6話目
遅くなりました!6話目です!ちょっと暗めなのでお気をつけください
ある平日の昼下がり
「チッ」
舌打ちがなる
苛立ちによって行われるその行動
それは一人空を飛んでいるものが行っているものであった
それが見つめる先には一人の制服を着た少女であった。
「嫌なもん見るぜ」
その者は嫌悪が混じった視線で少女を見つめる。屋上で少女がおりどこか晴れ晴れしい表情をしていた。いい表情だと言えると思ったその時 ドン! という鈍く重いものが落ちた音がした。
そしてその数秒後悲鳴と困惑の声が響いた
それを宙に浮いている者は「クソっ最悪だな」と呟きながらフードを外す。
そこには赤い瞳と赤く長くまるで炎のような印象を持つ髪を持つ女性がその惨状を見つめていた。
一方
送り人は一人のんびりと紅茶を嗜む
送り人「ふぅ。やはりこの紅茶はいいですね」
そう言って机に置いてある茶葉が入った瓶を眺める。数日前ある愛情を持った絵師に貰った大切な紅茶だ。
その時チリンとドアのベルがなる
送り人「さて仕事ですね」
そう言っていつも通り送り人は支度をする
紅茶を片して、ローブを着て、身支度をしてさてドアに手をかけ出ようとした瞬間
送り人「・・・今日は嫌な日ですかね」
送り人はぽつりとその言葉を零すとグッとドアノブを握りゆっくり歩みだして行った。
送り人が着く
そこは見覚えのある学校の屋上。ある男性が楽しそうに音楽を奏でたところだ
だがそこは平和な様子はなく酷く混乱した状態だった
ある1箇所の場所に集まる人々。生徒や先生達そこにはブルーシートがあり何かを見せないようにしていた。
スマホを持ったり友人同士と話し合っていたりする
そして中には警察と救急隊がおりブルーシートで囲みの中に出入りしている。
少し隙間から見えたところには白の校舎の壁が赤い色が広がっていた。
何があったのかと周りを見聞きしていると。
少し離れたところにはパニックで泣いている女子生徒を落ち着かせる保健の先生。
警察と話す生徒。その会話には
男生徒「俺っこいつらと…遊んでたらいきなりっ人が、っそれで」
警察 「うん。ありがとう。ゆっくりで大丈夫だよ」
周り全てが騒がしい。人も空気も何もかも。ずっと落ち着かない空気だ。
送り人「やはり嫌な予感が当たりましたか。」
送り人は顔には出さないがどこか嫌そうな感情を言葉に出している
そして嫌な空気と言葉の中を巻き込まれそうになりながら窮屈そうに歩いていると
「おい」
声がかけられる
送り人は生きている人からは見られない
死に際が近い人や特別な人以外は見られることは無い。
絶対にだ
だがもうひとつ
見られることがある
話せることがある
一緒に仕事をすることが出来る
送り人はゆっくりと後ろを振り向き、
少し微笑んだ顔でこう言う
送り人「こんにちは先輩」
送り人の先には黒のフードを来た女性がいた
ヒールを履いたその人は背は送り人より高く、髪は鳳仙花のような赤色の髪と瞳を持ち炎が燃えているような印象を持つ。
どこか頼りになる雰囲気を持ちそしてどこか圧倒される存在を持つその人。
でも怖くは無い。安心もできる人
それは送り人の先輩。亡くなったものを死後の世界へ送る送り人としての仕事の先輩だった。
送り人「お久しぶりです。先輩。」
先輩 「よう。元気だったか?」
送り人「はい。おかげさまでやれています。」
先輩 「そーかならあたしの仕事手伝ってくれよ」
そういってケラケラ笑う先輩をどこか困った顔でこう言う
送り人「それは…先輩また仕事貯めてますね?」
先輩 「多すぎるんだよ。すーぐに誰か死ぬんだから」
白い髪を持ち優しい送り人と違って赤い髪を持つ彼女は豪快に笑いながら少し、いやなかなかな言葉で仕事の話をする
だがすぐに静かになり送り人をじっと見つめた彼女はゆっくりと言う
先輩 「行けるか?」
送り人「えぇ。行きましょう」
