ。
そんなナナツさんの疑問にベンが答えてくれた。
「恐らく臭いだ。違うか?」
「正解。よく分かったな」
「リンは常に風向きを気にしていたからな。しかし、鼻が利くなんてレベルではないぞ?」
「細かい話は後、くるよ!」
リンの視線の先にあった森から、オーク達が出てきた。数はリンの言った通りピッタリ10体、そのうちの4体は一回りほど大きい、あいつらは『オークタンク』と呼ばれる耐久力と筋力が通常のオークより高い個体だ。
「チッ、タンクもいるのか俺とリンが数を減らしながら耐える。ベンはナナツさんを護衛しながら詠唱破棄できる魔法で牽制を頼む。いいな!」
「「了解!」」
「あの、私は」
「ナナツさんは、補助魔法でアシストをお願いします。」
「わかりました。」
「まず、あっちの3匹貰うね。」
リンはそう言うと、オーク達の方に突っ込んでいった。急に距離を詰められたことで、オークは一瞬硬直した。もちろんリンがこの隙を見逃す訳なく顔面に強力な蹴りが直撃する。
「オラァァァァァァ!」
蹴られたオークは膝から崩れ落ち首から下が動かなくなっている。一撃とは流石リンだ。しかし、1番近くにいた個体が蹴った直後のリンを掴もうと手を伸ばしている。その手をしゃがんで躱して逆にリンが掴み別個体に投げ飛ばす。
俺の方はと言うと大剣を全力で突き刺す。シンプルだが重みのある攻撃だ。オークの体を容易く貫いた。だが、引き抜く暇は与えてくれない、すぐに別個体が体当たりしてきた。俺はその巨体の肩に勢いよく手をかけ馬跳びの容量で跳んで躱す。そのまま背後から解体用のナイフで首筋を切る。
「これで5体、オークはあと一体か」
残ったオークとタンクの方を見ると
「フレイムアロー!」
炎の矢がオークの急所を貫いた。
《Boooooooo!》
しばらく苦痛で暴れていたが、オークはそのまま事切れた。




