あとがき
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この作品を着想したのは2011年11月。同時に、第1章にあたる部分をほぼ現在の完成形で書き、第2章・第3章もプロットと下書き混じりに書いています。
それ以降の部分も、イメージやプロットはできており、部分的には執筆をしています。
特にレーネの身に起こったことが発覚しそこで別れることになる展開や、ミコシエが前勇者の葬儀・新勇者の交代の儀式に立ち合い共に魔王の支配下にある土地を奪回にいくことになる展開、その後、一人熱帯へ行く展開等ストーリー展開の重要な部分はできており、その間の旅や戦いの内容をこれらも既に当時あったイメージに沿って肉付け具体化する形で、そのままプロットに忠実に最後までを書き起こしたことになります。(創作を再開してからは、特に第7章の戦いの内容や第8章の熱帯の旅の内容などはイメージや数行の説明だけで全く具体的な風景や情景としてはまだ見えていなかったのでそういう部分についてはその時その時で新たに書いていったことになります。)
この作品の最後のシーンにあたる「雨に泳ぐ光」の後半、魔物が消えて、雨だけが残る、剣ももう足元に捨てる。するとぼんやりとした光が…………という部分もそのままノートに書いてあった終わり方でした。バッドエンドや鬱エンドというのとは違うと思うものの、釈然としないエンドに思えるかもしれませんがそれでもこのシーンにたどり着くための物語であったとは思えるシーンだと自身では思っています。
おそらく、第4章~第6章は、この連載公開を開始した2016年11月に全体を清書にしているのではと記憶。その後は二年間空き、2018年11月(先月下旬)から第7章以降を完成させるべく清書に入った次第でした。第4章の勇者ホリル一行登場以降は特にキャラクター小説を意識し、第7章では(元々そういうふうにできそうなイメージ自体はあったため)主人公無双的な色合いを私なりに取り入れて(ささやかながらかもしれませんが?)結果的には予想外に存分に描けたと思える部分となりました。その後は(これまでの展開を急に変えるのに今となってはためらいもありつつ)第8章は元来描いてきた旅の描写中心に戻り、描きたいと思っていた熱帯地方を、資料等も調べながら実際に描くことができ、終章は(更にためらいもありつつ)これまでの(ゲーム等も含む)長編でも多々理解されなかったような終盤展開をそれでも当時のプロットに忠実に……と描ききったことになります。
率直なところ、今は、何故こういう終わりになるんだろう・こういう終わりにしかできないんだろうという思いがないではない気はします。
これを一種のBAD ENDとして、TRUE ENDを書いてもいいのでは、とも思えています。それはこの(あるいはこの作品のどの時点かからの分岐的な)続きになるのか、また別の作品として……になるかはわかりませんが。
この作品を書き終えて、思ったところ幾つかを率直に書いてみた程度のあとがきです。(このあとがきはまた追記したり削ったりするかもしれませんのでご了承下さい。しかし概ね書いておきたいことはこのようなところになるかと思います。)
この作品を最後までお読みくださった皆様には、最後までありがとうございました。