ゆっくりと二人で目的の場所へ歩いていく
送り人「もしかして見たんですか?」
先輩 「・・・あぁ。最悪だった。」
送り人「やはり今回は」
先輩 「まあお前の察しの通りだよ」
送り人「…今日は嫌な日ですね」
先輩 「あぁ。嫌な日だ」
人が行き交う階段をゆっくりと昇っていく
先輩 「嫌になったらすぐ抜けろよ」
送り人「いえ、、その人に特に思うことがないので」
先輩 「、、、そうか」
1番上の階
屋上の扉に手をかける
先輩 「行くぞ」
送り人「はい」
2人は扉をゆっくりと開いた
そこには警察の鑑識だろうか数人がいた。でもそこが目的のものではなく屋上の壁人が少なく影になっているところへ向かう。
コツコツとヒールの音を鳴らしながら堂々と向かう先輩。それを見た送り人は無言でついて行く。
着くとそこには一人の少女がいた
どこかあっけらかんとした様子で制服を着て体育座りをするその子は2人を見つけると無言で見つめる。
少女 「あれ?見えてるの?」
ふたりが頷くと少女は嬉しそうに話しかける
少女 「へぇ!すごいすごい!霊感ある人?でも学校の人じゃないよね?警察とか救急の人でも無さそうだしてか真っ黒すぎだって暑くないの?。」
笑顔と怪訝な顔を繰り返す子は亡くなったばかりと思わないほど元気よく話していた
送り人が話しかけようとすると
先輩 「あたしらは送り人。てめぇみたいな死んだやつを死後の世界へ送るもんだよ。」
少女は荒い口調に驚いたのか「え?なんか怖」とつぶやく
先輩 「てめぇみたいなやつに優しい言葉でいいたくねぇよ」
本来なら送り人としてありえない行動だがイラついている先輩はこういった
先輩 「自分で喜んで自殺するやつなんかにな」
その瞬間その場の空気がピリリと固まるようなイメージが流れる
少女 「ふーんもしかして見てた?」
からかう口調で言うそのこに先輩にとうイライラした顔で
先輩 「あぁ。クソだったよ」
少女はそのイラつきに気づかないのか笑いながら
少女 「ひどいなぁ。そこまで言われるなんて思わなかったよ」
先輩 「チッてめぇ何のためにこんなこと」
まるで襲いかかる3秒前のような状態の先輩に、落ち着いた声が響く
送り人「先輩。落ち着いてください。私たちの仕事は死後の世界へ送るだけです」
落ち着いた表情、いや何も思っていない表情を見た赤の女性は「ふぅー」っと一息ついてから「すまん」と言いもう一度少女を見た。
先輩 「お前の未練がないか、お前の苦しみはないか。お前を送るために必要な工程だ。やりたいことやらしてから送るんだ。何かあったら早く言え」
落ち着きを取り戻した彼女は口は悪いままだが送り人としての仕事に取り組み始めた。送り人はそれを静かに見守り少女は気の抜けた表情をしていたがゆっくりと笑いながら
少女 「じゃあ!あそこ行きたい!」
と元気よく言い始めた。
そこは人が賑わう道だった。喫茶店や服やお菓子や流行りのものが売られていて流行りがあって中、高校生に人気の場所!と言える場所だった。平日の昼間だがなかなかに人がいる。
少女 「やったぁ!空いてる!カフェ行こ!」そういった後に送り人が冷静に答える。
送り人「私達送り人や死者が生者の方々に見られることはありません。なので入れませんよ。」
少女 「えぇ!なぁんだラッキーだと思ったのにぃ」
つまらなさそうな顔をしながら流行りのドリンク店をみる少女に送り人は話す
送り人「これは未練になりそうですか?」
少女 「ハハッいやいやそこまで重要じゃないよ。飲めたらいいなーぐらいだったしそれに」
送り人「それに?」
少女 「やりたいことはぜぇんぶやっちゃぅたからさもうここにいる必要は無いよ」
少女は眉をひそめた顔で笑っていた。
その後ぶらぶらと歩きながらあっちこっち行く少女を無言とイラつきの送り人達がついて行く。そして日が暮れて学校から学生や仕事帰りの人々が帰る頃
