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軍神

「そうか、離散した農民が」

今年は日照りが続き三河と遠江でも被害は出ており大井川や天竜川からの水路整備をしていたが、しかし武田領の信濃や甲斐ではもっとひどく農民が逃げ出してきており百地に収容させこちらに向かわせておりその数は徐々に増えていた。

「武田との小競り合いも増えつつあります」

百地からの報告に国境では越境しようとする農民を捕らえるため血眼に探しておりこちらに越えてきた武田との小競り合いが特に増えていた。


「完成したか5隻とも」

これで石山との戦いが優位にできると思いながらもう一つの情報が、

「上杉勢は越中及び能登をおさめたのち加賀に侵入した模様」

前年、兄上が将軍足利義昭を近畿から追い出し西へと下った事で織田を攻めよと各大名に信書を送ったことでの行動であり越前が重要になると思い報告と対応をするため岐阜へと向かうと兄上は不在で安土城を作るために琵琶湖に居ると言われて向かった。


「小十郎、ここに新たな城を今までになかったような城をな」

「楽しみにしておきます。所で船が完成し石山へ回航させるつもりですが上杉が動いたと」

「だな、使者を送ったが件もほろろだ」

かなり怒ってると言うかあの性格だからで、

「どうされますか」

そう聞くと、

「任せる。権六は与力として使うが良い、他に細川やさる等を率いろ」

「勝てる気がしません」

「であるか」

そう言うと鉄甲船は兄上に任せさるが居る小谷城を破城し今浜城を築城したそこに集結させた。


「信照様、北に向かうと言われましたが」

「権六では不安だからな上杉相手には」

「力だけではと言うわけですね、お任せください、この秀吉例え火の中水の中」

そう言うと直哉が、

「さすが羽柴殿と言うことですね」

「だな、上杉の中に突撃させても良いと言うわけだな」

そう言うと秀吉は顔を青くして冗談と言われるまで痩せ我慢していた。


3万6千の兵を率いて越前に入り権六と合流する。

「織田と勝山を急ぎ取り返す。加賀で上杉がはまっている間が勝負だ」

そう言うと権六は顔を赤くして、

「ならなぜ前に援軍を出していただけなかったのですか、今なんですか」

「権六、指示通りに出来なかったくせに文句を言うのは一人前だな」

「いくら小十郎様でも」

そう叫ぶ権六は立ち上がりこちらへ来ようとするのを部下達が押さえる。

「怠慢をしての言いぐさ我慢できない、謹慎せよ兄上には伝えておく」

そう言って柴田勢を組み込み越前を再度占領する。


「あれでよかったの」

美奈子に言われて直哉からも心配そうな顔を向けられる。

「怠慢だと思ってるからね、兄上も同意するだろう」

「弟を謀反させたって言う事」

「ああ、許すとは言ってないからね、使えるならだけどどう判断するか」

加賀との境である勝山城を落とすと知らせが来た。


「権六が上杉に降伏したと部下と反乱をおこして北ノ庄城に籠城したか」

まさかと思いながら百地に色々調べさせ驚き急ぎ朝倉を滅ぼした後に築城した越前府中城に入った。

「兄上に知らせよ、周辺の城を落とせ」

6千ほどの柴田勢のうち半分が反乱を起こしており

半分は与力として各城を開城させ北ノ庄を包囲した。


「大変です。上杉は一向宗と講話しこちらに向かっていると言う事です」

予測はしていて作戦もたてていたが勝家の裏切りで計画を変更しなければと思いながら府中城に引かせる。

「裏切りの手引きをしたのは松永久秀であり上杉に合流していると言う事です」

糞ジジイと思わず大声で叫んでしまい皆を驚かせてしまう。

「松永久秀が裏切り者の仲間を増やしたんだ」

美奈子の言う事に頷きながら上杉勢は2万4千と知らされ4万近いが勝つには苦労するなと思いながら北ノ庄へと続く少し狭くなった場所の手前にある浅水川に丸太で柵を造り備える。

その両側の城はこちらが押さえているので迂回などは出来ないのでここを決戦にと決めて北ノ庄城に入った謙信を待った。


「やっぱりまっすぐ来てくれないよな」

待ち構えているところに謙信は来ずに東の勝山方面に進み一乗谷を通り背後にまわろうとしていると、

「足羽川沿いに南下しているとのこと」

よし決めた、

「大滝城と栗田部城に秀吉と細川入り頭を押さえよ、その北の八幡山城に一益が入れ」

そう言うと皆緊張しており、

「残った者は北ノ庄へ向かい一気に落とす」

「3日持ちこたえ押さえよ」

秀吉達に言うと北上した。

「兄上は2日後に府中に入られると言う事だからな」


さすがは動きが早いと思いながら上杉が加賀に侵入した時点で信玄に北信濃の飯田城へ攻めるように使者を出したが、謙信と一向衆との間を取り持ったのは信玄かと今更ながらに気がつき北上して鉄砲をならべ門に打ち込む、

「こう言うときの権六は手に負えないが不在か」

道案内でと言うことなのか粘りがなく半日で門を破り落城するとすぐに転進して八幡山城に急いだ。


「兄上が南の茶臼山に入ったか」

2万を率いて府中ではなく謙信が出てきた大滝城の東、それを押さえる一手であり私が北の八幡山城の横に陣をかまえると謙信は囲まれているのに気がついたか唯一の逃げ道である府中城に続く街道に向け東から西へと動き始めた。


