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俺とHONEYと茂のモヒカン

教室に入るとすぐ、担任が深刻な顔で陽子を呼んだ。職員室だ。どうゆうことだ。

淳志は心配そうに摩湖斗を伺う。

摩湖斗は、ふっと視線を感じそちらを見やる。奈津美だ。奈津美は摩湖斗と目が合うと、ニタニタ不気味な笑みを浮かべた。

あの女…。

摩湖斗は淳志に奈津美を連れて来るよう指示すると、教室を後にした。

ポカポカと暖かい屋上は気持ちがいい。だが、遠方で鳴いているカラスが原因なのか、それとも、これから予想だにしない出来事が訪れようとしているのが原因なのか。気持ちが沈む…

摩湖斗は煙草に火を付け、青く輝る空へ吐き出した。その煙は心の曇りにも似た澱んだ空気となって拡散した。

非常階段から二人の足音が聞こえる。

ゴンゴンとコツコツ。

淳志は相変わらず大袈裟に足音を立て上がってくる。奈津美は摩湖斗に呼ばれたことが嬉しくてニコニコ笑い途中から小走りになっている。

「伊澤君、おはよう!」

奈津美の馴れ馴れしさに、淳志は黙って煙草に火を付けた。

「お前…何かしただろ…」

「えっ?何?」

「嘘だ。お前が何かしなきゃ、陽子が職員室に呼ばれるはずねぇだろ!」

「何もしてないよ。ただ、匿名で陽子がウサギ小屋にいるのを見たって電話しただけよ!」

背を向けていた淳志は、勢いよく振り向くと奈津美の腕を掴み睨んだ。

「奈津美!お前、陽子がいつも可愛がってたの知ってただろ!陽子を犯人にするつもりか!信じらんねぇ~それでもダチかよ!もしかして、嫌がらせしてんのお前?」

摩湖斗は淳志をよけ、奈津美の前へ立つ。

「何が気に入らねぇんだ!」

「この前も言ったじゃない。あたしと付き合って下さい。そしたら嫌がらせなんか、もうしないって…伊澤君と付き合ってあの女を上から見下してやるのよ!」

無表情な摩湖斗と勝ち誇った奈津美を交互に見る。予想だにしなかった展開に淳志は驚き目を見開いた。

「もしダメなら、陽子がウサギみたいになっちゃうかもね~ふふふっ…」

---なんだ、コイツ。イカレテル---

「ふっ、面白れぇ。陽子がウサギだと?そんで俺とお前が付き合うってかぁ?おぉ~嫌だ!この前も言っただろぅ、赤毛のケバイの女は嫌いだって!俺と付き合いたいならソレを直して来い!そしたら考えてやる…」

「ホント?直したら付き合ってくれるのね~」

淳志は二人の会話を聞きながら、はらわたが煮えわたる。沸々と煮えたぎる。

「摩湖斗!お前信じらんねぇ!陽子がコイツにやられてんの知ってたのか?お前がさっさとコイツと付き合ってたら、陽子の物がなくなったり、ウサギが死んだりしなくて済んだじゃねぇか!」

摩湖斗は、淳志を睨んだ。淳志も摩湖斗を睨み返し、胸倉に掴みかかった。

「じゃ、あたしはこれで!」

「おい!ちょっと、待て!」

奈津美は平然と姿を消す。

「てめぇ~!なんで陽子がやられてんの黙って見てたんだ!あんな女どうにでもなんだろ!ちょっと怖い目に合わせりゃ、すぐおとなしくなんだろ!何だよ、自分の趣味じゃねぇ女ぐれぇいつも抱いてるくせに!カッコつけてんじゃねぇよ!」

「うっせ!」

「うっせぇ~じゃねぇよ!どうゆうつもりなんだ!」

「淳志、陽子は知ってるよ。あいつだって事。だけど、まだ友達でいたいみたいなんだ…。見てりゃわかる。だから…だからさぁ、その女が俺と付き合ってみろよ?俺が陰でやらしてるみたいにとられたら、たまったもんじゃねぇよ!それに、あの女は厄介だ。もう浸かってるし…それに…」

「薬?だからってほっといたのかよ!あいつが陽子を傷つけるのを黙って見ているつもりかよ!ウサギみたいにされてたまるかよ!もう、摩湖斗には陽子を任せられねぇ!なぁ摩湖斗、ここらではっきりさせようぜ。お前、陽子の事どう思ってんだ?」