3人は少し高い丘に歩いていった。
少女 「やーっぱりなんも面白いことないね」
少女はつまらなさそうに2人に話しかける
少女 「わたし17だけどさやりたいことぜーんぶやってさなんも面白いことなくなっちゃったんだよね。友達も勉強も部活も必要最低限なことやり切ったし趣味があるかって言われたらなかったからさ」
2人はその話を黙って聞く
少女 「なぁんでこんなつまらない世界なんだろうね。知りたいことは調べりゃすぐに出てくるし自分で出来ることばっかだったし。母親も父親もつまらないやつだったし」
その言葉を聞いて先輩は拳をぎゅっと握る
送り人はその様子を気にかけながら少女の理由を知っていく
少女 「友達だってどれだけ仲良くなってもそれは最低限のことどうせどっかで別れるしどっかで消える縁なんだからさ」
そして振り向いてこういった
少女 「だから私が消えても問題ないでしょ?」
その送り人は何も答えれない。だが隣で「チッ」っと舌打ちをおとが聞こえたと思ったらズカズカと近づいて少女の首の周りの服を握り
先輩 「てめぇがそういったっててめえがいた事には変わりはねぇ!てめぇが居なくなったことで悲しんでる人がいるには変わりねぇんだよ!」
少女は驚いていると先輩は送り人に向かって
先輩 「おい!遺体ある場所にいくぞ!」
送り人「…はい、わかりました」
少女の首根っこを掴み空を飛ぶ彼女について行きながら病院に着くそして遺体安置所に歩いていく
少女が「ちょっいたいって」と抗議の言葉を言っても黙って連れていきドアをすり抜けバッと投げるように離した
少女 「ちょっいったぁ。何すんよの」
先輩 「……ろ」
少女 「は?」
先輩 「お前を見て悲しんでいる友達と家族を見ろ!」
少女が後ろを振り返るとそこには顔に白い布をかけられた自分であるとわかる遺体と周りでなく少女が関わってきた人達だった。
友達は「なんでっなんでよ相談してよゆり」「やだぁぁぁいきてよぉぉぉ起きてよぉ!」「っつ……うっぐす」と泣いて縋り
家族は
母親は「ゆり!ゆり!ゆりぃぃ」ととっくのとうにぬれたハンカチで目元を押え
父親は「何か辛かったのか?俺たちじゃ頼りにならなかったか」と遺体の手を握り静かに涙を零していた
少女はその光景を見て
少女 「え?な、なんで?遺書置いてあったっしょ?読んでないの?つまんないからって書いたじゃん?なんで…なんでみんなが泣く必要あるの?」
先輩 「まだ分からねぇのか」
困惑する少女に先輩が赤い髪を燃やすように怒る
先輩 「いいか死者にとってはこれで終わりだと。何もしなくていいと勘違いする奴がいるがなそれは違う!残された奴らや巻き込まれたやつの心はどうなる!自分のせいなのかや一緒に居てあげればという後悔を持ったりこれからも一緒にいれるという希望を壊されたんだ!」
送り人は静かにその言葉を聞く
先輩 「今まで死んできたやつだっててめぇみたいに死にたいから死んだわけじゃねぇ!不慮の死に方や生きたくても生きれなかった。自殺だって苦しくて苦しく
て嫌だけどっていたやつもいる!」
その言葉を少女は口をわなわなとしながら「ちがっそういうつもりじゃ」と掠れた声でいう
先輩 「あたしがずっとイラついてたのはこの仕事をしていてそういう人を見てきてなのにあんたがそうやって軽い気持ちでやって周りのことを考えないで笑ってたからだ!」
少女は涙を零し始める。それを見て先輩が「なんで泣く必要があるんだ!」そう言おうとした時に送り人はゆっくりと声をかける
送り人「先輩…もう」
首を横に振る送り人を見て「っぐ。……あぁクソっ」と頭をかきむしる。その顔は苛立ちがありでもその中にはどこか違う感情もあった。
送り人は涙を流す少女にこういった。
送り人「私達は送り人。あなたを死後の世界へ送るもの。私はあなたの話を理解しますが興味も共感を持ちません。」
