第9話 はっきり言ってパーティのお荷物ですはい…
本当に…自分の存在意義があるのかと疑問に思い始める僕…
なぜなら、今、目の前に広がる光景を見ているだけだからだ。
あれからサヤという女性が護衛として村まで案内してもらう途中数度魔物に襲われたが僕抜きでマキとサヤさんが瞬殺してしまい、完全に僕がお荷物になっているからである。
「帰りたい」
今心の底から思っていることを呟く僕、そこに
「どうしたんですかナツトさん、元気がないようですが?」
「そうだぜナツトどうしたんだよ?」
と、まぁこんな感じで心配されて今は休憩中である。
「どうしてみんなそんなに強いの?」
一体どうしてみんなそんなに強いのだろう?疑問に思った僕は二人に聞いてみることにしたのだ。
「どうしてって言われましても…修行したからですけど…」
至極当然のように答えるサヤさん。
「おいおいまさか楽して強くなれるなんて思ってないだろうな?」
マキがあきれ顔で言ってくる…ですよね…楽して強くなれるんだったらみんなそれ使うよね…はぁ…
「俺も強くならないといけないんだよ…だから稽古つけてほしいんです…お願いします」
サヤさんに頭を下げて懇願する僕…そしてそれを隣で見てるマキ…するとサヤさんが僕に質問をしてくる。
「良いですけど…どうして強くなりたいんですか?」
どうしてって強くならないと魔王倒して元の世界に帰れないし…でも本音言ったら断られそうだし…
などと考えているとマキが
「こいつ勇者らしいんだ、だから強くなって魔王を倒さないといけないみたいで」
と助け船を出してくれた。
「勇者っ」
さっきの話を聞いてサヤさんが絶句して立ち尽くしている、なんでだろう…
「ナツトさん今から行く村に入ったら勇者ということは秘密にした方が良いです」
「えっどうしてですか…」
僕は頭をあげ問いかける。
「あの村には伝説の鎧があるんです…だから勇者を祭り立てるんです、それで、もし勇社じゃないと思われたら大変な目に遭います」
気のせいだろうか…そう言っているサヤさんの体は震えていた。
「確かにあの村には伝説の鎧があるって言う噂があったがまさか実話だったとは…」
マキは鎧があることに驚いているようだ。
とりあえず僕がとるべき行動は…
「分かりました、勇者ということは秘密にしておきます」
僕がそう言うとサヤさんの震えが止まり。
「ではいきましょう」
そう言って僕たちは村に向かっていく。