「はぁ?陽子?陽子は陽子だろうが。あいつは兄妹みたいなもんだし~」

淳志にだけは、陽子に対する気持ちを悟られたくなっかた。絶対に弱みを見せたくない。トップとしての意地があり、見栄もある。

だが、その一方で陽子に対する気持ちを隠そうとしない純粋な淳志を羨ましいとも思っている。淳志のように素直になれていたならば、こんな事態もまのがれていたかもしれない。気持ちはもっと晴れやかで、スッキリしていたかもしれない。今の心は真っ黒な雨雲が舞い込んで来ようで不快感だ。しばらく沈黙した後、淳志が口を開いた。

「ふっ、兄妹ねぇ~。お前ら他人じゃん!じゃあ、やっぱ陽子は摩湖斗には任せらんねぇよ!」

淳志は摩湖斗に背を向けた。摩湖斗はその後ろ姿をやりきれない思いで見つめた。

お前ら他人じゃん!…煙草をもう一度ふかすと、さっきよりもっと嫌な空気がなだれ込んでくる気がしてならなかった。

しばらくして摩湖斗が教室のドアを開けると、陽子が荷物をまとめて帰るところだった。

親友の麻紀は心配で廊下まで追った。そして、凄い剣幕で戻り担任に食ってかかった。

「どうゆう事!先生!まるで陽子が犯人みたいじゃない!なんで嫌がらせされてる陽子が家で謹慎なのよ!説明してよ!陽子はねぇ、3年になって皆勤とりたくて…自分の将来のこと考えて…嫌な事があっても我慢して頑張ってきたんじゃない!これじゃぁ陽子が可哀想じゃん!」

陽子が皆勤を目指していたなんて。自分の将来を考えていたなんて。摩湖斗は卒業したらどうなってしまうのだろう。毎日陽子の顔を見て暮らす、そんな生活は長くは続かない。

淳志は麻紀を落ち着かせようと肩に手を置いた。

「麻紀ちゃ~ん、ありがとな~。麻紀ちゃんにこんなに言ってもらって、陽子嬉しいと思うよ。俺、陽子と一緒にいてやりてぇから帰るなぁ~」

摩湖斗が言いたかった事を、いとも簡単に淳志に言われてしまった。いつもチャラチャラしているだけの男に。 陽子が淳志に守られるなんてあり得ない。摩湖斗がいつでも側にいて守ってあげたい。淳志に陽子が…取られてしまったら、いったい摩湖斗はどうしたらいいのだろうか。今まで常に陽子と供にいた摩湖斗は、これからどうしたらいいのだろうか。

「俺も一緒に…」

摩湖斗が立ち上がったのを見ると、淳志は冷ややかな視線で殴りかかった。

「てめぇなんか、陽子にいらねぇ!」

お互いに胸倉を掴み合い、緊張が走った。しかし、淳志はふっと手と目を同時に放し冷静な口調になった。

「俺、こんな事してる場合じゃねぇから…」

淳志は走って教室からいなくなった。

淳志…マジなのか?


摩湖斗が陽子の部屋でじっと待っていると、深夜になって陽子は淳志と帰ってきた。

陽子は明るく摩湖斗に話しかけた。

「あれぇ~摩湖斗。どうしたの?」

「陽子、どうしたのじゃねぇ!淳志、こんな時間まで連れまわしてどうゆうつもりだ!陽子は謹慎だろ!」

淳志は黙って窓の外を睨む。

「淳志とカラオケ行ってきたんだぁ~久々楽しかったぁ。今度は摩湖斗も一緒にサボって行こうねっ」

「陽子、サボってとか言ってんじゃねぇよ。真面目に高校生活送るんじゃなかったのか!」

摩湖斗と淳志はお互いに睨み合った。

「いいじゃねぇか!ほっとけよ!お前には関係ねぇだろ!自分の部屋に行けよ!」

この二人はどうしていつも、すぐに喧嘩の態勢に入るのか不思議だ。

「ちょっと~2人とも~喧嘩しないでよ~。ママが上がってくるじゃない!」

淳志は陽子に優しく言った。

「喧嘩なんてしてねぇよ。ただ、ちょっとコイツに失望しただけ…」

「淳志~何、深刻な顔しちゃって~」

「陽子、今日はお前んとこ泊まるから。いいだろ?」

淳志が陽子の部屋に?摩湖斗は耳を疑った。あり得ない。

「うっそ~摩湖斗んとこ泊まってよ~」

「お前とずっと一緒にいるって決めたんだよ!」

いつになく真剣な眼差しに陽子は戸惑った。

摩湖斗はこんな真剣な淳志を見たことがない。常に冷静沈着でいる摩湖斗には珍しく動揺が隠せない。段々鼓動が早くなり、陽子の救いの目から逃れるように背を向けた。

「二人とも、勝手にしろ!」

摩湖斗は夕べの事を思い出していた。布団の中で手を繋いだ事を。陽子を大事に抱きしめ眠った事を。人はこんなにも優しい気持ちになれるものなのかと、始めて知った。その何もかもが新鮮で暖かい気持ちに安らぎすら覚えた。

