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遠山の禁さん!  作者: 活動寫眞
特別章・エピソード阿歩郎
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AFROU-阿歩郎-② 「決別」

鳥井邸で行方不明の阿歩郎は、しばらくして落ち延びで行き倒れている所を

舎弟に発見され保護、源外の屋敷に運ばれました。

なので禁四郎の隣に寝ています。元気だと襲われ兼ねないのですが、

怪我して寝てるので安心。でも阿歩郎レーダーが反応し目を覚ましました。

北町奉行に着任してからは毎日が御白州と事務処理で大忙しだった。

ようやく余裕が出来た頃には、体はボロボロ、心にはぽっかり

穴が開いちまったようだった。そんな時に奴と出会い、

それまでの仕事漬けから解放された気分だったよ。



源外

「しおらしい事を言うじゃねーか?」


ある時、酒を酌み交わしていると奴はこんなことを言っていた。

「昔にね、と言っても先の話になるんだけど...」



【AFROU-阿歩郎-】



正義の名の下に働いていた時期があった。

だけどいつしかその正義が歪んだ正義になったのよ。

組織の中で働いていると、自分の正義が組織に作られた正義へと変ってしまうの

それは目に見えない魔物のように、そーっと近づいてきて飲み込まれる!

大抵は気づかないまま、働き続けるか、途中で壊れちゃうのよ。

ワタシは特殊な人間だったから、その魔物に気づいた。

でも、抜け出せないくらい闇に浸かってたの...



気づけば苦しく、辛いことだけど、

それまでは何にも感じずに充実した生活を送っていた自分に驚きよね。

知らぬが仏ってやつよね、でも一度心を取り戻した人間には

まともに闇の中で生きることなで出来ない。

だから、理解した上でより、深い闇に進むことに決めた。

簡単に言えば、自分の思い通りになれば、闇であろうが差して変りは無い。


その分のリスクは大きいけど、リターンも大きい。

良い所まで行ったんだけど完敗。利用するつもりがされてるだけだった。


光の届かない闇の中って、自分の居場所も周りも見えなくなるのよ。

深海魚はよく生きてられるわね、ワタシは結局はボロボロになって

闇の底に沈んでいた。


ある日、そんなワタシを呼ぶ声が聞こえてね。

目を覚まして、その声の主を探していたら、禁ちゃんにあったのよ。



源外

「そいつは面白い話だな。」



酒の肴に法螺話でもしてるのかと思ったが

その時の奴の表情は真剣でどこか寂しい目をしていたよ。



源外

「組織に属してると、いつしか“からくり人形”にされちまう。

 賢い奴は“フリ”してるが、純粋な奴は染まっちまう。

 そんな人生が嫌で俺は未だに一人なんだがな。」



俺も組織に属する従順する人間ではない。

ただ言えることは、気に入らない組織なら俺色にするだけだ。

周りがなんと言おうとな!だから気にせずについて来い!



源外

「そんな粋なお前だから俺も助けたんだけどな。

 将軍の前で言ったら切腹ものだぞ!ワハハハハハっ!」



まぁ、最初に未来の話なんて言ってたから

占いか?そんなものに興味はない。未来は自分で決める!ってね。

血液型・星座で今日の運勢決まるのかってんだ!



源外

「そういやぁ、お前!今日の両方とも最下位だったぞ?

 確かラッキーアイテムは、ピンクのちょんまげだったかなぁ?」


阿歩郎

「アイタタタタタタタタッ!って我なにするんじゃいっ!」


禁四郎

「髪よこせ!アンラッキーボーイなんだよ!」


阿歩郎

「怪我人に何してんだ!しかも隣で人が寝てるからって恥ずかしい話しやがって!

 占い信じないじゃないのかよ!」


禁四郎

「不幸はもう嫌じゃ~!」


阿歩郎

「ワタシが斬ってやろうか!」


源外

「おっ!占いが当たりそうだな♪」



-終-

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