北町奉行篇① 「北町奉行は任せろよ!」
「この物語やストーリーは全てフィクションです。」
せめて物語や登場人物・団体はと言おうぜ!
それじゃー、物語・物語だッ!とツッコもう!!
【第一話】
「北町奉行は任せろよ!」
天天保 (あまてんぽう)11年 (1840)3月2日、
遠山佐衛悶尉影元 (とうやまさえもんいかげもと)=通称・禁四郎が
大江戸 (おおえど)北町奉行に任命されました。
大江戸町奉行は、現在の警視庁長官と都知事と東京地裁長官を合わせた
職務ととても重要で、大江戸幕府は権力の集中を避けるため、
同じ職務に複数の人を割り当て、月交代で担当になるシステム。
大江戸町奉行の場合も、南町奉行と北町奉行があり、
裁判が行われるお白洲を半年、事務作業を半年と交代で行われていた。
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4月になり、全国各地で桜の開花宣言がされ
大江戸上野公園もその一つ、たくさんの大江戸っ子たちで賑わっています。
お花見の場所取りで寝ずの番をさせられた新入社員、
酒で異常なテンションの若者たち、上司たちに囲まれ硬くなる部下、
火元を持込み怒られてる大学生、調子にのって桜の枝を追って
岡っ引 (おかっぴき)に捕まり青ざめる男など・・・
花より団子、酒が飲める口実に花見を使ってる連中ばかり
そんな話題も警備や取締のお堅い内容になり聞かされる
禁四郎さんはため息をつく。
3月に北町奉行に着任して一月が過ぎていた。
本来なら1ヶ月の“営業”で南町奉行へと交代するはずだった。
去年の予算が余り、接待やカラ出張などで無理やり決算前に使い切り
業績も思わしくなかった。お陰で朝から晩まで“お白州”を開くはめに!
どうにか去年と同様の予算を確保した。
しかし、「来年はこんなことがない様に!」と、
有難くない一言を北町奉行の天下り顧問は踏ん反り返り言い放つ。
禁四郎「おまえらのための経費確保に働かされてる身にもなれってんだ!
ここでの権限はオレが上だろ?何様だ!」と心で叫び口では「今後は気をつけます・・・」
着任早々、なぜ嫌味?おれの前任者の責任だろ?
お陰で営業を続けている・・・
Q.そんな禁四郎さんについて周りに聞きました。
A.書記曰く「いつもため息ばかり、お疲れのようです。」
A.秘書曰く「本人にしか見えないお友達が日々増えているようです。」
A.老中水野忠国「彼はよくやってるよ、クククッ」
A.禁四郎さん「えっ?おれ?勘定奉行時代が懐かしいよ」
A.南町奉行「ああ、ノーコメントで・・・」
そんな禁四郎、せめて営業活動さえなければ仕事量は減って楽になるのにと
さすれば仮の姿で外に出歩けるのにと、今ではそれも夢のまた夢・・・
つづく
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夢や希望を武器にして
戦いを挑み続ける男が一人
波のように繰り返す
そんな日々であろうとも
彼は決して諦めない、諦めれられないその思い
そんな彼がしたためた心温まる鎮魂歌
【第二話】
「禁じられた御奉行日記」