⑨ 黄幸
名鉄名古屋本線で中京競馬場駅を下車した
サラブレッドに興じること叶わぬ平日の昼下がり
駅から南へ幾ばくと、桶狭間古戦場伝説地へ歩みを進めた
それから今川義元公(治部大輔)墓と記された大石の前で両手を重ねる構えをして辞する
命を失った宙を漂う手のひらが無意識に地面に向かう
土に微かな冷たさを神経が読み取る
何故か、
両の手を地面に着けたその姿は、時の名将に降伏を嘆願しているサマであった
クウハは桶狭間から尾張の繁華街へ戻る
オーナーのマサナへ近隣諸国のホスト界の状況を報告した
遠江、駿河ではホスト茶というグループがその夜を牛耳っていた
遠州と駿府に1店舗ずつ構えていて大変に繁盛していた
マサナはクウハの報告を受けて腹に納めた
まだ尾張の統一さえできていない
いや、この尾張の統一が大変難儀で危険だからこそ他国へ活路を見出そうとした
この地ではホスト名が隆盛を極めている
その次位にはホスト鯱も尾張の夜を弄んでいて、我らホストHは3番手に位置していた
他国を制して威勢を轟かし、ヒノモトを制す、
不成して最期にこの尾張を愛治る
これがマサナのホスト天下統一プランだった
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駿府のホスト茶オーナー祖は駿河の海を眺めていた
やがてその眼目は天に向かい空を楽しんだ
駿府の今川義元は駿河の海を眺めていた
その駿河の海で水揚げされた鰹や鯵や鯖、シラスやサクラエビ
駿河の侍の肉体を血と海が泳いだ
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ホストH
マサナは時を同じくして美濃にも目を向けていた
この国ではホスト道がネオンを制していた
攻め入るのか、はたまた友好関係、手立てはあるのか
齋藤道三は帰蝶を呼び寄せていた
ホスト道のオーナー山は娘の黄幸を呼びつけた
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「キコウ、美濃のホスト界も侘しい」
「御父上、そのようでおわしますか」
「今近隣の国から攻められたら、チト厳しいかもしれん」
「はい」
「じゃの、尾張に目をつけた」
「オワリ?」
「ホスト名とホスト鯱の勢い竜虎の如く。他と手を結ぼうなどとは考えもせん」
「はて?」
「そこでじゃ、ホストHという並々やってるホストがあっての」
「御父上」
庭園には、
黄色際立つ福寿草がその花言葉を携えて、祝福の構えを見せている
帰蝶、信長の妻となれ
黄幸が家命を受粉した
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#20250206
マサナ 織田信長
ユウマ 佐久間信盛
クウハ ・・・・
ニャン 豊臣秀吉
スミカ 徳川家康
ロック 明智光秀
・・・ 池田恒興
ソ 今川義元
ヤマ 斎藤道三
キコウ 帰蝶