もし、今日、淳志が同じ事でもしたら、取り返しがつかない。冗談では済まなくなるだろう。嫉妬に狂い淳志を許せなくなるに違いない。一方、陽子に対しても今までと同じように愛する事など出来ないのではないか。きっと辛く当たってしまうだろう。

だが、今の摩湖斗には感情のコントロールが効かない。摩湖斗の周りで起こる多大な出来事にどうしたって考えがまとまらない。怒りが先走りし上手い言葉が見つからず、怒ることしか出来ないでいる。

ここ数日だけでも、トップである摩湖斗の周りで発生する事件や事故のトラブルに適切な判断を下し、神経を尖らせていなければならなかったのだから。無数にある不良グループを更に取り仕切るグループの頂点に立つとゆう事は波半端な器量ではつとまらない。それだけではない。摩湖斗の海外にいる父の会社、あるいは母方の祖父の取り巻く環境。どれをとっても頭が痛い問題ばかりが、摩湖斗の耳に入ってくる。摩湖斗がどれだけ神経を研ぎ澄まし、すり減らしたとしても、心の安らぎなど入る余裕すら持てないのだがら…。だからこそ、陽子の存在は摩湖斗にとってかけがえのない唯一の安息の地であり、誰にも渡したくない温もりなのだ。

「摩湖斗~何怒ってんの~仲良くしようよ~。ねっ?」

陽子は摩湖斗の袖を掴んで、揺らしながら顔をニコっとした。

淳志は火に水を注ぐように摩湖斗を睨む。

「てめぇなんか、自分の高級マンションに帰ってションベンしでもして寝ちまえ!」

「てめぇこそ、美容師のママのおっぱいでも飲んでオムツして寝ろ!」

「なにぃ?」

「何だと~てめぇ~!」

「喧嘩するなら2人とも帰って!」

陽子のキリっとした声に喧嘩している2人は、はっとした。そして陽子は悲しそうに沈んだ声になった。

「2人とも、ありがとう。あたし、大丈夫だから帰って。ごめん。独りにして…」

摩湖斗は怖い顔をしたまま部屋を出た。淳志はまだ、心配そうに陽子の肩に手を置き名残惜しそうにした。本当に大丈夫なのだろうか。心配を胸に淳志は部屋を出た。


「誰だ、授業中に携帯を鳴らす奴は!」

「あぁ、俺だ!」

「あっ、伊澤君でしたかぁ…」

寝ていた摩湖斗は教室中を睨みつけ、黙って廊下へ出た。

誰であっても摩湖斗に口出しする事が出来ない。それがたとえ教師であっても。

摩湖斗がこの辺り一帯をシメていることは学校側も知っている。その摩湖斗さえ特待生にしておけば、他の生徒たちは、おとなしく摩湖斗の言う事を聞いて、無茶な暴力事件で悩まされることもない。ここは全国的に有名な高レベルの進学校だ。一教師のミスで進学率を下げることなど許されない。

元々、摩湖斗はかなりの常識人であるのに加え、相当頭が切れる。違う意味でもキレるのも早いが…。有名な進学校で常にトップの座に君臨していることもあり、誰も摩湖斗には口出し出来ない。

摩湖斗が携帯を見ると、陽子の母親の理香だった。

「あれ?理香ママ、どうした?」

「摩湖斗~陽子学校行ってる?もう4日も帰って来ないんだもん。あんた達と一緒でしょ?携帯切れてるし、連絡ぐらいするように言ってよ!もう、女の子なんだからぁ心配するじゃない!」

「はぁ?一緒じゃねぇよ。陽子、謹慎中だろ?」

「やだぁ、てっきりあんた達と一緒に遊んでると思ってた。だってこの前、摩湖斗が帰った後、迎えよこしたでしょ?」

「はぁ?」

「えっ!違うの?だってモヒカンの男の子が来て出て行ったわよ!やだぁ。てっきりあんた達とツルんでるとばかり思ってた。えぇ~どうしよう。何かあったのかなぁ?」

「大丈夫だ、俺に任せろ…んで、どんな奴?」

摩湖斗は電話を切ると教室の後ろのドアを10センチほど開け、淳志に合図をし廊下に呼び寄せた。

「陽子がいなくなった。お前、どこにいるか知ってるか?」

「えっ!陽子がいなくなった?マジ?俺が知ってるわけねぇだろ!あれから会ってない。お前の方が知ってんじゃねぇか?」

「金髪でモヒカンの男と一緒らしい…」

「金髪のモヒカン?」

「それに…鼻と口に大量のピアス。ビョウのブレスに皮パン。陽子にやたらと敬語使ってたらしい…陽子の知り合いにそんな奴いるか?」

---敬語?---

「ん~ん、パンク絡みかぁ~やだなぁ。あいつら怖ぇ~んだもん。ボ~ンヘッドの武闘集団か、北高のパンクチ~ムかなぁ。待てよぉ、最近出来たパールピンクっうグループもそんな奴いたような~。あれ?パールピーチだったかな?ちょっと当たってみるけど、またあの女、絡んでねぇよなぁ?」

