手の中の惑星
土を手に取り
握り締める
手に伝わる柔らかな感触
鼻孔をくすぐる地球のにおいに
私は目を閉じる
やがて
丸い土塊ができた
誕生したそれは
手の中の惑星
優しく吹き抜ける風を受けて
その小さな大空にも大気が巡る
朝露の雫は雨となり
潤いの喜びを浸透させていく
草の根の欠片が大地に根付き
その間を微細な虫達が駆け巡る
彼らが紡ぐのは「生命の礼讃」
声なき声が
はかない地表を覆う
私が生みだした小さな惑星よ
おめでとう
流れゆくこの風の中
私は君を支える宇宙でいよう
本作は「春の詩企画」参加作品です。
企画の概要については下記URLをご覧ください。
https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/1423845/blogkey/2230859/(志茂塚ゆり活動報告)