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君の励まし言葉

中学生の頃僕は、真っ黒などろどろとした青春を過ごしていた。

僕は自分の容姿も声も何もかも嫌いだった。

そんなことを考える自分も嫌いだった。


1年生の始め、僕はこんな性格だから友達が少なかった。

友達と思っていた人も友達じゃなかった。

正直友達なんていなくたって過ごしていける。でも友達は欲しかった

いっつも一人でご飯を食べ、黙々と帰る。

そんな日々を過ごしていた。

当たり前かもしれないけれど1年生の前期は、数えるほどの友達も居なかった。

後期こそは頑張ろう。後期こそは。

そんな事は性格を180度曲げないと無理だった。


夏休みが終わり、後期になった。

クラス替えがあり僕はそこに期待していた。

新しいクラスで班の中で自己紹介が始まった。

僕はあまり印象に残るようなことは言えずにただただ時間が過ぎていた。

でも、僕が趣味を言った瞬間同じ班の人も同じ趣味ということがわかった。

それだけで嬉しかった。

僕は授業中でも休憩時間でも話すようになった。

そこから僕と君は一緒に帰るぐらいには仲良くなった。

でも自分のことが嫌い。それは変わらなかった。

僕はこんな優しい人と仲良くしてていいのかって思った。

クラス替えが始まった頃、僕は初めての親友と呼べる君に出会えた。

僕はほぼ毎日一緒に帰り他愛のない会話をしていた。

「何が好き?」とか「好きな色なに?」とか毎日同じようなことを繰り返していた。

ただ嬉しかったのかわからないけど会話の内容は大体覚えていた。

相手も会話の内容は覚えてなくても誕生日は覚えててくれた。

それだけで物凄く嬉しかった。

友達が少ない僕には新鮮だった。

とにかく僕には友達が必要不可欠な存在だった。

ある意味依存していたのかもしれない。

僕はこれで世の中助け合いということがわかった。

ただ僕は助けられてばっかりじゃないか。って思う。

そんなことを考えるとちょっとだけ胸が痛くなる。


僕の親友はなんでもできる。それに比べて僕はなにもできない。

僕は勉強も苦手。努力することも苦手。

でも僕の親友はそれができる。

勉強はできるし、夢のために努力もしている。

僕は羨んでるのか嫉妬しているのか自分でもわからない。

ただ一つだけわかったのは僕は人より劣っている。そんなことだった。

そんなことを考えてから僕はだんだん世界が暗くなっていく。そんな気がした。

ただ親友のせいではない。ただ自分がネガティブなだけ。


そこからしばらく経ったある日、「元気ないけど大丈夫?」と聞かれた。

僕は「大丈夫。」と答えた。人を頼るのが嫌だった。迷惑になりそうだった。

それ以来僕は心配されても「大丈夫」と答えるようになった。僕は大丈夫が口癖になっていた。

この口癖は治したかった。自分に負担がかかるだけ。でも他人に迷惑をかけないならどうでも良かった。

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