淳志は独り言を言いながら何人かに、ラインを流した。

「淳志、あの女…体育館倉庫に来るように言っとけ!話が済んだら陽子ん家に帰る。理香ママ心配だし…」


「いい加減にしろよお前!何かしたんだろ?俺はお前と関わっているほど暇じゃねぇんだ!」

摩湖斗は煙草を片手に凄む。

奈津美は明るい声で、髪の毛を触りながらニッコリした。

「えっ、あたしが髪の色変えたの分かったの?嬉しい!これで付き合ってくれるんだよね?」

空気が読めないにもほどがある。さっきから会話がまったく噛み合わない。摩湖斗はイラッとし奈津美の髪を鷲掴みにした。

「はぁ?お前、頭おかしんじゃねぇ?髪の色なんか聞いてねぇ!もっと空気読め!陽子に何かしただろって聞いてんだよ!」

「い、痛い、や、めて!」

「したんだろ?言えよ!」

鷲掴みにした手を容赦なく左右に揺らし鬼のような顔を近付けると、奈津美は体を震わせ泣きそうにか細い声を出した。

「ご、ごめんなさい…」

「なに謝ってんだよ!」

「ごめんなさい…だって、なかなか付き合ってくれないから…」

摩湖斗は口だけニヤっとし、顔を覗き込んだ。

「ふ~ん、そんなに俺と付き合いたいの?じゃあ、ここで裸になれ。そしたら付き合ってやるよ」

「えっ、それは…」

「まさか、清いお付き合いとか言わねぇよな。付き合うって事はこれぐらいの事は想定内のことだろ?お互いの事分かんねぇと…」

「……」

摩湖斗は掴んでいる頭を壁に押し付け、今度はその手で首を掴んだ。

「俺と付き合いたいなら、それなりの覚悟はあんだろぅなぁ?清き付き合いで我慢できる訳ねぇだろぅ?18の男相手に…そんな奴いたら国宝もんだ。俺が誰だか分かってんだろ?学校でこんな事したって、誰も何も言わねぇぜ…」

奈津美は薄汚れたマットに乱暴に放り出され、摩湖斗はその上に馬乗りになった。摩湖斗の背後には数人の仲間が二人を取り囲んでいる。体育館倉庫は異様な恐怖に包まれた。

摩湖斗はベルトに手をかけリボンを引きちぎると、奈津美は両足をバタつかせ泣きながら叫んだ。だが、すぐに口にハンカチが突っ込まれ叫ぶことが出来ない。

「さぁ、早く脱げよ。コイツら?気にするこたぁない…俺らが愛し合うところを見せてやろうぜ?じゃなければ…陽子に何したか言うんだな!」

「うぅ、んん…うぅ…」

奈津美の瞳がゆらゆらしているのを、周りの男たちはニヤニヤしながら見ている。が、遠くの方で後輩の叫んでいるのが聞こえると、みな面倒くさそうにそちらを向いた。

「伊澤先輩!堀内先輩が呼んでます!」

摩湖斗は奈津美から目を放さず片手を上げ合図をする。淳志が何か情報を掴んだに違いない。

「さぁ、どうする?」

摩湖斗が容赦なくスカートをめくり上げると、奈津美は赤面し必死にスカートを抑えた。

体格のいい男たちに囲まれ逃げることも出来ない。摩湖斗はまた、ニヤっとして優しい口調になった。

「何なら…コイツらに手伝わせるか?順番決めてもいいんだよ…」

あらわになった膝から大腿部に向かって中指を這わせる。

「俺の女になりてぇんなら、手こずらせんなよ…」

摩湖斗は奈津美の口からハンカチを乱暴にとると床に落とした。そして奈津美の首にある手に力を入れた。空いているもう一方の手でブラウスのボタンを引き千切る。

「やめて!やっ…」

ブラウスの中に木綿の肌着が見える。どこまでも摩湖斗の理想とはかけ離れている。こんな色気の無い女は摩湖斗が相手をする女たちの間ではではあり得ない。何か着ていも、せいぜいレースの付いたシルクのキャミソールぐらいだろう。摩湖斗がどうあがいても欲情できる要素は一つもない。

