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遠山の禁さん!  作者: 活動寫眞
特別章・エピソード阿歩郎
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AFROU-阿歩郎-① 「出会い」

「この物語は、登場人物や団体・歴史などはフィクションでござる!」

その日はとても暑い日だったと記憶している。

何せ季節外れの台風のお陰で大江戸はハチャメチャで

木々や葉がに混じって家の障子や屋根瓦までも雨風の中を舞って飛ぶ始末。

そんな次の日、上を見れば何事も無かったように雲ひとつ無いお天道様!

下を見れば足場も危うい状態だったが、大江戸民は

そんな出来事も一つのお祭りのように楽しそうだ。

台風の後は風が吹かない。なので覚えていた。

それに奴との初めて出会った日でもあった。



【AFROU-阿歩郎-】



その夜は、以前から多発していた連続賽銭泥棒を捕まえるべく

とある神社の境内で張り込んでいた。なんでわざわざ奉行所の役人が、

それも老中の次に大江戸で権力を握るであろう。

役職の男、遠山禁四郎がこんな事をしているか、それは...


一、正義のため、寝る間も惜しんで悪を挫く!

二、暇だから気分転換に悪を挫く!

三、一日仕事を疲労困憊の体にムチ打つ行為たまらない!


さあ、どれ?


御役人

「お奉行!なにを下らない事を言っているんですか!」


禁四郎

「だって、ただ張り込みもつまらん!」


御役人

「身も蓋も無いことを...。これもお役目なんですよ!」


禁四郎

「奉行の仕事じゃないだろ?圧制されている意味では、嬉しいのだが...

