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あーかい部! 〜部室棟 乙女の干物 集まりて 怠惰を極め 綴るは実績 電子の海へ あゝあーかい部〜 84話 消毒

ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立 池図(いけず)女学院。


そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。


あーかい部に所属するうら若き乙女の干物達は、今日も活動実績(アーカイブ)を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。

ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立 池図(いけず)女学院。


そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。


あーかい部に所属するうら若き乙女の干物達は、今日も活動実績(アーカイブ)を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。






池図女学院部室棟、あーかい部部室。


きはだがドアを開けるとそこには、




「ぉはょ……、」




干からびたあさぎが無惨な姿で机に突っ伏したまま顔だけこちらに向けていた。




「もう午後だよぉ……。」




きはだは呆れながらいつものパイプ椅子に腰を下ろした。




「……今日も元気に死んでるねぇ?」


「ウン、アサギチャン、ゲンキイッパイ。」


「こいつぁ相当重症だぁ。……寝てないのぉ?お目目が盛り盛りの(くま)さんだよぉ?」


「誰か平日からお逃げなさいしてくれないかなあ……。」


「はは〜ん?さては恋のお悩み


「この私が?」


「陳謝します。」


「しないでよ。」


「お休み何してたのぉ?」


「……わかってて言ってるでしょ。」


「めちゃくちゃ聞いて欲しそうなお顔してるからねぇ。」


「……わかってんじゃん。」


「どうせアレでしょ〜?ケーキでしょ?」




あさぎはお休みの日にきはだの家でケーキ作りのレクチャーを受けていた。




「モウヤダ、ナニアノユウキテキセイミツキキ…。」


「ど〜うどう、落ち着くんだぁあさぎちゃん。精密機器は漏れなく無機物だ。」


「ぐあ"あ"あ"……!理系用語を、使うなあぁぁ……!?」


「うわぁ苦しみ方が死に際の魔王だぁ。」


「魔法の世界に生まれるんだった……。」


「あさぎちゃんあさぎちゃん、錬金術は英語でぇ〜?」


「alchemistry.」


「うんうん腹立つ程いい発音だねぇ〜?じゃあアル取ってみようかぁ?」


「chemistry……、ぐほぁっ!?」


「や〜い自爆してやんの。」


「は、はめやがったなあ……、おのれ勇者めえ……!」


「きはだちゃんは世界救う趣味ないよぉ……。」


「じゃあ平日という平日を滅ぼしてよ、魔王あさぎの代わりに。」


「魔王様、お仕事の時間です。」


「いやだぁ"ぁ"……。」




あさぎは机の上で溶けた。




「うんうん、魔王のお城も従業員がいてお仕事してるんだよねぇ。」


「やめろおぉ、夢が、夢がぁ……!」


「フッフッフ、例え世界を手中に収めても平日からは逃れられないのだよ。」


「ゲームなのに夢も希望もない……。」


「まあまあ次の休日を希望に生きれば良いではないか、良いではないかぁ〜。」


「あ〜〜れぇ〜〜……!?」


「こうして世界は回っているんだねぇ。」


「こんな世界は嫌だ……。」




「なになに?今日も元気に現実逃避?」




白ちゃん入室。




「お休み明けだからねぇ〜。」


「学生はまだまだ良いでしょ、授業受けてりゃ終わるんだから。」


「お金は貰えませんけどね。」


「当たり前じゃ……!」


「白ちゃんはお休み明けどうやって乗り越えてる〜?」


「私?そらもう仕事後の一杯よ。」


「「うわぁ……。」」


「引いていられるのも今のうちよ?どーせ10年も経てば2人とも『酒!飲まずにはいられない……ッ!』とか言ってアルコール流し込んでるわよ。」


「こんな大人にはなりたくない……。」


「そんなこと言ったって、2人とも酒麹とかお酒入りのスイーツ食べたことあるでしょ?もう身体がアルコールを欲するように世の中の仕組みが調教済みなのよ。」




白ちゃんは2人のお腹を交互に指差した。




「ああ、スイーツと言えば……、」


「おやおや、またケーキのお話に逆戻りかい?」


「どんなお話?」


