第3話 チートだろ…あの強さ…
「逃がさねぇよ?」
男がそう言った次の瞬間
一瞬ほんの一瞬だった瞬きをした次の瞬間にはごろつきたちは地面に倒れていた。顔には殴ったような跡があった。
どうやら死んではいないみたいだ。
「さて…と…」
男は何事もなかったのかのようにごろつき2人を引きずり歩いて行く。
「あっ君ちょうどいいところにいるね、そこで倒れてるもう一人を引きずって連れてきてくれない?」
男は僕の方を向き倒れている一人に指をさした。
「僕でよければ」
ごろつきの一人を引きずろうと足を持ち上げる、どうやら魔王軍の侵略は人体にも影響を与えているみたいで、屈強に見えた男は以外にも軽かった。でも背負って運ぶ気にはなれなかったから、引きずりながら男の後を追った。
しばらく引きずっていると、男が立ち止まりそれと同時に僕も止まった。
「あーついたここがこの国の治安を守っている組織の本部、はは笑っちゃうだろ?魔王軍の侵略のせいで治安も糞もないんだけどこういうやつらはちゃんとしょっぴいてくれるんだぜ?」
治安を守ってる…警察とか自警団の類だろうか?
「悪かったな、こういうやつらしか対応できなくてさ」
本部の中から、兵士が出てくる、どうやらさっきの男の発言が気に入らないみたいでむすっとしている。
「そう怒るなよ…ソワ…謝るからさ」
どうやら兵士の名前はソワというみたいだ。
そのソワという兵士もごろつきたちと同じで、栄養価のある食べ物を食べれてないのか筋肉はも維持しているが体はやせ細っているみたいだ。
「たく…マキ…お前というやつは…はぁ…今日はこいつらだな」
兵士がごろつきの3人を連れていく。
「…マキこれ以上騒ぎを起こすなよ…いくらお前に非がなくても、悪にしようとする奴なんてこの町にはゴロゴロといるんだからな」
兵士はそう言って本部の中に入っていった。
「たく…あいつは固いねぇ~」
「あなたが気楽すぎるんじゃ?」
「あっそうだ君、あのごろつき運んでくれてありがと、お礼に何か奢るよ、それに君の恰好見てるとなんだかわけありみたいだし」
「あの…その前に名前を聞いてもいいですか?」
「んっ…名乗ってなかったな、俺の名前はマキよろしくな」
「僕はナツトといいます、よろしくお願いしますマキさん」
「さんはつけなくていいよ」
「えっでも…」
付き合いの短い人と年上の人を呼び捨てにするのは抵抗感があるんだけど…
「まぁいいや行こうぜ?なっ?ナツト」
「はっはい…マキさ…」
「まぁこれから慣れていけばいいさ」
マキは笑いながら僕を引っ張って歩き始めた。