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第十二章 別れ

 桃太郎「今回は、みなさん、ありがとうなのれす」

 

 猿「ああ、いいですよ、困った時は、お互い様ですし」

 

 雉「それに、これで、鬼の被害が、無くなるからね、だんごも、売れるってもんだよ」

 

 犬「たしかに、違いね、うちの船のお客さんも、増えそうだ」

 

 雉「なんだかんだ言って、みんな、怖がってたからね、これで、一安心だよ」

 

 桃太郎「本当によかったれす」

 

 猿「ただ、残念でしたね、お宝は」

 

 桃太郎「それは、いいのれす」

 

 猿「今回は、事が事だけに、褒美もいつになるか」

 

 桃太郎「もらえるだけ、ましなのれす」

 

 そして。

 

 猿「もう、行きなさるんですか」

 

 桃太郎「早く、帰って、安心させてあげたいのれす」

 

 犬「クッ、いい話ですね」

 

 雉「体に気をつけてくださいね」

 

 桃太郎「ありがとうなのれす、ではいくれす」

 

 猿「道中お気をつけて」

 

 雉「また、近くに来た時は、よってくださいね」

 

 犬「船が、必要な時は、いつでも声を、かけてくださいよ」

 

 「ペコリ」

 

 そして、家に帰る途中で、あの老婆に会いました。

 

 老婆「ヒョヒョヒョヒョ」

 

 桃太郎「お久しぶりれす」

 

 老婆「おー、どうやら、うまくいったようじゃな」

 

 桃太郎「鬼退治は、終わったのれす、で、あなたは、何をしてるのれすか」

 

 老婆「また、お告げがあったんだよ」

 

 桃太郎「そうなのれすか」

 

 老婆「ああ、人使いの荒い、お告げだよ」

 

 桃太郎「え」

 

 老婆「安心するんじゃ、おまえさんじゃない」

 

 桃太郎「そうれすか、では、失礼するれす」

 

 老婆「ああ、道中気を、つけてな」

 

 そして、桃太郎は家に帰って来ました。

 

 桃太郎「ただいまなのれす」

 

 おじいさん「おー、よう帰って来たな、ばあさん、ばあさんや、せがれが、せがれが、帰って来たぞ」

 

 おばあさん「おー、よう帰って来たな、疲れたじゃろ、早くお上がり」

 

 桃太郎「お宝を持って帰るはずだったのれすが、結局持って帰れなかったれす、お宝は、盗まれた村に返しもらうことになったのれす」

 

 おばあさん「ああ、そんなことか、そんなことはな、どうでもいいんじゃ、おまえさえ無事ならわしもじいさんも」

 

 おじいさん「そうじゃ、そうじゃ、おまえさえ無事に帰って来てくれたなら、それで十分じゃ」

 

 桃太郎「うう」

 

 おばあさん「泣くんじゃないよ、おまえは、すごく良いことしたんだよ、みんな喜んでおるよ」

 

 おじいさん「そうじゃ、自慢の息子じゃ、ばあさん、あれを、あれを、持ってきてくれ」

 

 おばあさん「ああ、わかったよ」

 

 「コトッ」

 

 おばあさん「もうすぐ帰って来るころだと思ってね、作っておいたんだよ」

 

 そこには、たくさんの黍団子が、有りました。

 

 おじいさん「さあ、みんなで、食べよう、それと、旅の話を、聞かせておくれ」

 

 そして、桃太郎、どんなことがあったか、おじいさんとおばあさんに話たそうです、すると、おじいさんと、おばあさん、そうか、そうか大変だったねと聞いてくれたそうです。

 

 そして。

 

 桃太郎には、気になってることがありました、そう狂鬼のことです、あの怪物がこのままおとなしくしているか。

 

 悪い予感は当たりました、それから少しして、狂鬼は逃げだしたそうです、ただ、かなりの手傷を、負ったみたいで、すぐに悪さを、すると思えませんでしたし、たぶん、この土地にもう戻って来ないでしょう。

 

 だが、油断はできませんでした、修行を、続けなければ、あの速さに対応できるように、次にあった時は、今回のような手はもう使えないでしょう、桃太郎の修行は続きます。

 

 桃太郎「次は、速さでも、負けないのれす」

 

 おわり。

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