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遠山の禁さん!  作者: 活動寫眞
第二章・必殺幕末篇
18/37

第三話 「合縁奇縁 (あいえんきえん)」

「この物語は、登場人物や団体・事柄などはフィクションでござる!」


葛飾北祭

「浮世絵は外国人に売れそうな気がする…」

店主「旦那、そろそろ店を閉めたいんですがねぇ?」


中年「ん?う~ん…」


店主「早くしないとうちのかかあが五月蝿いんですよ!」


中年「はぁ?うちだって妻と義母が居て五月蝿いんだよ!!」


店主「なら早く帰ってくださいよぉ!」


中年「だから帰れねぇーんだよぉ!!」


店主「そう言われまして……どうしてもって言うんなら表でお願いしますよ!」


中年「こんな季節に外出たらおめ~!虫に喰われちまうわ!」


店主「こりゃたちの悪い旦那だなぁ…」


赤侍「主人はいるかい?」


店主「こ、これは赤侍 (あかさむらい)さま!?」


赤侍

「わざわざ昼間の営業の邪魔にならねぇーように夜にきてやったぞ?

 ん?まだ酔っ払いがいるのかぁ…まぁ、いいわ。で返答は?」


店主

「あの~申し訳ございませんが…みかじめ料はうちの店では払えません!」


赤侍

「ほぅ?じゃーあの方に逆らうって言うんだな?いや、俺は良いんだよ?

 でもねぇ、こちらも雇われ。仕事はこなさないと、おまんま喰えねぇーのよ?

 払えないなら払って貰うようにするしかないねぇ~?」


店主

「ご勘弁ください!店の切り盛りも一杯一杯なんですよ!

 それに働けなくなるとまだ小さい子供たちが…」


赤侍

「うるせぇ~!!!野郎ども!!店叩き潰せ!!!」


中年

「ごちゃごちゃ何を抜かしているっ!五月蝿くてイイ夢見てるのに邪魔するな!」


赤侍

「酔っ払いのおっさんが何を言っている?我々を見て何とも思わないのか?」


中年

「ああ、三下 (さんした)が何を言っている」


赤侍

「ふん、良い度胸だ!だが店ごと一緒に潰してやるよ!」





【遠山の禁さん-必殺幕末編-】



「第三話

 合縁奇縁 (あいえんきえん)」



阿歩郎

「ふ~ん、小間使い荒いわねぇ。ちょいと休憩!って何かあったの?」


町人A

「ああ、何でも昨晩この居酒屋のおやっさんに金払えって入った輩が

 一瞬でバッサバッサと倒されたんだってよぉ!」


町人B

「たまたま居合わせた中年のおっさんがやったとかやらないとか…

 最近ここいらでみかじめ料とか求めるのがいるとは聞いてたが

 これで少しは静かになるのかねぇ。」


阿歩郎

「ふ~ん。世の中、悪い奴だけではないってことねぇ。でも誰かしら?

 イイ男?妄想だけで3杯は飯いけそう♪♪」




【-北町奉行所内-】


遠山

「思ったほど情報が集まらないものだな」


北祭

「何せいろいろ事件があったお陰で人手が無くて…」


遠山

「確かに。老中鳥井時代にまともな人間は政治の中枢から外されたり、

 飛ばされたりで酷かったと聞く。優秀な人材は今や音信不通。

 出身の藩に身を寄せたものも数多い。」


北祭

「今更、戻れって言うのも酷な話ですからねぇ。」


遠山

「うむ、いまだ権力を失った鳥井とはいえ、奴の派閥の連中はいまだ数はいる。

 下手な動きをすると首を狙われかねないかも知れない…」


北祭

「とはいえ、日常業務に追われていては…」


遠山

「よし!逃げよう!」


秘書

「無理です。」




【-大江戸下町・平賀源外亭-】


脇賀源外

「おっ!久しぶりだな!」


お通

「あの、お待たせしてすいませんでした!どうぞ。」


源外

「ん?どうしたこの金?」


お通

「私、遊女として働くことになったんです。その支度金です。」


源外

「な、なんだって!?おめー!!」


お通

「良いんです!父の病気を治すにもお金が要りますし…」


源外

「だからそれは利子も取らねぇ!出世払いで良いと言っただろ?」


お通

「はい、とても嬉しかった。感謝しています。ですからその出世払いです、ニコ」


源外

「…言ってくれりゃー仕事なんか他に紹介したのに。」


お通

「今日からお世話になるのでしばらく父を宜しくお願いします。」


源外

「ああ、任せときな!…体、大事にな。」


お通「…はい。」




【-秩父山中-】


ジイ

「あいつは何処行った!!」


曲者一

「任務でござるよ!ござる!」


ジイ

「わしの知らない任務とはなんだ?」


曲者ニ

「これは我らが遣り残したこと故、ジイ様に迷惑は掛けないぞ!」


ジイ

「…これからは勝手に動くなよ?」


曲者一

「分かったでござるよ!ござる!」


ジイ

「ところで鳥井の方はどうなった?」


曲者一

「幕府転覆に人を集めているでござるよ!ござる!

 最近は幕府に不信感を抱くものとの接触をしに薩摩・長州などへ」


ジイ

「外国から武器を買い付け戦争の準備か?ほっほっほ!

 ガキどもがぁ!?たわけたことを…副将軍をなめるなよ!」


曲者ニ

「(兄上!こいつ結局なにがしたいでござるか?)」


曲者一

「(遠山に復讐、鳥井の幕府転覆を阻止。

 …ようは自分が将軍に返り咲きたいんだろ?)」


曲者ニ

「(なるほど。でもこの人の器では無理そうでござるが?)」


曲者一

「(ほんとのたわけは自分とは気づいてない。

 我々はジイ様と鳥井様と掛け持ちをするのも、

 将来のこの国を治める者を探すため。今はまだ流れに身を任せよう…)」




-つづく-

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