第2話 もうやだ…この町…
城を後にした僕は城下町を歩いていた、王の言った通り魔王軍の侵略の影響で城下町は廃れている、人々に生気が感じられない
。
「そりゃあ…王もあんなになるか…」
辺りを見回すが本当に惨状はひどく人々は生気がなくそして本能と欲望のままに生活している者たちばかりだ、そのせいなのか?表通りのはずなのにちらほら娼館らしきものも見える。
おいおい…本当に大丈夫かこの国…
城門のそばに着くと、なにやら喧騒が聞こえる、若い男とごろつきの3人の男が喧嘩しているみたいだ。
「おいおいあんちゃん…ここを通りたければ俺たちに金を払う決まりになってるんだよ」
「さぁ!痛い目にあいたくなけりゃさっさとだしな」
「こんな世の中だから生きていくためには仕方ないことなんだよ」
三人が若い男を囲んでいる、手にはナイフさらにはメリケンサックをつけてるものまでいる。
なんとなくだけど…あの世紀末のモブを連想させるような恰好をしている…
「あのな…なんで俺があんた達に金を払わないといけないんだ?田舎のおっかさんが泣いてるぞ?」
おぉ…煽ってる、僕ならホイホイ金を払うのに…
「てってめっ、フフあおられたのは久しぶりだよ…生きて帰さんからな…」
どうやらさっきので完全に怒ったのか、3人から一気に殺意を感じる。
「やっちまえ!」
一人が叫ぶと残りの2人が一気に襲い掛かる、手にはナイフを持っている。
「えっ?危なっ」
一人がナイフを刺そうと突進する、若い男はそんな攻撃を軽々と避け2人目の攻撃もあっさりと避けてしまう。
「避けんなぁぁぁ」
再び突進するごろつきの一人、その攻撃は避けることをしなかった若い男に刺さる。
「ハハッ調子に乗るからだ」
刺したごろつきは手ごたえを感じたのか笑みを浮かべる。
「んっ?何か言った?」
ナイフを刺されているのに平然とした様子で男は立っていた、よく見るとナイフの柄から上が結構遠くに吹き飛んでいる。
ナイフを拳でおるなんて…化け物かよ…
「バッ化け物」
どうやらごろつきたちも同じことを考えていたみたいで情けない声をあげながら後ずさっていく。
「さぁて…悪い子にはお仕置きが必要だな」
若い男は後ずさるごろつきに一歩また一歩と近づいていく、気のせいだろうか?目がお仕置きではなく殺す気でいるようなきがするのは…?
「ヒィィィィ」
殺されるとでも思ったのだろう…ごろつきたちは完全に戦意を喪失し逃げ出していく。