華麗なる対峙
今回は視点がちょいちょい切り替わります。
読み辛かったりしたら言ってください。
修「いつも読み辛いだろ。」
……ごめんなさい
修「素直っ!」
━弘昭視点━
優美。或いは、華麗。
二人の対峙はそう表現するのが相応しいように思える。
方向性の事なる美少女同士が向き合っているその光景は中々に甘美で思わず飛び込みたくなってしまうね。
「美郷、貴女が相手なのね?」
「そうらしいわね。残念ながら。」
意外にも、というか、やはり、というべきか、美郷ちゃんと――まあいいや、こっちもちゃんにしよう――美由紀ちゃんは知り合い同士であるようだ。
俺と修弘が対戦相手である事を鑑みても、勇者と魔王というのは比較的近しい人間同士で選ばれる物なんだろうか?
地球上のどこかにいる勇者が俺を殺しに来る――とか、話を盛るのもいい加減にしろって感じだ。
「フフフ。ザクシー。今回は私が勝ちますよ。」
「ハッ!小便垂れの小僧ガ!やれるものならやってミロ!」
なんだろう、神様同士にも並々ならぬ因縁がありそうだ。
察するに、以前にもこうしてゲームを行った事があって、ザクシーとやらの方が勝ち越し気味ってとこか。
そんな事を考えながら双方の神と死神をを観察してみる。
とりあえずザクシーから見て行こう。――アエルディーは知ってるからね。
恐ろしい風体だと思う。ジェダーがホラー的な恐怖を纏っている事に対し、ザクシーはあれだ、ほら体育会系な人間に感じる怖さって言うか、そんな感じ。
逆立った赤髪からは一切のチャラい印象を受けず剛健な雰囲気を纏い、歴戦の戦士を思わせる筋骨隆々の体躯は荘厳といって差し支えない。鋭い眼光を放つ鬼の様な――いや、鬼そのものと言った相貌は厳格の一言に尽きる。
対してアエルディーだ。
飄々とした風体でザクシーの荒れ狂う暴圧を受け流している。たとえるなら風に揺れる柳の枝の様。暖簾に腕押しと言っても良いかもしれない。
中性的で柔和な表情はザクシーとは極めて対照的で、簡単に折れてしまいそうな線の細い体格は正反対で、厭味ったらしい雰囲気はまさしく両極的であると言えるだろう。
「(ライバルって奴かな?喧嘩するほど仲が良さそうだ。)」
「そうであるな。良い洞察である。」
今にも戦いが始まりそうな一触即発の雰囲気ながら、美郷ちゃんも美由紀ちゃんもお互いに今だ不動。互いがどう出るのか見極めあっているというよりは、どう手を出すべきか戸惑っていると言った風体だ。
「ね、ねぇ、勇者と魔王だし、戦うのよね?」
「ええ、そうですね。何ならこちらから攻撃しましょうか?」
完全臨戦態勢なアエルディーやザクシーを差し置いて、実際に戦う勇者と魔王はどうも一歩引け気味だ。
俺と修弘の時なんて……さあ、もっとノリ良く行こうぜ。
「それには及ばないわ。いい加減うんざりだもの。さっさと決着付けましょ。」
「そうしましょうか。」
途端、美由紀ちゃんの足元から雑草物凄い速度で伸び始め美郷ちゃんに絡みつかんと迫る。美郷ちゃんは反応すら出来ずにその蔓に絡みつかれて拘束された――ってか、不意打ち汚っ!
「何あれ!?酷くない!?」
「あー確か『死絡みの草』とか言ってたっけな。」
「なにそれ物騒!?死んじゃうの!?美郷ちゃん死んじゃうの!?」
「何故にお前が切羽詰まってんだよ。」
だってさ……だってだってだって……
「このままじゃ美郷ちゃんが……美郷ちゃんが……って、美郷ちゃんが縛られてるぅぅううう!!!」
「楽しそうだな弘昭。」
「触手キタコレ!ハァハァ、触手に絡みつかれる美郷ちゃん。良い!凄くイイ!」
興奮しちゃうぜ。
「おい弘昭、お前の毒電波が通じたみたいだぞ。」
「毒電波とは失礼な。せめて邪念波と言え!」
「なんで某劇場版の敵キャラの、しかも中国語表記の方なんだよ!って、誰にも伝わんねぇよ!!」
さて、実況を再開しよう。
「アエルディー!」
「はい。」
実際に毒電波が通じたわけではなかろうが美郷ちゃんはゾクッとした表情で傍らの神に指示を飛ばし、全身に神の力を充満させて雑草の蔓を引き千切って脱出した。
「流石は俺の嫁だぜ。」
「そこ!妄言吐いてんじゃないわよ!」
と、俺の呟きを耳聡く聞き付けた美郷ちゃんが地面に転がっていた石ころをついでとばかりに俺の方に蹴飛ばした。石ころは俺の額に直撃した。
「あいたっ。でも……きんもちぃぃいいい!!!」
我々の業界ではご褒美です。
「……」
修弘が冷めた目をしていたが、まあ気にしない事にしよう。
☆
━美郷視点━
いきなり美由紀の足元から伸びた雑草から言い知れない悪寒を感じた私は、即座にその蔓を引き千切るイメージを頭の中に作り込み、そのイメージ通りに神の力を発動させた。
あのまま拘束されてしまっては、よく分からないけど拙い何かが起こるのだと、そう直感させられたから――私のアイデンティティ的に。
「流石は俺の嫁だぜ。」
ブチッ――なんて、ちょっと嫌な音が聞こえた気がした。
い、いや、でも目前の魔王から視線を外すわけにも……だからって、この発言を無視しては私のプライドが……クッ……
「そこ!妄言吐いてんじゃないわよ!」
仕方なく、私は美由紀から視線を外すことなく、足元にあった小石を弘昭君の方に蹴り飛ばしておく事にする。額に直撃した。いい気味よ!