「やっ、めて!陽子を監禁しました…」

「はぁ?監禁だと?」

「パパの知り合いのヤクザに冗談で伊澤君の命令で陽子を誘拐したら面白いって話してたら。じゃあ誘拐だけじゃつまらないから、監禁ごっこしようってことになって…そしたらすぐに誰かに電話して…」

奈津美の首を掴んだ手が、徐々に力がこもる。ヤクザかぁ。達が悪い…。

「ごめんなさい…そしたらすぐモヒカンの男が来て…うぅぅ…苦し…」

「そんで?」

「そのモヒカンの男にヤクザが、手足を縛って…食べ物も何も与えず弱らせろって伊澤君が言ってるって伝えたら、凄く顔色変えて…まさか本気でするとは思ってなかったの…ごめんなさい…」

首を掴んだ手が更に力を増し、奈津美は苦しそうにもがき続きた。周りの仲間の声でようやく離すと、奈津美は泣きながらうずくまった。

「ちっ…そんで…どこに監禁するって!」

奈津美は下を向いたまま首を振った。

「ちっ。行くぞ!」

「先輩、この女どうします?」

「ほっとけ。一応、俺の所有物にする…」

摩湖斗は奈津美の脇腹をつま先で小突き見下ろす。

「もう、これ以上陽子に近づくな。何かしたら…お前…殺る。お前…俺の女だったら、俺に殺されても構わないよなぁ…」


「もし?俺だけど…」

「あぁ?」

「堀内だけど…」

「あぁ?どこの堀内さん?コレ茂さんの携帯だけど?今、茂さんトイレ!どこの堀内さん?」

淳志は、軽い口調の偉そうな男にイラついた。茶髪のツンツンした髪をいじり煙草を銜えた。第三ボタンまで開けたシャツの胸元で、シルバーのネックレスをいじりながら携帯を肩で挟み煙草に火を付け、もう一度低い声で名乗った。

「堀内だよ…」

「知らねぇよ!また後でかけろよ!」

「お前…誰だ…」

「茂さんの携帯が鳴りっぱだから出ただけだ!あんたにお前呼ばわりされたかねぇんだよ!あっ、茂さん来た!」

男は電話口でボソボソと茂に話している。

茂さん、堀内とかゆうエッラソーな奴から電話です。あぁ?堀内?

「はい、茂。どこの堀内さん?」

淳志は、あからさまに機嫌が悪くなった。

「ゲルか?堀内だよ…」

「へ?堀内?えっ、あっ?淳志さん?えっ、堀内淳志さんですか?」

聞き覚えのある声に茂は緊張のあまり上ずった声に変わった。

「そうだよ、何百回言わせんだ…」

「す、すみません!まっ、まさか淳志さんから直に電話くると思ってもみなかったもんすから。すいません!マジすいません!」

「お前、陽子知ってんの?」

「えっ!あっ、そのっ。もう淳志さんの耳に入ったんすか?すいません!」

「どうしてる?」

「えっ…いやっ…その~。すいません!」

「ゲル、謝ってもらっても嬉しかねぇ。髪金のモヒカンって…お前?」

「はっ、はい…?」

「お前~ちゃんと敬語使えるようになったんだなぁ~。関心、関心。んで?陽子はどうしてんだよ!」

「はっ、はい。イヤぁ~それがぁ…」

「早く言えよ!時間がねぇ!」

「あの~それがぁ、ミスっちゃいまして…すいません!逃げたっうかぁ…今、手分けして探してるとこっす。すぐに見つけますんで、勘弁してください。今度はちゃんと厳重に鍵かけますんで!」

「はぁ?お前ら何やってんだ?」

「すいません!手も足も紐じゃなくて、手錠かチェーンで固定するようにしますんで、マジすみません!」

「何やってんだ、っつてんだ!お前ら、まさか監禁でもしてたんじゃ~ねぇだろうなぁ~」

茂の声は段々と小さくなっていった。

「はぁ、そうですが…淳志さん知らないっすか?もしかして、ヤバかったっすか?」

「ヤバいなぁ~監禁は~」

茂は真っ青になり、腹をおさえた。緊張でまた腹の調子がおかしくなる。さっき陽子が逃げた事で、腹が痛くなりトイレに行ってきたばかりだとゆうのに。バクバクと鼓動が激しさも増し、携帯から聞こえる不気味な声と恐怖に体中に震えが生じる。携帯を持っている手もしゃべろうとしている口も小刻みに振え止まらない。

