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遠山の禁さん!  作者: 活動寫眞
第一章・遠山禁四郎
5/37

南町奉行篇⑤ 「鬼、最後の改革」

「この物語やストーリーは全てフィクションです。」


せめて物語や登場人物・団体はと言おうぜ!

それじゃー、物語・物語だッ!とツッコもう!!


・・・2度目じゃないかッ!?

【第六話】

「鬼、最後の改革」



『老中水野忠国』

かつて改革の鬼と呼ばれた男。改革の失敗により失脚したが

今は幕府の尻拭いのため再び老中に返り咲く。

その事が終われば再びお払い箱、それまでに彼にはして置かねばならぬ

大事があった・・・。



鳥井

「折角、出世させてやったのに、わざわざ戻ってくるとはな!」


禁四郎

「おれを飛ばすのに水野様に口利きをし、その水野様を自らの地位を

 保持するために裏切った、そんな腐った奴に守られた・・・

 大江戸と庶民が不憫でならなかったもんでねッ!」


鳥井

「ではどうする?」


禁四郎

「決着を付ける!」(バンッ!)


鳥井

「望むところ!」(ドンッ!)



-------音楽 (お好きなBGMをどうぞ)-------



実況

「さぁ、はじまりました!『老中鳥井洋蔵VS南町奉行遠山禁四郎』!!

 この因縁の対決に終止符を打つのをどちらなのか!

 実況は私、佐武尊 (さむそん)。解説に阿歩郎さんでお送りします。

 阿歩郎さん、宜しくお願いします。 」


阿歩郎

「よろぴくね!」


実況

「この両者、浅からぬ因縁があるそうですが?」


阿歩郎

「そうね、考えた方の不一致ってやつね。犬猿の仲、水に油なのよ」


実況

「なるほど。では現在の調子の方どうなんでしょうか、控え室?控え室?」


女A

「こちら鳥井側の控え室です。

 今日のこの日のために逆算して、準備をしてきたそうです。


『肉体的にも精神的にも最高潮に持ってくるだけの特訓をした。

 ずっと練習は非公開で進めてきていたので、ここでようやく披露できる』

 そのように鳥井側の付き人がおっしゃってました。」


実況

「わかりました。これは期待が高まります。

 余程うまく練習が出来たのでしょう、自身がみなぎってる感じがしますね」


阿歩郎

「そうねぇ、練習の成果をそのまま出せれば、

 禁ちゃんは相当苦しめられそうね。でも自信過剰は命とりよ、鳥だけにね!」


女B

「こちら禁四郎側の控え室です。

 どうやら前日まで風邪気味だったらしく、試合前の薬物検査に風邪薬が残って

 ないかと心配だったようです。さきほど結果が出て難なく通ったようです。

 顔色は良くないですねぇ、大目付になっても練習は欠かさず行っていたそうですが


 『練習相手の平均年齢が高く、もっと若いのとしておきたかった』と

 本人から言葉を頂戴しました。以上です。」


実況

「うーん、これは厳しそうですね。

 鳥井とは逆に、練習がうまくこなせなかった様子!

 それに体調も芳しくなさそうです。」


阿歩郎

「そうみたいねぇ、万全の体調で望めれば良かったんだけど

 この前、水野様の邸宅に火がつけられた時に、

 火を消すのに水かぶっちゃったのよ、禁ちゃん。」


実況

「その時に風邪を引いてしまい、現在に至るわけですね?」


阿歩郎

「まさか、こんなことになるとはねぇ、でも安心して!

 ワタシの彼への思い消えてないわ!

 誕生日の蝋燭 (ろうそく)並みにしぶとく消えないわよ!」


実況

「まもなく試合開始です!」



-------音楽-------



活動丸

「ったく!いつになったら始るんだ?

 今更、生い立ちとか過去の試合振り返るなって!

 終わったと思えば宣伝、始まれば控え室で近況報告、そして宣伝・・・

 どんだけ広告主にヨイショすれば気が済むんだ!コラァー!!

 試合なんてものの5分からそこらで終わりじゃねーのか?どこの大病院の待合室だ!」


北祭

「まぁ、まぁ、落ち着いてくださいよ」


活動丸

「これが落ち着けるかー!」


北祭

「札買えなくて生で見れなかったからって良いじゃないですか?

 うちのからくり箱でゆっくり観戦して下さいよ。」


活動丸

「だいたい予約開始に通信して繋がらないってどういうこと?