「満足かしら?」
「やかましいわ!今度は私の番よ!」
そう美由紀に啖呵を切る。
何となく、ここで負けたくない。そう思った。
「(アエルディー!分かってるわね!)」
「ええ、勿論。」
この時私は、何の違和感もなくアエルディーの神の力を使おうとした事に気付いた。気付いて、でも何も気にしなかった。
アエルディーというちょっとイラつく神の事よりも、ここで美由紀に負ける事の方が、私にとって悔しい事だから。
美由紀は親友。でも、だからこそ、しかし、それでも、美由紀にだけは負けられない!
負けちゃいけない理由がある。勝たなきゃいけない意志がある。負けられない矜持がある。勝つべく闘志がある。
「だから私は美由紀に勝つ!『飛散』!」
☆
━美由紀視点━
美郷が肩肘張っている。それは勿論私に対して真剣に向かって来てくれているという事で、非常に好ましいのだけれども、だからといって美郷に勝利はあげられない。
私にだって美郷にだけは負けられない理由があるんです。
「さっさと決着付けましょ。」
「そうしましょうか。」
そのやり取りを皮切りに、美郷が一気に戦闘態勢に入ったのが分かった。
このままでは私の方が一手遅れてしまいそうで、だから私は不意を突いて先手を取ろうと思い、技を発動した。
それは勿論、『死絡みの草』。拘束し四肢の力を脱力させる技。そんな技だけで勝てるとは思えないけれど、意表をつければ私のリズムに持って行ける。
そんな浅はかな事を考えて、私は戦いに臨んだのです。
「アエルディー!」
「はい。」
美郷は事も無げにあっさりと脱出して見せた。
修弘君と同じ、神の力で引き千切るという実にシンプルな方法で。
まあ脱出されるのは想定の内なので、このまま背後から本命で決着を、と思ったのだけれども……
「流石は俺の嫁だぜ。」
「そこ!妄言吐いてんじゃないわよ!」
美郷と弘昭君のやり取りに思わず毒気を抜かれてしまう。
美郷には実は多少天然な嫌いがあって、良く言えばマイペースと言うか、どうにも私のリズムが狂わされてしまう事が多い。
まあ親友としてはそれが良いのだけれど、宿敵――いや、天敵としてはかなり厄介。私の様な人間にとっては特に。
「満足かしら?」
「やかましいわ!今度は私の番よ!」
弘昭君との愉快なやり取りに私は完全に気圧され、それを表に出すのも癪なので余裕を取り繕って見せる。
結局、完全に美郷のペースに移ってしまった事を察した私は、仕方なく攻撃権を美郷に譲り渡した。
でも、最後に勝つのは私です――と、そう心に決めて。
「『飛散』!」
美郷の拳が赤い光を発し、その拳を突き出すと同時にその光が散弾のように爆裂して私に襲い掛かってくる。
速度は圧倒的。一発一発の光弾が恐らくは岩も砕く威力を秘めているのでしょう。
どうやら連射も効きそうで、美郷は即座に二発目を放つべく再び構えた。
体術だけで避けるのは至難の業ですね。
「(本来こうして使う技ではないですが……)」
「さっさと片付けないカッ!」
美郷が二発目を放つその瞬間、一発目が私に届くその刹那、私は掌を前に突き出して叫ぶ。
「『意死絡みの草』!」
これで決着……付くと良いですね。
続く!続くったら続く!
上手い事物語に『引き』を作ろうとして失敗してる感あるけど続く!
修「うんまあ、な。俺は何も言わないぜ?」
今回セリフ全然ないしね。ナレーターですらないとかw
修「(´;ω;`)ブワッ」
いやごめん!まじごめん!そこまで気にしてるとは思ってなかったから!
修「な、な、な、泣いてねーし!」
ほ、ほら、今回の話終わったら、日常回と長編で修弘の出番作るし、な?
どんな話が良い?リメイク前のお気に入りの話でも、新しい話でも作るから!
元気出せよ、ほら
修「……」
今修弘は『゜+.(っ´∀`)っ゜+.゜』な顔をしています。
修「してねーよ!」
では次回に続きます。
修「してないからな!元気だぞ!最初から!勘違いするなよっ!?」
活動報告の方でも言いましたがツイッター始めました―
IDは『yanagi8270』です
始めたばかり過ぎてどう使ったらいいのか何も分かってない状態です。
フォローとかしていただけたら狂喜乱舞します
ツイッターの上手い使い方とか教えていただける人超歓迎ですw