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桶狭間

「小十郎なんだ」

岩倉城の織田信安の側近達や正室にお金を流して長子信賢ではなく次男がふさわしいと噂を流しまだ先で起きることを前倒しで行い疑心暗鬼にさせた信賢に父を殺させるように仕向けそれが実行された。

「岩倉に対する調略成功し当主を息子が討ち果たし混乱しています」

「性格が悪いな小十郎」

そう言うと出陣していき手引きしていた元側近が反乱をおこして開城し信賢は逃げていった。

斎藤勢は現れず一益に岩倉を任せると、

「犬山の信清を攻めるぞ」

そう言って犬山城以外を次々と落として包囲する前に信清も逃げ出してしまい呆気なく尾張を統一をはかった。

「皆良く戦った。一番の功は可成(森)その方に犬山城の守りを任せる」

そう言うと風のように戻り落ち着くはずだった。


「山口親子が今川に殺されました」

布団に入ろうとした時に兄上が待っていたその事が百地から知らされる。

「はあ、布団に入れないとは不覚、清洲へ知らせよってもう走らせたか、さすが百地」

「鷲尾に兵を集めさせよ、沓掛城と小高城を攻めるぞ」

解散したばかりなのにと思いながら鐘楼を鳴らさせ兵の集結を待つ、

「寝るんじゃないのか、鬼の撹乱か」

「山口親子が殺されたから取られた城をおさえる」

慶次郎はどう見ても布団で一戦中だったのか見送られており、

「まったく戦いの間にご苦労なことだ」

「まあ戦場でも何処でも常時戦場だからな」

慶次郎の言うことに呆れながら兄上を待たずに出陣した。


「両方とも知らせており混乱しております」

両城とも山口が殺されたことに動揺しており囲むとすぐに降伏してきて兄上の到着する前に押さえどや顔で迎えた。


「小十郎、良くやったと言いたいが使者から待てと聞かなかったか」

「進軍して攻める直前にでしたのでそのまま」

「愚か者、敵方がそれぞれから出てきたらどうするつもりだ」

確かに自分でも調子にのっていたと思い、

「兄上に命令に従わず危険をおかして兵を失いかけたことお詫び申し上げます」

そういった瞬間げんこつが落ちてきて涙が出そうな程痛く笑いながら行ってしまった兄上、

「気をつけます」

そう言って名古屋に戻ると寝に入ろうとしたが平手の爺に決裁を行うように言われ涙ながらにたまった仕事を片付けた。


「今川は2万、こちらは7千、ある意味楽だけど桶狭間のようにいくか」

そう思いながら城主となり気楽に歩くにはいかず百地経由で三河の松平の家臣に内応を細かく指示した手紙と銭を送って戦いに備える。

そして吉良氏や奥平氏にも手を伸ばし戦いに備えた。


「義元はいつ攻めるか」

当面の敵は今川であり斎藤勢はこないだの手酷い被害にちょっかいを出してこない、

「今は三河の直接支配のため駿河遠江は息子に任せておりそれが終わればでしょう」

「であるか」

清洲の茶室での二人だけの話をしながら、

「そして今わざと沈静化させ戦いの時に内応を約束しております」

そう言い勝利をした場合には所領の安堵を大盤振る舞いしている。

「その様子だと義元に勝利したあとに三河を押さえると言うことか」

「兄上の知っておられる竹千代今は元康ですが彼を使い三河を押さえるか」

「押さえるか、しかし今川が復讐に攻めてこないと」

「氏真、蹴鞠得意なやなことはせずにいると言うあとつぎです」

そう言うと兄上は出ていった。


「小十郎」

呼ばれて急いでいくと上洛をするのでついてこいと馬に乗り駆けさせる。

急いで走らせながら街道を向かう面倒よりも昔なれた間道に先頭で入って琵琶湖に出ると金を払い船に乗り湖面を滑るように進むと京都に入って二条城に入った。

「前は謙信にあえたけど今回は誰もいないか」

少し残念に思いながらも兄上と共に将軍義輝に謁見した。


「尾張を統一したと言うことか、よかろう尾張守を与えよう」

献上の品を偉そうに頷きながらもしょせんは落ち目の将軍でその弟とまた付き合わなければならないと思いながら兄上とのやり取りを覚めた目で見つめ謁見が終わった。

「相当嫌いなんだな」

「兄上に負けます」

「使えるものは使うが滅ぼす」

「朝廷はお止めください、武力を使わぬ権力は人々の心に残り厄介です」

「武力には武力に滅ぼされる」

そういう兄上に頷きながら清洲に戻った。


「であるか」

道三は義龍以外の息子をなくし気落ちしたのかわからぬが亡くなっておりそれを知らせるために光秀が報告に上がり兄上との初あわせが早まる。

「それでその方いく宛がなかろう、そばにおれ」

そう言うと光秀は近習として仕える事になった。

「やっぱり起きるのか、今回は織田幕府を開かせる」

そう言いながら光秀が私にも挨拶をして来て返答した。


そして1560年を迎え昔馬を多く見せるためにひたすら洗わせたのを思い出して布団の中で悶絶して初夢に終わった。

「爺、よう来たな」

平手ではなく中根の爺と婆やを招待したので出迎える。

「小十郎様も立派になられて」

「爺の資金ありがたく使わせて貰ったからそのお礼とお願いが」

そう言いながら自分でもこの時代には十分すぎるほどの豪華な食事を準備しており3人でなくもう1人何故か慶次郎もおり将軍の謁見の時に灘の酒を大量に仕入れてたのを野生の感なのか相伴に預かっている。

