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神勇者と死神魔王  作者: 柳条湖
勇者魔王ガールズ激突編
17/18

少し遡って

 時間は少し遡る。

 俺が美由紀との戦いを終え、不完全燃焼で帰宅した翌日の話。美郷がこの公園にやってくるちょっと前の事だ。


「俺、美郷ちゃんと付き合うわ。」

「そうか好きにしてくれ。そして永遠に幸せになってくれ。」


 とりあえず俺は昨日の情報交換にと弘昭をいつもの公園に呼び出した。

 相も変わらず訳の分からない事を言い出したのでとりあえず適当に合わせておく。


「おお!修弘も祝福してくれるか!やっぱ持つべき物は大親友だよな!結婚式のスピーチは是非お前にお願いするぜ!」


 何故そこでヒートアップする……


「子供は何人が良いかなぁ!寝るときは川の字かな?違うよな!やっぱり『憂鬱』の形で寝れるくらいが良いよなぁ!」


 一体弘昭は何人家族になる予定なんだろうか。


「プロポーズの言葉はさ、格好良く行きたいよなー。『俺の背中を守って欲しい!』とかどうよ!?」

「待て!そろそろ突っ込めないぞ。一旦落ち付け。」


 なんで子供の話よりプロポーズの話の方が後なんだよ、とか、古い上に何処の戦場で告白する気だよ、とか、言いたい事が多々あり過ぎて困る。


「で、何の話だったか……」

「どうしたら俺が美郷ちゃんとラブラブチュッチュできるかと言う話だ!」

「違うよな!?違ったよね!?」

「違わない!」


 断言されてしまった。相変わらずの暴走具合である。


「まあいいや。俺がお前を呼び出したのはだな、昨日俺も会ったんだよ。」

「運命の相手に?」

「何故にそうなる……そうじゃなくて、お前とは違う死神魔王に、だよ。」

「やっぱり運命の相手じゃないかー」


 だからどうしてそうなる……って、まあ良いか。いちいち突っ込むのもめんどくさい。


「もし本当にそうならでき過ぎだと思うけどさ、あの山下美郷の対戦相手だと思うんだ、俺は。」

「まっさかー。そんなことあるわけねーよ。」


 俺だってそう思いたい。

 しかし現実問題、俺の対戦相手はかなり親しい相手である所の弘昭だ。

 因果なんてものが実在するとも思い難いが、しかし巡り合わせと言う事もあるだろう。

 そう、それは何と言うか――


「物語的にね♪」

「なんか元も子もないねシェアリー。」

「でも大事よ?テンポとかそういうの♪」

「確かにその通りだけどさぁ。」


 まあとりあえず二人を合わせてみて、違えば別にそれはそれで構わない。

 ただまあスッキリしないのが嫌なだけだ。


「そんじゃまあ折角だから二人を落ち合わせてみる?」

「まあ、面白そうではあるな。」


 誠に勝手ながら、面白そうであると云う理由だけで二人を出会わせてみる事にした。


「そんじゃまあ美郷ちゃんには俺が連絡するわぁ。」

「どうやって?」

スキル。」

「でしょうねー。」

「名前はそうだなー……『音色の伝達テル・ザ・フォン』で。」


 凄まじく適当感あふれるネーミングだった。まんま電話じゃねぇか。


「集合時間は、まあ準備も入れて一時間半後……3時頃で良いだろ。」

「オッケー。」


 生返事をしながら、既に弘昭はワクワクした表情でジェダーに何か伝えている。きっとスキルの概要でも説明しているんだろう。


「あ、チワー!アエルディーかな?あのさぁ――」

「とりあえず俺も美由紀さんに連絡入れとくか……」


 弘昭が何やら相手側の神様――アエルディーだったか?――に連絡を取っているようなので、俺も美由紀の方に来れるかどうか連絡を入れておく。

 スキルでな!