「淳志さん…俺ら~」

「ゲル、誰に言われた?」

「伊澤さんっす。いや、正式言うと伊澤さんの使いだからって近藤っつうヤクザと伊澤さんの彼女に呼び出されて…」

彼女?摩湖斗の?まさか。なぜ?いや、そんなはずはない。

「伊澤さんからの伝言頼まれたって。陽子さんを監禁しろって、なんか…見せしめにするとか言ってたっす。まさか、伊澤さんが陽子さんにそんな事するなんて…信じられなかったっすけど…あんなヤクザに目を付けられたらたまったもんじゃないっすから。それに、路地裏の陰に伊澤さん見えたんで…やんなかったら今度は俺がヤバいし…。なるべくなら陽子さんに嫌な事はしたくなかったんで、はじめは紐も緩めに縛って…でも、逃げようとするんで…。あのヤクザが来て蹴り入れてるし…そしてら、段々弱っていくし…。あの…あ、淳志さん、俺ら~どうしたらいいっすか?」

茂は泣き声になっていた。

「ゲル、ハメラレタな。女には手を上げない摩湖斗がそんな卑怯な真似する訳ねぇだろ!ただ…摩湖斗絡みだったら、マジヤバい…」

「淳志さぁん、どうしよう~」

「とりあえずゲルは、どんな手を使ってでも陽子を探すんだ!もし、摩湖斗から陽子について聞かれたら、逃げたなんて言うな!摩湖斗の指示だったら今度お前らがヤバくなるから、俺が連れて帰ったって言っとけ!」

「でも、ソレってバレたら淳志さんが…」

「大丈夫だ。俺は摩湖斗を信じてる。もし、万が一、アイツ絡みだったら…俺だってヤバぇよ。でも、大事な女は命をかけてでも守りてぇ。だから、摩湖斗が見つける前に何としてでも早く見つけんぞ!」

「はい!」

「あっ、それ~か~ら~この件ケリついたら~さっきの小僧と~お前らで~反省会しようなぁ~」

淳志は電話を切ると、もう一本煙草に火を付けた。そして情報収集のため、あらゆる場所に送信し、つぶやきを飛ばした。

<らぶり~陽子ちゃ~ん知って~る~や~つ、こ~の~ゆび~と~まれ~!>

---ヒット---

摩湖斗から陽子を守る。淳志は強い信念の元、次にの情報の確認をした。


「あらっ?摩湖斗帰ってたの?」

「理香ママ、陽子から連絡は?」

「あんた達、なんかあったの?さっき陽子帰って来て、摩湖斗の様子聞いてたわよ?機嫌はどうだったとか、もう家には入れるなとか…。喧嘩でもしたの?あ、それから陽子なら、いないよ。しばらく友達ん家に行くって出て行っちゃったの!外で男の子が待ってて~」

「マジかよ。誰だ、そいつ…」

「摩湖斗には絶対に教えるなって~」

「教えろよ!アイツ、なんか勘違いしてるんだよ!」

「ん~爽やかでカッコいい子だったなぁ。亡くなった翔榮君にそっくりで、びっくりしたわ~。そういえば工藤君って言ってたかな?もしかして、彼氏?まぁ、明日はちゃんと学校行くから心配しないでって、言ってたし。学校で会えるでしょ?あぁ、それ淳志にもさっき聞かれたから、その子ん家に行ってるかもよ!」

「淳志が来たのか?」

「30分位前かなぁ」

摩湖斗は淳志に電話をしたが出ることはなかった。代わりに茂にも陽子が家に着いた事を知らせようと、番号を押す。

「ゲルか?俺だ!」

茂は震えた手を押さえ、上ずった声で電話を持った。

うわっ、まずい。伊澤さんからだ。また腹痛に襲われる。普通にしなければと思えば思うほど、異常なまでに口が乾く。

「あっ、伊澤さん!お疲れ様っす…」

「お前だろぅ?」

「あっ、はい…」

「陽子は…」

「あっ、いや…すいません!あのっ、さっき淳志さんと一緒に~」

「はぁ?陽子は家に着いたぞって教えてやろうと思ったのに。お前ソレを淳志に言えって言われたのか?怒んねぇから言ってみろ…」

「は、はい。い、いや…すみません!」

「まぁ、淳志と一緒なら心配ねぇかぁ。明日にでも説明会開け!いいな!」

摩湖斗と淳志は同じことを言う。説明会は確実にあると思うだけで、茂はまたトイレに駆け込んだ。


陽子は赤くなった手首を擦りながら、3年前と変わらない部屋を懐かしく思った。

「晴君に会わなかったら…また捕まるとこだった…ありがとう…」

工藤晴(くどう はる)は翔榮(しょうえい)の弟。3年前に事故で亡くなった翔榮は陽子や摩湖斗たちの仲間だった。このマンションには、よく遊びに来たものだった。

晴は部活の帰り道で偶然だった。いつも通る公園の植え込みにうづくまっている陽子の発見した。訳を聞いて危険を察し、自宅のマンションまで連れて来たのだが、落ち着く間もなく玄関のチャイムが忙しく鳴り響いている。

晴は念のため、奥の部屋のベットと本棚の隙間に陽子を隠すと玄関に行き、陽子の脱いだ靴を下駄箱にしまった。

ドアの覗き穴からそっと確認する。そこには知った顔の淳志がいる。きっと摩湖斗命令で陽子を探しに来たに違いない。このまま居留守を使うのが賢明か。それとも、見逃してくれるよう頼めるのか。

ガタっ!