「慶次郎殿ですか、いつも小十郎様を守っていただきありがとうございます」

「爺、それは違う勝手に突撃して一人でそのまま走り抜け守ることをこれっぽっちもしてないからな、これはお預けだ」

そう言って酒樽を取り上げようとすると、

「せこいぞ小十郎、一番槍は男の誉だからなその武功を認めん上には仕えられん」

「なら次回はひとり駆けは後ろを見よ、もし一人で行って負ければその罪をとう」

そう真面目に言うと少し考え酒を飲んだ。


「そうか米を集めているか」

今川が兵糧を購入しており不作な三河の代わりに商人から高値で購入しており豊作だった名古屋の米を中根の爺に今川に売って市価の倍で買わせた。

兄上に報告し簗田正綱と百地を使い前回と同じように情報網を広げる。

爺からのお見上を持って清洲に顔を出した。

「お市ねえ様、お犬元気ですか」

兄上の元に顔を出す度顔を出していたので喜んで出迎えてくれる。

「いつもありがとう小十郎、お犬も喜んでいますよ」

お犬も嬉しそうに珍しいお菓子を食べている。

「姉上も兄上をよろしく押さえてください」

「わかりました、でもね」

「誰がだって」

そう言われて飛び退いてお市ねえ様の後ろにまわりこみ、

「無論兄上の事です。平手の爺を押し付けて勝手きままに過ごしておられますので」

「兄上、平手様をないがしろにしては行けません」

そう言うと怒りを抑えた兄上は、

「わしより浮き沈みが激しい小十郎に鈴をつけただけだ、心配してな」

「兄上、大丈夫です。爺がいなくても策謀を巡らしていますから、実績があります」

「ただ布団で寝たいだけだろう、なあ市」

「確かに小十郎は布団で寝ることが好きですからね」

「好きだよね」

お犬に止めをさされて爺返還は失敗に終わった。


「鷲尾、慶次郎との息合わせはどうか」

皆を集めて聞くと慶次郎を気にしながら、

「こちらの速度が遅く離されてしまいます」

そう言われ侍女を呼んで酒を下げさせる。

「おい」

「言ったはずだ、負ければ後が無いのだ」

そう言うと鷲尾が謝ろうとするのを止めて、

「敵は2万、そこを一筋の矢を放ち大将首を得なければならん」

「なら俺が単騎で斬り込めば良かろう」

慶次郎ならやりかねないが確実がほしい、

「賭け事ではない、確実に勝利が必要なのだ、勝つかわからぬ戦いをするほど愚将にはなりたくない」

そう言うと鷲尾と家臣は慶次郎に向きなおし頭を下げ、

「前田殿、我ら力及ばず迷惑をかけているのは承知しております。しかし織田家のため、いや信照様の為にどうかお願いします」

唐突にされて私も慶次郎も固まりようやく慶次郎が頭をかいて向きなおし頭を下げ、

「力あるかぎり任せろ」

そう言ってひとつの目標に一致団結することにできた。


「ようやく動いたか」

5月に入って今川が兵を集め終わり東海道を西へと行軍を開始する。

本来は沓掛城を目指すが今は織田の手にありそこを落とさせ桶狭間に入れさせねばならず城主は平手の爺の長子久秀が入る。


情報は清洲に次々と入ってきており奥で兄上と濃姫と共に情報を書き込んでいく、

大広間では意図的に籠城と悲観的な意見を出させてそれを今川の密偵に流させるようにしており出陣まで泳がしていた。

「小十郎殿も殿と良くにておりますね兄弟と言うのも頷けます」

「どこが」

兄上と思わずはもりながら濃姫を見る。

「敵を騙すには味方からとそのような格好で、当主と城主とは思えませぬ」

そう言って濃姫は笑い兄弟で顔を合わせると否定できなかった。


「殿は」

「籠城だって3万対5千は無理って」

「無理とは、沓掛城へ援軍を今すぐ」

権六が顔を真っ赤にして吠える。

懐かしいけどうざいなと思いながらめんどくさいと言いながら奥へ戻った。


「沓掛城が攻められております」

知らせが来て皆大騒ぎしているが兄上は表に出ず私が出てのらりくらりしておりそれが間者から今川に伝わっていた。