「(なんて名前が良いと思う?)」

「『音階の伝導セル・ザ・フォン』が良いと思うわ♪」

「(シェアリーまで!?)」


 って、まあ何でも良いや。


「んじゃあ『念話ザ・トーク』で。」

「酷いわ、ノブヒロの裏切り者!♪」


 とか言いながらシェアリーは非常に楽しそうだ。


「でもそこで『念話テレパシー』とかじゃなくて、ちゃんと『ザ』って付けてくれる所がノブヒロの良い所なのよね♪」


 なんかシェアリーが言っているが無視だ。

 さてさて――


――Trrrrrrr……

――Trrrrrrr……


 呼び出し音数回。


――ガチャ

「はい、もしもし、中瀬谷ですが、どちら様でしょうか?」

「思い切り乗っかってくれてますね。電話を使っているわけでもないでしょうに。」

「あら、修弘君じゃありませんか。ご機嫌いかがですか?」

「しかも流さないで頂けます!?」


 一応誤解無きよう言っておくが、俺は電話も携帯電話も使っていない。

 完全に直立不動の姿勢で言葉だけを相手側に伝えている。

 呼び出し音は……まあ、相手側に出る意思があるかどうかの確認のための、まあ電話のイメージと言ってしまえばそれまでだが……


「あーいえ、何と言えば良いのでしょう。昨日の件についてなんですが……」


 なんだろう……俺は何も悪くないのに何だか歯切れが悪くなる……


「あら、それはひょっとして、貴方の対戦相手の魔王に喧嘩を売った勇者がいて、その勇者がもしかしたら私の相手かも知れないから会ってみない?みたいな話でしょうか?」


 予想が完璧すぎてちょっと引いた。

 流石は因果に干渉するスキルを持つ魔王といったところだろうか。


「そうですね。まあそんな感じです。弘昭が絡まれた勇者がもしかしたらと思ったので、まあ連絡を。」

「ヒロアキ?」

「ああ、失礼。自分の相手の馬鹿魔王です。」

「クス。あんまりな言い方ね。」


 それじゃあ三時頃に、と締めくくって通話を切った。

 これは余談だが、我が神林家は教育方針として携帯電話なる連絡ツールは高校生になるまでお預けとのことである。

 まあ特段必要とも思っていないし、問題はないだろう。


「というわけで、問題ないそうだ。」

「オッケー。楽しみだぜ。」


 弘昭はとっくに通話を終えているようだ。その表情からはやるべき事はやり切ったと言う自信が満ち満ちている。


「さて、じゃあどうやって暇潰しすっか……」

「何言ってんだよ修弘。俺とお前が出会ったら、やる事は一つだろうが!」

「そうだな。愚問だったな。俺とお前だからな。そういう事だろ?」

「分かっているじゃないか修弘。」


 ふん、確かに俺達には最高の暇つぶしがあるよな。

 やってやるぜ。


「いっくぜぇ!」

「おぅともよ!」


 弘昭も俺も気合十分。やはり、これは燃えるよな!


「何何?バトルが始まっちゃうの?ワクワクするわね♪」

「むぅ……」


 ジェダーの反応が芳しくないようだ。ま、それもそうか。

 今回は勇者魔王ゲームに関わるバトルではないのだから。


「第27回ぃ!俺と修弘によるぅ!!大喜利対決ぅ!!ドンドンパフパフ~~」

「いえ~い!」


 なんか周りの空気が寒々しい気がするが気にしない。こういうのは乗っかったもん勝ちなのだ。


「ルールはどうするよ?」

「そうだなー。じゃあ今回はなぞなぞ形式で、超低レベルななぞなぞを出して、それに対して捻った答えを返す、で上手い事言ったと認めさせた方が勝ち、でどうよ?」


 そもそも俺と弘昭はシェアリーやジェダーが来る前から色々な事を競い合っていた。

 基本的には今やっている様なくだらない事ばかりで、俺達も白黒つけたいわけじゃなく、単にこうした勝負形式で馬鹿をやりたいだけなのだ。

 俺はよく弘昭を馬鹿にした事を言うが、そういう意味において俺も弘昭と変わらぬ馬鹿であると言えるだろう。っていうか、馬鹿にならずして、一体どうして楽しむと言うのか。いや楽しめない。


「まー良いんじゃね?」


 気の置けない親友とする馬鹿話。それがつまらないわけがないだろう?

 ただまあ、今回に限って言えば、少し毛色が違う。


「何それ楽しそう。私もやりたい♪」

「ふむ。悪くない。」


 なんか神も死神もやたらと乗り気だった。


「でもこれ、勇者と魔王の戦いと違うぜ?決着つかねぇよ?」

「楽しければ何でもいいのよ!♪」

「左様でございますか……」


 そうらしい。まあシェアリーはそうだろうよ。


「ジェダーも良いのか?こんなノリだけでする会話ってジェダー苦手なんじゃないの?」

「構わぬ。我とて、楽しむ事が嫌いなわけではない。」

「いや、そういう堅苦しいのが得てして場を白けさせる原因に……って、言っても仕方ないか。」

「む……ぅ……」


 弘昭の方は難航していそうだ。まあ乗り気があるなら好きにさせれば良いだろう。

 ローテンションキャラの不意な一言に思わず噴き出すって事もあるからな。


「よっしゃー!記念すべき第一問は俺からだー!」


 弘昭が我こそはと言わんばかりに挙手をする。まあ言い出しっぺには最初に出題者をやってもらわないとな。


「問題です!朝は四本脚、昼は二本脚、夜は三本脚で生活する生き物ってなーんだ?」


 ふむ……有名ななぞなぞだ。

 正しい答えは『人間』。朝昼夜と云うのは人間の一生を一日に例えていて、人は赤ん坊の時は四つん這いで歩き、成長して二本足で歩くようになり、年老いて杖をつき三本脚で歩く、その比喩なのだ。