 札屋の前に徹夜しろってか?今時どこに行けばあるんだ?

 撤去されまくってありゃしねーよ!」


北祭

「た、たしかに。あっ!そうだ。新作の浮世絵できたんですよ、ほら」


活動丸

「んだよ、こんなの見てもケツ拭く以外に役立つのか?」


北祭

「んだとコラーッ!こちとら人生かけてんだよッ!心血注いで作ってんだよッ!」


活動丸

「やかましいわッ!お前んちにからくり箱なければ来てねーんだよッ!」


北祭

「あっ!今の聞き捨てならんッ!謝罪!見せないぞ!謝罪しろ!」


活動丸

「ああ、あれだ口が本音を言っただけだ!許せ!」


北祭

「どんな正直者だッー!」


大家

「おまえら五月蝿せーんだよッ!」



-------音楽-------



実況

「選手の入場が近づいてきました・・・高鳴る興奮、

 迫り来る緊張・・・果たし勝利の女神はどちらに微笑むのか!」



大家

「良い年こいて喧嘩してんじゃないよ!他の店子 (たなこ)に迷惑だろが!

 長屋の壁が薄いんだ。静かにしなッ!ほら、もう直ぐはじまるよ。」


活動屋

「ずびばぜんでじだ・・・」


北祭

「ぼうじばげございばぜんでじだ・・・」


実況

「両者、睨み合ってます。さぁ、間もなく鐘の音が鳴り開始です!」



ゴォォォォォォォォオオオン! (和尚さん決まったぁー!)



実況

「おっとこれはスゴイ!開始早々、全力で押し当ててます!」


阿歩郎

「あえて互いの力と力の勝負に出たわね!」


実況

「両者、ぴくりとも動きません!これは互角の勝負だぁ!!」


阿歩郎

「互い込めた力と力のぶつかり合い、

 そして真剣な眼差しの向こうに何が見えているのかしら?

 ああ、男の汗って最高~♪」


実況

「うおっと!禁四郎選手が少し苦しそうだ!

 前日までの風邪が残っていたか!体力がまだ回復しきってないか!」


観客「ガンバレー!」

観客「禁ちゃんー!」

観客「負けるなー!」


実況

「客席から禁ちゃんを励ます言葉が出ています!

 禁四郎選手にその思い、届くのか!あ”ーーーっ!?」


ドクン


ドクン


ドクン


ドクン


ドクン


「ゴォォンゴォォンゴォォンゴォォン・・・・・」 (和尚さんの連続鐘突き)



男A

「えぇー、放送席!放送席!

 見事、勝ちました。鳥井選手に問答です。

 おめでとうございます。」


鳥井

「どうも (ニヤ)」


男A

「最初は互いに力勝負でいきましたが?」


鳥井

「ええ、やはり気合をぶつける意味でもね、最初はいかないと」


男A

「途中で指がツルなどの突発的な事故もありましたが?」


鳥井

「まぁ、急な力の入れ替えなどのでね、少し筋が張ってしまって

 でも準備はしていたのでどうにか最後は・・・」


男A

「見事な逆転勝ちを収めました鳥井選手には、10万石の・・・・」


実況

「試合は、鳥井の十秒押さえ込み勝ちでした。

 やはり体調管理失敗が敗因でしょうか?」


阿歩郎

「それも否めないわね。でも勝負に言い訳は禁物よ!」


実況

「途中で鳥井が逆境に立ちますが、やはり疲れからか禁四郎も

 あと僅か届かなかった感じでした。えーコメントが入ってます。

『全て責任は自分にある。応援してくださった皆さんに感謝』」


阿歩郎

「最後は白く燃え尽きてたわねぇ。帰ったらワタシが介抱しなくっちゃ♪」


実況

「試合時間は32時間17分44秒でした。

 今日は阿歩郎さん、ありがとうございました。みなさん、さようなら!」



-------音楽-------



活動丸

「禁四郎さん、負けちゃったなぁ・・・」


北祭

「残念だねぇ・・・」


活動丸

「・・・・・・・」


北祭

「・・・・・・・」


活動丸

「あれ、頼むか?」


北祭

「頼んじゃいますか?」


活動丸

「五両くらいか?」


北祭

「だろうね、廃寺の奥に格子から入れるらしいよ」


活動丸

「許すまじ!鳥井!」


北祭

「許すまず!鳥井!」


活動丸

「ところで何で『指相撲』なんだ?」


大家

「またおまえらかッー!!!!」




つづく

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