晴はいろいろ考えているうちバランスを崩し、自分の出しっぱなしの靴につまずき想いもよらぬ大きな音を出した。

うそだろ!こんな時に!

ピンポン。ピンポン、ピンポン!

本当にまずい事になった。淳志は一人なのか?それとも後ろに怖い人たちが隠れているのか。

「ハル、いんだろ?おい!ハル開けろ!」

晴は一回大きく深呼吸をし、そして恐る恐る鍵を開けた。とたん、勢いよくドアが開かれ淳志が一人飛び込み、すぐに鍵がかけられる。

「淳志君どうしたの?」

「陽子いんだろ?陽子!」

陽子は声を出さないように、じっと縮こまった。目をギュっと強くつむり、両手で耳をふさぎ恐怖で心臓が破裂しそうになった。

「お前、ハルだろ?翔榮にそっくりだな~陽子助けてくれたんだろ?奥にいんのか?」

「いないよ!帰ってくれよ!俺、これから出かけるんだ!」

淳志は晴をよけ奥の部屋のドアを開けた。晴が後ろから淳志の肩を押さえるも淳志の力には及ばない。いとも簡単に突き飛ばされた。それでも晴は陽子を守ろうと、淳志の足にしがみつく。しかし、反対側の足で脇腹を蹴り上げられ、喧嘩慣れしていない晴はうづくまってしまった。

陽子はもう淳志から逃げられないと思うと、初めて人の前で土下座をした。ゆっくり正座をし両手をつき頭を床に近づけた。摩湖斗や淳志に土下座をする人を何人も見てきた。まさか、自分がこんな事をするとは思ってもみなかった。

陽子が何をしたというのか。いつ監禁されるようなことをしたというのか。冗談じゃない!

陽子は晴だけは巻き込むまいと、言いたい言葉を飲み込んだ。

「淳志…さん。晴君は関係ありません。晴君は見逃して下さい。伊澤さんが何を怒っているのか知らないけど、晴君は見逃して下さい。監禁され…どうせ殺されるなら…せめてどちらかの手で…」

淳志は陽子を優しく抱きしめた。

「陽子~。何言ってんだよ~。俺をさん付けで呼ぶなよ~。俺はアイツとツルんでねぇ。お前を助けに来たんだ!殺すなんてありえねぇって!まぁ、たぶん今回の件は摩湖斗の指示じゃねぇと思うけど~もし、アイツ絡みだったとしても、俺が絶対守ってやるから!」

陽子は一瞬ためらった。淳志や摩湖斗の優しい言葉の裏には次に来る地獄が待っているのを知っている。許した振りをし、どん底まで痛めつける。それも数えきれない人々をこの目で見た。だから今の摩湖斗と淳志がいるのだ。誰からも恐れられ、グループのトップで君臨していられるのだ。