そう伝えると指をパチンっと鳴らし3人で送り人の部屋へ転移した。
少女が「あっ」と言うと送り人が「これ以上いたら新たな未練が出てしまうのでさっさとやりましょう。」と伝え椅子に座るよう促した。
送り人「先輩。あとはやりますので休んでてください。」
先輩は送り人を見つめ「頼む」と言い隣の部屋へ歩いていった。
涙が止まらない少女にティッシュを渡し送り人は紅茶を入れに行った
送り人 「どうして泣く必要があるんですかね」
そう呟きながらカモミールティーを入れ始めた。
りんごの風味が香るそれは泣いている人に向いているのだ
紅茶を持って戻ると少女は何か考えているようだった。
紅茶を渡しゆっくりとしたティータイムをおくる。少女が送り人に話しかける
少女 「ねぇ」
送り人「はい」
少女 「……みんなってどれくらい生きるの?」
送り人「詳しいことは教えられませんがあなたが生きた倍以上の時間はいきるのではないですかね」
少女 「……」
また目に涙を貯める様子を見て疑問に思いながら送り人はこう言う
送り人「時間も時間ですし死後の世界へ行くための話し合い初めてよろしいです
か?」
無言で頷くの見た後に手を2回叩くと薄ピンク色の少しふわふわとした表紙の本が降りてくる。
送り人「輪島百合さん。あなたは両親、家族、周りの人々に支えられながら楽しく充実した生活を送っていました。ですが飽きたという理由で自殺を行いました。」
ペラペラとページをめくりながら続ける
送り人「……私から見るとあなたの一人勝手な行動で周りの人を巻き込んだことを愚かだと思ってしまいましたね。
享年17歳。お疲れ様でした。」
その言葉を聞いた百合は嗚咽しながらか細い声で「ごめんなさい。みんなごめんなさい」ともう届かない人達に向け謝罪していた。
死後の世界のドアの前。
目の周りを真っ赤にしたゆりに送り人。そして先輩が紫の花を手渡す
百合 「これは?」
枯れた声で問う彼女に先輩はいう
先輩 「送り人が死者にやる最後の仕事だ。シラーって花だ。お前にピッタリだ。」
先輩は少女に目を合わせてこういった
先輩 「ちゃんと考えてまた会った時にしっかり謝れるようになってろ。それがお前にできる暇つぶしだ」
それを聞いたゆりはぎゅっと花を抱きしめ2人に深々とお辞儀をした。そしてゆっくりと真っ直ぐに死後の世界へ向かっていった。
送り人「…行きましたね」
先輩 「だな。」
2人は部屋に戻り新しくディンブラを飲んでいた。
先輩 「久しぶりに二人で仕事だったな」
送り人「えぇ。最近1人だったのでまた新鮮な気持ちでできました。それに少し賑やかでした」
先輩 「賑やかね…お前人と話するの苦手なとこがあるからな」
送り人「…やはり向かないのですかね?」
そういった送り人にチョップをし
先輩 「送り方はそれぞれだ自分のやり方を信じてやれ」
そのままわしゃわしゃと優しく撫でる先輩は優しい顔だった。
先輩 「そろそろ帰るわ。仕事する。」
身支度をした先輩をお見送りするために二人でドアに向かう
先輩 「少し安心したわ昔と違って寄り添えるようになってて」
送り人の様子を見てふっと笑う先輩に
送り人「仕事が片付いたらまたティータイムをしましょう」
と笑顔で伝える。先輩は「またな」と言いながら外へ出て自分の部屋へ戻っていく。姿が見えなくなったのを確認してからドアを閉めゆったりと休む。
送り人「人間は馬鹿な人もいるのですね」
そういった送り人の目線の先にはシラーの花弁が1枚落ちていたのだった
シラー・・・哀れ、寂しさ、多感な心、変わらない愛
自分を大切にしてください。誰かも大切にしてくれてますから
終わり
いかがでしょうか?大丈夫ですか?
あなたは自分のこと大切にできていますか?
大切にされていると気づいてますか?
それではまた会える時まで




