2話目
登場人物
送り人 男か女かわからない
少年(5歳)
あれ?今日いっぱいねれたなぁ
いつも身体は重いのに今日は軽い
もしかして…病気なおったのかな!
ママとパパといっしょにあそべるんだ!
早く看護師さんよぼう!
そう言っていつも仲良くしている看護師に両親を呼んでもらうため慣れた様子でナースコールを探す。だが見当たらない。見当たらないはずだ。それもそのはず。
そこはベッドの上ではなく空の上だったのだから
冬の大三角形と一緒に輝く星々たち儚げだが綺麗という言葉がスっと出てきてしまう月の光
冬だと言うのに寒さを感じず宙に浮いているという状況
普通は夢だと思ってもハッキリとした意識を持っていればパニックになるだろう。だが子供というおかげもあるがこの少年にとって初めての外。初めての景色。初めての事を経験しその瞳には希望と元気さが溢れていた。
少年 「すっ、すっごぉぉぉぉい!!!
これゆめ!?でもぼくゆめっておもってないよ?でもはじめてのおそととってもきれい!」
そんなことを言いながら1歩足を出す
いつもは動かなかった足が今日は軽く動きいつもの動けない度に味わった憂鬱な気分と違いどこまでも進んでいけると思う。
少年はどうしよもない喜びと興奮が一緒になり何年も動かしていなかったあしが少しずつ慣れ初め遠く遠くへ行こうとする。
瞳には光り輝く星々が反射し少年の心を写しているようだった
少年 「もっと!もっとあの星の近くへ行きたい!」
誰にも止められない様な勢いでスピードを出そうとしたところに鈴のような声が聞こえる
「そんな遠くへ言ったら迷子になりますよ」
少年は足を止め後ろを振り返る
少年 「きれい…」
思わずそんな言葉を口からこぼす
そこには美しい人がいた
小学生になる前まだ好きな子もできたことの無い。本当だったら遊び盛りの子供がそんな子が
スっと心から口から綺麗という言葉が出てしまうそのような人が目の前に月の精のように現れたのだ
ただ本来の精霊と違うのは黒いローブに身をまとい白い髪と月の光を反射したかのような目を持っていた
送り人「遠くへ行ったら天国への道まで行けなくなってしまいますよ」
少年 「お姉ちゃん!すごいきれい!どうしてお空とんでるの!あっそれはぼくもおなじだ!おねえちゃんゆめのなかのようせいさんなの!?」
送り人は溢れている元気のエネルギーに少し圧倒されながら言葉を返す
送り人「…私は妖精さんではありません。男でも女でもありませんが、そうですねお姉ちゃんでいいです。空を飛んでいる理由は簡単です。私は送り人亡くなった方を死後の世界へと送るもの。あなたを天国へ送るものです」
少年 「てんごく?」
送り人「ええ。あなたは病気で先程亡くなってしまったのです」
少年は大きく目を見開く。そして何かを察したような顔になる
少年「そっか…ぼく死んじゃったんだね」
少年はそうぽつりと言うとキラキラしていた瞳に涙が溜まり子供のぷっくりとした頬ではなく長らくご飯を食べていなかったためやせてしまった頬に沿って流れていく
送り人はそれを見てポケットに入っていた白いハンカチをとり優しく拭いてあげる
少年 「グス…う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
少年は我慢しようとした涙の反動でどんどん出てしまう
少年 「ママ!パパ!おにいぢゃゃゃん!!うぇぇぇぇぇぇぇん」
少年は生きている時いつもだったら止めないといけなかった涙をながす。体力が取られ体がどんどん疲れてしまったから家族に泣いているとこを見せると家族みんな辛そうな顔をしながら励ましてくれていた
半年前から昏睡状態になり夢を見れていなかった。こんな小さいのに希望も見えていなかった
でもずっと大丈夫だと病気は治ると信じていた
信じていたのに
しんでしまったことがとてもとても辛くて
少年「うえええええええんもっと遊びたかったよー!!ママのご飯たべたかった!パパにかたくまるしてほしかった!おにいちゃんとあそびたがっだぁぁぁぁぁぁ」
送り人はその声を少し辛そうな顔で聞きながらなみだをふいていく
この声はどれだけ大きくしても生きているものには聞こえない