 ここは普通“しりとり”とか“過去の武勇伝”とか“怪談話”とか

 時間を潰して間を埋める!だから問題を出しても何ら不思議ではない!」


御役人

「だとしてもなんちゅう問題出してるんですか!」


Aさん

「お奉行!私は二で!」


Bさん

「私は一で!」


御役人

「お前らも話しに乗るな!真面目に張り込みをしろ!」


禁四郎

「ならお前は何番だ?」


御役人

「そのような問題にお答えし兼ねます!」


?さん

「なら三でどう?」


禁四郎

「.........正解!」


Aさん

「おぉー!三も怪しいと思ったんだよなぁ」


Bさん

「引っ掛けかよ!」


御役人

「お前らどういう目で禁四郎様を見てるんだ!」


禁四郎

「ところで、正解した君、誰?」


一同

「へ?」


?さん

「あら、あまりに楽しそうに真夜中境内の物陰でイイ男たちが集っているものだかつい」


禁四郎

「どんなついだ?君は連続賽銭泥泥棒か?」


?さん

「だったらどうする?」


御役人

「...確保!」



-翌朝-



禁四郎

「で、なんでわざと捕まったの?阿歩郎さんよ?」


阿歩郎

「だって、あんな沢山の男達に囲まれてモミクチャよ!パラダイスよ!」


禁四郎

「...ふざけるなッ!俺もされた事ないのに羨ましいわッ!」


阿歩郎

「あら?あなたもこっちの業界の人?」


禁四郎

「違う!完全に完璧に絶対に限りなくこの上なく一ミクロンも有り得ない!」


阿歩郎

「ふ~ん、女好きでもワタシは構わないわよ?」


禁四郎

「そっちの世界に誘うな!体験もしたくねー!俺は女好きの打たれたい男子だぁー!」


阿歩郎

「残念ね、でも話は合うかもね♪」


禁四郎

「ま、ま、ま、ま、まさか!?女王様をご存知で!?」


阿歩郎

「ん~知らない事もないわね...」


禁四郎

「誰か!誰かいないか!直ぐに茶菓子を用意しろッ!」



-現在-



禁四郎

「それが奴との出会いだった...」


源外

「おめーバ カだろ?」


禁四郎

「その後も意気投合してなぁ、昔からの無二の親友の様に語ったよ」


源外

「やっぱバ カだろ?で、女王様には会えたのかい?」


禁四郎「...ふふふふふふふふふふふっ」


源外

「こりゃダメだ。どうやら血を流し過ぎて脳までまわってないな!」



【AFROU-阿歩郎-】



気がつけば自分のことは氏素性もわからない。

どうすれば良いのかわからないまま、徘徊していた所

空腹には勝てずに眠ったらしい。


そんなこんなで次に目を覚ませば外国の商船に乗っていた。

何故かしゃべってる言葉はわかったらしい。

行く当てもない、このまま外国に行くのも悪くないとも考えたとか。


だが、しばらくして自分が珍獣として捕獲されていた事にキレたらしい。

確かに身なりは汚い格好で、桃色の紙の色なんて珍獣だわな!

それで船底に穴開けて逃げたらしい。


『(その船、実は英国がとある高価な薬物を運ぶ最中で

 阿歩郎が船底を開け、沈めたことで敵国に攻撃を受け沈没したと勘違い。

 その事で英国と清ノ国と戦争が起こるのだが誰も気づいていない。)』


奴は何百キロもある日本海を泳いで日本まで着いたとか。

途中、クジラやイルカなどにも助けられ、大江戸まで辿り着いたと

何処までが本当かは分からない、俺には奴の目がウソを言ってる目に見えなかった。



源外

「おまえも薬を使ってるのか?それとも良かったら頭のネジ締めてやろうか?」



そうそう、賽銭泥棒だが、阿歩郎を雇うことにした。

行く所も宿も職もない話だったし、それに腕はたつのは分かっていた。

何せ、張り込み中の俺に気配を感じさせずに近づいたからな。



源外

「おめー、あたかも自分が達人みたいな言い回ししたいだけだろ?」



出会ってから次の日、奴は犯人を捕まえて奉行所に現れた。

そう、友との約束を守るために!奴は長い距離を、幾多の過酷な出来事を乗り越え

そして日が沈むまでに、ほとんど生まれた姿に近い格好で...



源外

「なんだその走れナントカ的な展開は?いつなったんだオイ!

 それに生まれた姿って、ただの変態じゃねーか!」



犯人は悲しいことに同僚だった。

なんでも、捕り物の際に小銭を投げて捕まえるのを得意をしていたが

自分の給金だけではどうにもまかなえない。


勿論、必要経費でも頼んだが自腹だと経理に押し返され、

小銭にヒモをつけてみたものの勢いは落ちるし、糸は絡まるし、

犯人には逃げられるし、各なる上はと、失くしても届けられるようにと

名前を書いたがダメだった。なので賽銭箱に手をつけた

...実に傷ましい事件だったよ。



源外

「岡引も、こんなお奉行とオカマに捕まってら傷ましいわな」



その岡引も反省していたよ、正義のために悪に手を染めた自分が許せないと

そんな手で銭を投げる資格などないと。でも俺は言ってやったよ。



お金ってのは、人を幸せにも不幸にもするものだ。

だが使う人間の心がけ次第でどっちに転ぶか決まるんだよ

平治!お前、人を幸せにするために使うんだろ?なら罪を償ってまたやり直せ!



最初は誰だって正義を盾にして頑張るもんだ。

だが、いつしかいろいろと知ってしまうと、その盾も錆びちまう。

錆びずに生きるって難しいことだ。でもお金投げるのってよくないだろ?

子供が真似して目に当たったりしたらどうする気?わかってやってんの?


泣いてたなぁ、俺の言葉が心に響いたのだろう...。


源外

「違う意味で泣いてる気もしないでもないが、やっぱおめーバ カだよ」


阿歩郎

「ワタシの出番少なくない?えっ?焦らすプレイ?」




-終-

阿歩郎は、当人が特徴ある髪から魂を感じたと命名。

当て字は禁四郎がつけてやった。


他に特徴としては、大江戸時代の言語とは少し異なる内容を話したり、

起こる大きな事件などをたまに言い当てるので予知能力があるのではと噂。


大した事ではないが、肌は黒く、髪は桃色、背中に一本刀を携える

美しい乙女な普通の一般庶民である。談:阿歩郎

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