「落ちましてございます。全員討死」

それを聞いて爺の顔が浮かぶが出陣の準備をする。

兄上が敦盛を舞うのを見ながら百地に指示を出して個別に呼び出す。

兄上が表に出てその家臣の名前と侍女の名前を呼びその場でいきなり切り捨てた。

驚く家臣に、

「今川に繋がっていた連中です。他にも居ますが」

その他は一室に呼び出して包み切り捨てた。


「出陣」

そう言うとあの時と変わらぬ兄上が馬に乗り駆け抜け側近が追っていく、

「出陣じゃ、殿が熱田に向かわれたぞ」

私も慶次郎達に合流して追いかける。

多分4千にはなるだろうと思いながら走り抜け熱田神宮へと到着した。

次々と味方が到着し簗田正綱が現れ報告をする。

百地は私の無言の指示で部下に指示を与え各地にいる今川勢に散った。


兄上が戦勝を祝い皆で熱田神宮にお参りする。

あの時の様に天候が悪くなり慶次郎と私の部隊が先頭になり旗本が援護してくれる。

出会い頭に会う今川勢を中央突破しひたすら進めておりだんだんと酷くなる雨にあの時と同じように天意と共に気が滅入るが今は慶次郎に必死についていく、

「4隊目」

そう呟いて突破をすると横に誰かが来る。

「光秀か」

「殿が心配されて」

兄上に感謝しながら慶次郎の後ろにと命令して5隊目にかかった。


「水を飲め」

小休憩をいれて息を整えるとその横を旗本である佐々や原田そして浪人の利家(前田)が追い越していった。

「さて、美味しいところは最初から最後までだ」

そう言って百地が迂回路を教えてくれ体力を回復させていく、土砂降りの中で喚声が上がり旗本が襲いかかったのがわかり急ぐと目の前が開け戦いの裏手に出ることができた。

「突撃せよ、ねらうは義元が首」

そう言って本陣に斬り込んだ。


主力は旗本に向かい少数だけ残りこちらを見ると驚き弱腰に槍を使うが慶次郎や光秀が斬りふせ鷲尾達が押し広げていく、右に誰かが逃げていくのが見え槍を構えて戦列を外れた。


義元だろう姿が側近と共に見え百地の配下が襲いかかり一人となった義元に槍を突き入れた。

「下郎が」

背中から槍を突きいれよろめくが太刀を抜いて斬りかかってくるのを引いて避ける。

「うつけの弟信照、大人しく首を差し出せ」

「うつけの弟だと」

そう言いながら斬りつけてくるが足を滑らせ転んだところに喉に突き刺した。

「織田小十郎信照、今川家大将義元の首討ち取ったり」

これが言いたかったと思い義元の首と太刀を拾って兄上の待つ所へ向かった。


「居ないと知ってたのか」

慶次郎に言われ笑いながら、

「攻められ状況がわからぬ雨ならば逃げ出す」

「いいように使われたわ」

そう言うと慶次郎は大笑いし私は兄上のもとに顔を出した。


「してやったりと言う顔をしおって」

首と太刀を兄上の前に置くと義元の首を一別して太刀を確認して頷く、

「一番の功は簗田正綱」

わかってはいるので周りが驚かれ私を見るが気にせずに兄上の意見に同意して二番をもらうと沓掛城を落とし母の夫である水野のもとに与力まで借り受け向かった。

「奥平勢寝返り吉良氏も」

次々と義元が討たれた事が知られ三河の豪族を中心に寝返っており次々と合流しており大樹寺に松平元康がいると聞いて包囲した。


「さてどうする」

歴史を変えたい、三河を押さえればと思いながらも吉良氏等に配慮して包囲だけをしていると、

「当主が責任をとり自害」

そう言われて複雑な思いを抱きながら今川の輸送隊を吸収し主のいない岡崎城へと入城した。


直ちに全ての豪族に集まるように言い兄上に知らせる。

約束をしていた豪族には所領安堵を言い渡しそれ以外で降伏してきた酒井や本多や石川には改めて領地を与えて今川に備えたのだった。

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