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遠山の禁さん!  作者: 活動寫眞
特別章・エピソード阿歩郎
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AFROU-阿歩郎-⑤ 「白昼夢・後編」

「この物語は、登場人物や団体・歴史などはフィクションでござる!」

1853年、アメリクワ合衆国軍艦隊が、大江戸湾浦賀に来航した。

ペロリィ提督は、大統領親書を大江戸幕府将軍・徳川家葦に渡すように要求する。

その期限は3日以内、出来なければ艦隊で北上し、直接この手で渡すと脅しをかける。

遠山禁四郎は、大江戸民の混乱と自体を治めるべく要求を呑む。

そして幕府からの返答を待ち、その約束の3日目のことだった。



提督

【あれほどワサビ抜きって言うたやん!

 入ってないと思って食うたから余計に効くやん!心構え無しやで?

 タンスの角に足の小指くらい痛いぞ!これはちゃうな...

 心構えしてても蹴ったら痛いやん!どーでもええわ!

 しかもよりによって本ワサビって君っ!いろんな意味で上等やないかっ!】


阿歩郎

【つまり、ケンカ売ってるのか!と質の高いワサビ使ってるな!をかけた訳ですね?】


提督

【それくらい言いたくなるほど鼻に抜けた私の青春返せって感じやね!】


禁四郎

「期限には1日あるのにかなり怒ってるな?」


阿歩郎

「いい加減、港町だけの上陸では船員を休ませたり

 物資補給は限界があるみたいよ、当たり前よねぇ。

 勝手に玄関開けて入ってきて飯の準備って言われてもねぇ~」


禁四郎

「初めから力で説き伏せに来ている相手だ。他には何も言って無いか?」


阿歩郎

「他にもいろいろ行ってたけど、取り合えずは返事が届き次第に直ぐに出向するとか。

 どうやら幕府と条約結んでワタシたちの国を自由に使おうと思ってるようね。」


禁四郎

「うむ、北祭の話では、すでにいくつかの艦隊が全国各地で

 得物を待つように沖合いで停泊しているとか...」


活動丸

「和平...それとも戦ですか?」


阿歩郎

「 (ワタシの記憶が正しければ、和平締結し、一気に開国だったかしら?)」


禁四郎

「備えあれば憂いなし!いつでも行けるようには準備しておけ!

 あと気づかれずに頼むぞ。」


活動丸

「御意!」



-夕刻-



中嶋

「遠山さま、老中首座・阿部正寛さまからの書状が届きました!」


禁四郎

「ご苦労、では早速だがペロリィ提督にも場を設けるので準備をと伝えてくれ。」


阿歩郎

「了解よん♪」


中嶋

「して、中身はどのような指示が?」


禁四郎

「...う~ん」


中嶋

「なにか無理難題でも!?」


禁四郎

「いや、達筆過ぎるんだよねぇ、読み辛~い!らーい!らーい!」


中嶋

「え?...じゃ、私目が読みましょうか?」


禁四郎

「お?読めんの?すげぇーなー!出世させてやる!」


中嶋

「ぬおー!思わぬところで昇進したよ、オレ!」


禁四郎

「いいから早く読めっ!」


中嶋

「す、すいません。あの~、嫁や子供に知らせてきても...」


禁四郎

「ん?そのやり取り続ける?ツッコミも口で済まなくなるよ♪」


中嶋

「え~、此度の大統領の親書についての返答はしばし待て。

 大江戸幕府将軍・徳川家葦さまが病床に伏せて居られる。

 このような重大な決断を下すことは我々の立場では出来かねる。

 よって、1年の猶予を要求したい。その間に、準備を行い

 再度来航した際に決断を下す。」


禁四郎

「大体の予想はしていたが、これで向こうも帰港してくれるだろう...」



阿歩郎

「へぇー、そりゃ怒られるわよ!」


禁四郎

「お前、誰と話してるんだって、おいっ!?」


提督

「コニチワ!ペロリィデス!」


禁四郎

「なんで提督が俺の屋敷にいるんだ!?」


阿歩郎

「ああ、1年後に来いって言われてホングコングに戻ろうとしたらしいのよ。

 でも、小笠原諸島を探検したくて寄ったんだってさ」


禁四郎

「あんた、なに勝手に人の国荒らしてんだ!和睦結んでないだろ!」


提督

「アウ~...」


阿歩郎

「禁ちゃん!今、この人はナイーブなんだから責めないで!」


禁四郎

「いや、ナイーブって何?ってか何で言葉しゃべってんだ!?」


提督

「覚エマシタ!生ムギ・生ハゲ・生タマゴ!ネッ!」


禁四郎

「間違ってるのにネッ!って...誰に教わったんだよ!?」


阿歩郎

「最近は夜な夜な飲み歩いてるからねぇ、その辺のお店の子にでも教えられたのよ!

 うちの店の常連だしねぇ!」


提督

「アニキ!」



バキッ!



阿歩郎

「姉御と呼べ!ゴラァ!」


提督「アネゴ...アネゴ...アネキ...」


禁四郎

「...壊れた人形みたいに繰り返してるぞ!大丈夫か?」


阿歩郎

「大丈夫よ、すぐ治るから。

 そうそう、小笠原に寄ったあとに問題が起きたのよ」


禁四郎

「やっと本題に戻ったか。」


阿歩郎

「なんでもここは我々の領土だぁー!って勝手に宣言したんだってさ。」


禁四郎

「なに!?このおっさん人知れずに何してくれとんねん!」


阿歩郎

「だけど、イギリースやロシヤから抗議を受けたんだってさ」


禁四郎

「我が幕府は何をやってるんだ?そんな報告受けてないぞ!」


阿歩郎

「まぁ、結果的に何もなくてよかったじゃない!

 それにその抗議されて凹んで今ではこんな状態なのよ。」


提督

「小笠原探検隊、親書を出しても断られ!

 領土宣言!断られ!私の上司は足臭い!ノッー!」


禁四郎

「最後のオチおかしいよね?ドサクサに紛れて上司のグチですか?」    


提督

「禁サン!」


禁四郎

「気安っ!?ほんとに黒船の提督か?」


提督

「私、アナタについて行きます!」


阿歩郎

「禁四郎に新たな仲間が加わった!」


禁四郎

「よっしゃー!って要らわー!」


提督

「ワタシ、捨てられた!遊び遊ばれ悲しいデース!」


禁四郎

「主に仕事ほっといて遊んでたのおまえだろ!」


阿歩郎

「あら、禁ちゃん!Sに目覚めたの?」


禁四郎

「違うわ!ドMじゃッー!」



禁四郎

「.........?」


阿歩郎

「禁ちゃんどうしたの?」


禁四郎

「いや、今ものすごく恥ずかしい宣言をしていたような???」


阿歩郎

「寝ぼけてるの?でもそれなら嬉しい夢じゃないの?」


禁四郎

「確かに!......でも変なオッサンが出て来たんだよなぁ。」


阿歩郎

「あら、禁ちゃん!こっちの世界に目覚めたの?」


禁四郎

「違うわ!女好きじゃッー!」



提督

「おーぷにんぐ・おぶ・あ・かんとりー!やで」



1854年、日米和親条約が締結され、200年以上の鎖国も終わりを告げた。

禁四郎

「開国...あれ?女王様が来日するんじゃね?」

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