だからこそ誰よりも沢山聞き沢山寄り添おうとしていた
少年 「うえぇ……けほっ、ぐず」
送り人「大丈夫ですか?立ったままではなくあちらで座って少しお話しませんか?」
送り人は病院の屋上のベンチを指さす
少年は少し元気だった頃によく父親に肩車していてもらったことを思い出し首を縦にふりベンチに二人で腰かけた
少年 「うえええんやだよぉぉぉみんなとバイバイいえてないよぉおにいちゃんと一緒にあそぶって約束したのにぃぃ」
送り人は優しく背中をさそる
送り人「沢山泣いていいですからね」
その言葉を聞いて沢山、たっっっくさんないた
泣き終わる頃には送り人のハンカチは乾いているところがない部分が多かった
少年 「ふぇ。ぐす。……スン」
送り人「大丈夫ですか?」
少年 「うん」
少年は落ち着いてきたのか大きい鳴き声から小さい鼻声になっていた
少年 「…ぼく死んじゃったんだよね?」
送り人「そうですね。あなたと会う少し前に。魂だけ外へ行って遠くへ行こうとしていたので少々驚きました」
少年 「だってひさしぶりのおそとだったんだもん!」
少年は楽しそうに言う
少年 「ぼくねびょういんに来るまえはママとパパとお兄ちゃんといっぱい遊んだの!ママはご飯いっぱい作ってくれて全部おいしいってなって!パパはお仕事から帰ってくるといっつもたかいたかいしてお休みの日はずっと遊んでくれて!お兄ちゃんとは喧嘩することもあったけどいろんなことしたんだ!ママに内緒で一緒にアイス食べたりパパにイタズラしたり!寝る時は絵本を読んでくれたりしたの!」
送り人「とても楽しそうですね(微笑み)」
少年から笑顔が消える
少年 「でもね…僕が病気になってからみんな悲しそうな顔をしてたの。僕もみんなと一緒にいたかったの。辛いけどみんなが励ましてくれるからママは大好きなハンバーグ作ってくれるってパパは僕の行きたかったヒーローに会わせてくれるってお兄ちゃんはサッカー一緒にしようってたくさんたくさんお話したの」
送り人は静かに話を聞いていた
少年は空を見上げる
少年 「僕ね将来宇宙飛行士になりたかったんだ。楽しい時も辛い時もきれいなおそら見るの好きだったの」
送り人「とてもいい夢ですね」
少年 「でももうできなくなっちゃった…
しんじゃったから。」
送り人はそのことは間を聞いてなにか考えていた
そしてこう言う
送り人「宇宙には行けませんがお空のお散歩しませんか?」
少年 「え?」
送り人は少年の手を取り宙に浮かぶ
そしてふわりふわりと上に上がっていく
少年 「わ、ほわ!わあ」
送り人は優しい笑顔で言う
送り人「生きている時にはできなくてもこうなった後でもできることはありますよ」
少年 「おねぇちゃんすごい!」
少年は上を見上げるさっきまで小さく映っていた星星が少しづつ大きくなりやがて雲の近くまで着いた頃には自分の足で空を泳いでいた
少年 「ぼくすごい!それにひさしぶり!こんなに動けてこんなに大きな声でたのしいってことばにできるの!」
送り人「そうですか。もっとなにかしたいことはありますか?」
少年 「いいの!?」
送り人「ええ何個でも」
少年 「じゃあ!」
送り人は少年と色んなところに行った遊園地、動物園、水族館、ライブをしているところがあり試しに見たがすぐに飽きてしまった。
他にも食べたかったアイスクリームやひとりじゃできなかった遊具を送り人と遊んだ
少年 「たーのしい!!!!」
送り人「良かったです(微笑み)。次にやりたいことはありますか?」
少年は首を縦に振る
少年 「最後におうちに行きたい」
送り人「分かりました」
2人は一緒に少年の家へ向かう住宅街の中にある少しこじんまりとした一軒家ただ暖かい雰囲気を感じる。本来なら家族は寝ている時間だが今は家に誰もおらずとても静かだった
少年 「ただいまぁ」
誰もいない部屋に進む
家族が寝ていた寝室は誰もおらずぐちゃぐちゃの状態になっていた
先程病院から連絡があり急いで向かったのだろう
少年は寝室からキッチン、リビング、お風呂、小さな庭、玄関
小さな足でゆっくりと回っていく
送り人「大丈夫ですか?」
少年 「うん。」
少年は落ち着いた声でこういった
少年 「ただいまってみんなで言いたかったな」