 勿論ここで『人間』と答えるなんて愚の骨頂――マジレス乙。

 となれば、ここで捻った答えを返さなければいけない。別に正しい答えである必要はない。ただ、上手い、もしくは、面白いと思わせれば良いのだ。なにせこれは、大喜利なのだから。


「そうねぇ♪」

「……」


 シェアリーやジェダーの様子を窺う。両者とも何事かを考えている様子だ。

 あまり考えて喋っても面白い言葉なんて出てこない。むしろちょっと面白い事が言えても、考えて喋ったボケなんてのは大抵滑る。素晴らしく滑る。かと言って、何も考えないで喋るのは難しい。

 弘昭と一対一の時ならほぼ勢いだけで喋るのだが、シェアリー達が混ざるとどうにもやり辛い。

 どうせ何を言っても出題者がツッコミをする責務を負うのだし、訳の分からない事を言って弘昭に丸投げするのも良いのだが、それでは面白くない。主に俺が。

 良し決めた。狸で虎で猿で蛇なあの空想上の生物ならば……


「ぬ――」

「鵺ね!♪」


 シェアリーが被せてきやがったぁぁあああーーーー!っていうかお前心読めるじゃねぇかー卑怯者がぁぁあああ!!!!!


「何言ってるのか分からないわね♪」

「(俺は何も言ってないのにそのコメントをする辺りが心読んでる証拠だろぉがっ!!)」


 畜生め……だったら、俺は伝家の宝刀を抜くか……


「あ――」

「朝は四本脚、昼は二本脚、夜は三本脚で生活する生き物、であるな!」


 そこでジェダーが伝家の宝刀『問題分を丸ごと出題者に丸投げ』を使うかよっ!っていうか、お前も俺に重ねてきやがったな!俺に何も言わせない気か!!


「そりゃそうだ!って、ア~ッハッハッハ!ジェダーも案外面白い事言えるじゃないか。アハハハハ~結構面白いぜそりゃ。

 ん?そういや、まだ修弘から答えが出てねぇなー。おいおい修弘よ。慣れてるからって油断してんじゃねぇぜ?バシッと決めてる答えを見せてくれよな!」


 そして弘昭め……シェアリーとジェダーが俺に被せて解答してきたのをしっかり分かってるくせに、わざとハードルを上げてきやがる……

 ってマジかよ、おい……ここにきてネタがないのに、完全丸投げかよ……

 これもう何を言ってもだだ滑りするパターンじゃねぇかよ。

 何を答える……何を答える……何も出てこない……何も出てこない……


「に――」

「に?」

「人間(ボソッ」

「プッ」


 !!??


「はいぃ?聞こえないなぁ修弘君!大きな声でぇ!」

「クッ……人間だよ人間!その問題の答えは人間だ!」

「はい人間頂きましたー!それじゃあ皆さんご一緒に~、1,2,3、ハイ!」

「「「マジレス乙!!」」」

「なんで息ぴったりなんだよお前ら!!」


 そんな訳の分からないやり取りを、俺達は美郷がこの公園に来るまで続けていたのだった。

というわけで、前章の没頭で修弘達がやっていたゲームの真相でした。

え?面白くない?すいません。それは一重に修弘のセンスの無さが原因です。僕は悪くありません。


修「むしろお前が全責任を負えよ!俺は悪くねぇっ!そうだ!作者だ!柳条湖がやれって(ry」


はいはい慣れないパロディはやめようねー見苦しいからねー


修「そこだけを拾うなよ!もっと言うべき事があるだろ!」


うん?修弘ってさ、言う事成す事、基本サムいよねー

少しは良い所もあると思って(ry


修「俺をディスれなんて言ってねぇよ!!さっきのパロをここで拾い直すんじゃねぇよ!」


さて、次の章ではいよいよ勇者魔王レディースの戦いを描いていく予定です。

まだ誰の視点にするか決めていないのですが、できるだけ臨場感溢れるように描けたらいいなと思います。

では、またよろしくお願いします


修「俺を無視するな~!」

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