「すいません。許して下さい。お願いします。淳志…さん晴君を見逃して下さい…」

小刻みに震える陽子に淳志の胸は締め付けられた。いったいどんな辛い目にあったのだろう。こんなにも怯えた姿を目のあたりにした淳志は陽子をより一層強く抱きしめた。

「ばかだな~。もう大丈夫だって。俺はお前を助けに来たんだぞ。さん付けされに来たわけじゃねぇ。陽子~、可哀想に…」

陽子は淳志の優しい眼差しと確かな温もりに触れ、安心したように力が抜けていった。

「バカ、本当にお前を助けに来たんだ。もう心配するな。あれ~陽子?スンゲェ~熱あんじゃん!ハル、布団!解熱剤とかねぇの?冷えピタは?」

晴は陽子に自分のベットを使わせ、淳志にやられた痛い体を堪え台所の引き出しを探した。風邪薬よりはましかと、解熱鎮痛剤を飲ませた。

「ハル~お前出かけるって言ってたよなぁ~俺が付いてっからもう行け~。少しは気~使えよ~。ジャマ、ジャマ!その辺のもの、勝手に使うぞ~!」

「でも、淳志君…」

「お前~俺が信用出来ねぇってかぁ?お前の兄ちゃんは超~信頼してくれてたぜぇ~!」

「だって、摩湖斗君、怖いじゃん。淳志君大丈夫?」

「大丈夫だよ!俺の命かけて守ってやっから、心配すんな!」

陽子は二人の会話を聞きながら横になった。目をつぶるとすっと眠りについた。

淳志は陽子が完全に眠ったのを確認すると、マンションの廊下で携帯を出した。淳志は静かな口調で話し始めた。

「俺、陽子と一緒だから…」

「お前、翔榮ん家にいんのか?」

「いや、あそこはもう出た。摩湖斗に場所は言いたくねぇ…」

「陽子は大丈夫なのか?」

「なぁ、摩湖斗。マジなとこお前じゃねぇよな。俺、お前の事信じてもいいんだよなぁ。マジで、お前絡みじゃねぇよな?」

「俺じゃねぇ!あの女だ!あの女が俺の名前出してやった事だ!」

淳志は悲しくなった。思っていた通りだった。摩湖斗は悪くないと思っていても陽子のあんな姿を見てしまった今、摩湖斗の責任にして憎んでしまいそうになる。

「それって、十分お前絡みじゃん…。ざけんなよ!」

「だから、俺が指示したんじゃねぇって!」

「どっちだって同じだぁ~お前があの女、始末しねぇから~こんな事になったんだろ!こんなに陽子を衰弱させたのは、お前の責任だ!」

「おい、衰弱って…」

「手も足も縛られた痕で真っ赤だし、目は泣きすぎたんだろ、真っ赤に腫れてるし、高熱で~何か食わせようとしても何も食えねぇ…。今はようやく薬が効いて落ち着いて眠ってるけど…。俺はなぁ、お前を敵に回すなんかちっとも怖くねぇ!俺の命にかけて陽子を守るから、もう、ほっといてくれ!」

「はぁ?ふざけんな!」

「ふざけてんのはどっちだ!趣味だとかそうじゃねぇだとか言ってる間にさっさとあの女やっちまえば、こんな事になんなかったんじゃねぇの?この辺シメてるトップが妹のように大事にしてる女一人守れねぇようじゃ、大した事ねぇな!それとも陽子なんて大事じゃねぇってか!」

「うっせぇ!大事じゃねぇ訳ねぇだろ!くそっ!もう、あの女には手出しはさせない。俺の女って事にして、俺があの女監視する!」

「ふ~ん、摩湖斗は優しいなぁ。どんなに腐った女にも平等に優しい、偉いなぁ。お前もそうやって陽子守れてよかったなぁ~仲良くしろよ~」

「てめぇ、おちょくってんのか!」

「おちょくってなんかいねぇよ!おの女と仲良くしてりゃ陽子は安全なんだろ?そうじゃねぇのか?もうこれで心配するこたぁねぇんだな!どうなんだ!」

「あぁ、大丈夫だ!ヤクザの方も俺がケリつけっから!陽子が起きたら連絡くれ…謝りたい…」

「一応、言っとくよ。ただ、相当まいってるよ。トップのお前命令だって思ってたから、俺の事だって淳志さんとか言って…敬語で土下座までしてよ~。お前の事だって、伊澤さんとか言っちゃって…挙句の果てにはどうせ殺されるならお前か俺のどちらかに殺されたいみたいなぁ?もう~涙が出そうになったぁ~!マジで殺されるって思ってたみたいだし…」

「マジかよ。そんなに…。淳志、やっぱ会いたい。会ってちゃんと説明したい。今何処にいる?」

「まぁ、陽子には言っとく。まだお前を信用しきれてねぇし。まぁ、しばらく調子が戻るまで…そっとしといてくれ….」

淳志は部屋に戻り陽子の寝顔を見た。手首の痛々しい痕が目に留まり、指でそっと撫でた。青白くやつれた顔は、淳志の心を痛いくらい締め付けた。

「淳志…あたし…。あの人がこんなに怖い人だと思わなかった。こんなに悲しいと思ったこと無かった。あの人がずっと陰で嫌がらせを指示していたなんて…ずっと優しくしてくれてると思っていたのに…」

「陽子、摩湖斗は怖くないし、嫌がらせだって違うと思うよ。いつだってお前にだけは優しいじゃん。今回は誰かが摩湖斗の名前を使ってやらかした。俺はそう思う。陽子に会って謝りたいって言ってたよ…」

「あの人と話したの?いやぁ!もう、あの人に会いたくない!それに淳志にこれ以上迷惑かけられない!も行く!」

「落ち着けよ!俺は迷惑じゃねぇし、あいつはあいつなりにお前を守りたいって思ってると思いたい」

「どうゆうこと?」

「まぁ、今はゆっくり休め…」

「茂君はあの人の彼女が伝言しに来たって…」

「今は、余計な事心配しないで早く良くなっれ…」

淳志は布団を掛け直し部屋を出た。

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