送り人は少し悲しげな表情になる小さい子供がこんなにも悲しそうなのに言葉が出てこないのだ
少年 「おねえちゃん」
送り人「なんでしょう?」
少年 「ぼくこれからどうなるの?」
送り人「そうですね1度わたしと少しお話をします。これからあなたが進むべき所への案内をするための確認です。ただすぐ終わると思います。天国へ行くというのはほぼほぼ決まっているので。その後は天国に行き転生ができるのようになると思われます。」
少年 「てんせい?だったらみんなにまた会えるかな?」
送り人「そう、ですね。少し手続きがありますがあなただったらまた会えるでしょう。」
少年 「じゃあ!また言えるんだ!ただいまって!」
送り人は優しく微笑む
少年は玄関に出て後ろを振り向き
少年 「いってきます!」
そう元気な声で伝えた
送り人「ご家族の所へ行きますか?」
少年 「いく!」
2人は元の場所病院へと戻る中を見ると家族が少年の周りを囲みながら泣いていた
母 「たいよう…どうしてぇぇぇ」
父 「ごめんなごめんな太陽」
兄 「いっしょに遊ぼうって一緒に学校行こうって言ったのに…俺守れなかった」
家族が泣いている
少年…太陽はさけぶ
太陽 「またあえる!みんなに会いに来る!だから泣かないで!またね!」
家族はいっせいにドアの方を見るうっすらと暖かいものが見え気がした
送り人は驚く
送り人「久々に見ましたね。死者の言葉が生者に届くのを」
太陽はどこか誇らしげに笑う
その姿は目に見えていないが
兄 「太陽…またな!また俺の弟になれよ!」
母 「大好きなハンバーグ作って待ってるから!」
父 「またいっぱい遊ぼう!いっぱい思い出を作ろう!」
太陽に届くそう信じて
その後送り人と太陽は送り人の部屋に行く
送り人は太陽を席に座らせココアが入ったマグカップをおき案内をはじめる
送り人「園田太陽さん4人家族の末っ子で母、父、兄と一緒暮らしていました。その後病気になり辛く悲しい時がありましたが家族の支えとあなたの力で最後まで天寿を全うしました
あなたは天国に行き転生すると思われます。もう一度確認ですがまた家族と一緒に過ごしたいそれで大丈夫ですか?」
ココアを飲んでいた太陽は元気に返事をする!
太陽 「うん!大丈夫!」
送り人「分かりました」
送り人は持っていた本の一番後ろ真っ白の紙をぺりぺりととり何かを書く
そしてピューっと優しい口笛をふくとその紙は光やがて綺麗な白い鳥になる太陽が驚いているとその鳥はドアに向かって飛びいつの間にか空いていたドアに吸い込まれるように入っていった
太陽 「あれなに!?」
送り人「こちらからあちら側への連絡手段です主に特記することがある方そしてあなたのように転生の時にして欲しいことを書いておくのです」
太陽 「すごいね!おねぇちゃんありがとう!」
送り人「いえいえ」
送り人と太陽は笑顔になる
そして
太陽 「ぼくそろそろ行かなきゃだね」
送り人「そうですがもういいのですか?」
太陽 「うん!早くみんなに会いたいから!」
送り人「分かりました。」
席から立ち「少々お待ちください」と太陽に伝え奥の部屋に行く数分後そこから持ってきたのはピンク色のネリネだった
送り人「これをあなたに」
太陽 「綺麗なお花だ…ありがとう!」
ドアの前に来た2人は最後の会話をする
送り人「お元気で」
太陽 「ふへへおねぇちゃんも元気でね!」
真っ白の空間に走って向かうその後ろ姿には希望を背負っていた
送り人「きっと会えますあなたなら」
送り人は素早く片付け死者の元へ向かいこういう
「私は送り人。あなたをお迎えにあなたをお迎えに上がりました」
ネリネ
花言葉は「輝き」 「幸せな思い出」
そして「また会う日まで」
その言葉の通りあの家族には1人のこどもが来た。1人の男の子が真っ白のおくるみに包まれ家の入口で家族が言う
「おかえりはると!」
「ただいまみんな!」
そんな元気な声が心から伝わってきた
おしまい
大変お待たせ致しました
2話目でございます
ほんとにすみません!(土下座)
今回は家族からの愛をテーマにしてみました
最後まで読んでいただけると幸いです!
感想貰えると嬉しいです。ほんとに。
それではまた!おあいしましょう!