「あさぎちゃんがケーキ作れなすぎて粘り気がなくなっちゃったお話ぃ。」


「……それで溶けてるのね。」


「もうケーキやだ……。」


「って、きはだちゃんケーキのこと知ってるの?」


「フッ。何を隠そう、あさぎちゃんを調教したのはこのきはだちゃんさ……!」


「調教ブーム?」




「まあそれはともかく、眠いならさっさと帰って寝れば?睡眠不足は体に毒よ?」


「お〜、久しぶりに養護教諭っぽい!?」


「あたしゃ毎日養護教諭じゃ ……ッ!」


「帰ったらケーキ……、ぅ"……、」


「こりゃ相当重症ね。」


「もう泊まっちゃえばぁ?」


「宿直室じゃケーキ作れなぃ……。」


「トラウマなのに作る気ではいるのね……。」


「ん〜?」


「きはだちゃんどうかしたの?」


「……ねえねえ白ちゃん、池図(いけず)に宿直室なんてあるのぉ?」


「この学校に宿直室なんて、聞いたこともなかったわね……。あれ?あさぎちゃん、なんでケーキ作る設備が無いこと知ってるの?」


「あ……いや、その、ケーキ作るにはオーブン要りますから!家庭科室にプロレスのリングがあるのとおんなじくらい、あり得ない話でしょう……!?」


「こやつ、怪しいなぁ……。」


「ま〜、宿直なんて今どきしないわよねえ。」


「白ちゃん宿直やったことないのぉ?」


「ないない、むしろ出勤しなくていいから頼まれたら快く引き受けちゃうもん。」


「「汚部屋(おべや)だもんな(ぁ)……。」」


「おい。」




「白ちゃんお休み何してたのぉ?汚部屋ぁ?」


「汚部屋は動詞じゃないのよ。……実家で菓子パしてたわ。」


「へ〜、良いな良いなぁ〜。」


「そんな良いもんでもないわよ……。」


「お菓子食べたのにぃ?」


「お菓子で手放しに喜べるのは未就学児までなのよ。」


「どうしようきはだ……私、未就学児なのに同い年の高校生の誰よりも文系できる……!?」


「どうしよぉあさぎちゃん……きはだちゃん未就学児なのに主席合格しちゃった……!?」


「未就学児にあるまじきマウント合戦……。」


「白ちゃん先生も心に飼いません?」


「未就学児を……さッ。」


「生憎だけど私の心はもうアルコールで満たされてんのよ。」


「よく燃えそうですね。」


「火だるまにするなっ。」


「燃やされたくなかったら禁酒することだねぇ。」


「く……っ!こやつらが成人なら胃袋消毒してやる所なのに……!」


「汚物は消毒ダァーー!」


「結局燃やすんかいっ!」


「汚部屋も消……白ちゃん先生、火災保険入ってます?」


「ちょっと良識あるの逆に怖いんだけど……って、うちは汚部屋じゃないわよ!」


「そうだよねぇ、ただちょ〜〜っとものが多いだけだよねぇ?」


「片付けられない人あるあるやめい。」


「そうは言いますけど、ここだって毎日私かきはだかひいろの誰かが片付けててなんとか現状維持してますし。」


「ありがとうございますッッ!!」


「お掃除……しようね?」


「はい……。」


「火災保険も……。」


「消毒すな。」








あーかい部!(5)




きはだ:投稿っ!


白ちゃん:お疲れ様♪


ひいろ:今日はきはだの番か


あさぎ:ひいろの家火災保険入ってる?


ひいろ:今日は保険の話なのか……?

ひいろ:たぶんおばあちゃんが契約していると思うが


白ちゃん:あの、菓子パに命かけてるおばあちゃん?


ウィスタリア:きょーき……


ひいろ:おばあちゃんは言っていた……狂人の称号こそ、その道を極めた証左だと


あさぎ:ひいろのおばあちゃんの教育方針が気になり過ぎる


白ちゃん:教頭先生のお姉さんよ?

白ちゃん:察しなさい


ウィスタリア:わーお!それはまた新事実……!?


きはだ:ひいろちゃんは権力とズブズブなんだよぉ〜?


ひいろ:その言い方やめろ


白ちゃん:あの溺愛っぷりは、ねえ?


ひいろ:その話はもう良いだろう?それより、ウィスタリアの家は火災保険入っているのか?


ウィスタリア:とーぜん♪

ウィスタリア:しがないうさぎ小屋ですけどね……


あさぎ:そういえば一人暮らしだったか


白ちゃん:困ったことがあったらすぐに頼りなさいね?


ひいろ:頼る人は選ぶんだぞ?

きはだ:ありがとう、汚部屋のお姉さん!

あさぎ:汚部屋がなんか言ってますね


ウィスタリア:白ちゃんさん……?


白ちゃん:おほほ!やぁねぇ、みんな冗談がお上手なんだから


ウィスタリア:じー……


ひいろ:たまには掃除しような?


白ちゃん:はい……

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