狼煙をあげて動くことを兄上に知らせ南下する。

挟撃ちと思うが危険を察知した謙信は北へ進路を変えこちらへ進んできた。

鶴翼で何時ものように鉄砲を真ん中にその後ろに長槍を構えさせ両翼に騎馬隊と与力を配置する。

待ち構えていると謙信の両翼が動きこちらの両翼に迂回し本隊は反転して兄上とぶつかった。

「機動力のなさを逆手にか」

待ち構えての攻撃は鉄砲隊がいるので強いが機動力がない、

「長槍隊を進ませ両翼に叩きつけろ」

鉄砲隊の前に出た長槍は進みながら両翼に別れたが、右翼の鷲尾の騎馬隊はいいが左翼の与力が崩壊しつつあり私は自ら旗本に命令して左翼へ向かった。


「兼松、鉄砲を前に進ませ謙信の後方から射撃させよ、被害は問わない」

そう言ってると一益が城を出て左翼の上杉勢に横槍を入れ動きを鈍らせたところに後ろから長槍が半蔵に率いられ突撃し、一益の反対から私が攻撃を仕掛け崩壊させた。


「敵将本庄討ち取ったり」

「敵将新発田討ち取ったり」

壊滅させ直ぐに南へと全軍を移動させる。

「本陣が」

兄上のいる本陣が押されており崩壊寸前に東から秀吉が西から細川が城を出て攻撃をし、更に後ろから兼松の鉄砲が撃ち込まれ西へと離脱を始めた。

「追撃せよ」

被害を与えるため部下には追撃を命令し自分は左翼の上杉勢に突撃をしようと動くが謙信と合流をしようとしているのか南に逃げ始めた。


「さすがは幽斎」

細川は北から来る上杉の残存の退路を絶って迎撃しており、足が止められた上杉勢に鷲尾と忠勝そして慶次郎の騎馬隊が突撃して壊滅させる。

謙信の本隊は西から北に進路をかえて退却してしまった。


「権六がしんがりで立ちふさがって謙信を逃がしたと」

逃がした理由を聞いて腹をたてたが権六の首を見て落ち着きながら兄上と合流した。

「権六め」

首を見るなり鞭で撃ちすえ、

「謙信も痛手を受けたがこちらの損害もそれ以上だな」

そう言うとあとは任せると言われて京に向かって帰還し、私は一益(滝川)に越前を任せ、城の整備を行い浜松へと戻った。


「今回の戦いって」

直哉に聞かれ、

「敗けだな、権六の裏切りがあったけど鉄砲に対する戦術もだし兄上を危険にさらしたのも」

「両翼が6千程かなだから本隊は権六のもあわせて1万4千、兄上は2万4千と秀吉が2千幽斎が3千で倍だったけど強かったからね」

「まさしく軍神ね」

「正面から戦わずにするために関東に色々細工するか」

「北条に戦わせるってこと」

「佐竹とかに援軍を依頼させるのと土着なんだけど、相越同盟で謙信評価落としたからね」

「助けてくれるはずが同盟を結んだからだよな」

美奈子と直哉と共に話をしていると百地が悩みながら現れ、

「事実ではないような事もあるんですが判断がつかず」

そう言うと信玄が亡くなったと言う事だった。


「歴史より5年も早い、こうなるように仕向けた自分だけど」

「色々居やがらせもしてたものね、性格悪く」

「だよね、信玄かたなしぐらい」

報告を受けた横で二人から言いたい放題と思いながら、

「穴山に金を送って確かめよ、亡くなっていればべらべらとしゃべるはず」

この際穴山でも小山田でも節操のない連中からと思いながら美奈子の、

「それで勝頼に代わったら攻めるの」

「ああ、領民は不満だらけ、裏切り者の二人も喜んで勝手に裏切るだろうさ」

兵を駿府に送り込もうかと考えていると兄上からの使者で、

「木津川の河口付近で毛利の軍船と戦いになり沈め勝利したと言う事です」

それを聞いて喜び石山との戦いが早めに終わるかと思いながら更にもうひとつ知らせが来た。


「転生者がいるのか」

東京と江戸に反応した二人が連れてこられ直哉と美奈子同席で会う、

「織田小十郎信照だ、江戸と東京を知っているのか」

「知ってるけどいきなり連れてこられたし」

「君か歴史を曲げた愚か者は」

名前も名乗らず言う男女に呆れながら、

「とにかく転生者なのだな」

「うざいわ、自分も事偉そうに思ってるけど信照何て知らないし雑魚だし」

「どういうつもりで歴史をねじ曲げたんだ、自分が何をしでかしたかわかっているのか」

会話でなく一方的に言われ最後には保証として小判を千両箱でくれなど言われて美奈子が切れた。

「うるさいわねまったく、こう動いてるんだからグチグチ女の腐ったのみたく言うな、百地さっさと元に場所に放置しなさい」

「うざいわね泥臭い小娘が」

「僕の知識で無双してお前の野望を打ち砕いてやるからな」

今さら気がついたけど彼らの服装はこの時代でなく元の世界のと今さら気がつきこんな転生者もいるんだと思いながら美奈子の意見に同意して駿府へ送り返したのだった。


「結局名前も知らずだな」

「彼らは僕らと違って最近転生させられたと言うことだろうね」

「現状がわかってないけど良いの武田に組みすると思うけど」

武田か北条かわからないけど売り込むと思うけど、

「そんなにオープンな世界じゃないと思うけど、俺は転生者だから色々知ってるていってもな」

「そうね私たちも経験したけど、こいつなにいってるんだだったし」

「下手したら間者と思われて」

直哉が言いながら首を斬られるしぐさをする。

「いずれにせよ監視させれば良いし、その時はそのときだ」

そう言ってこの件は終わらせた。


「生きているか信玄は」

穴山の反応を見てそういう判断だが、

「謙信みたく酒と塩で脳溢血とか喘息なんかが悪化して寝込んでいると考えた方が良いかな」

信玄が生きている間は穴山は表状は裏切るとは思えず生きてはいると思われる。

「躑躅ヶ崎は警戒厳重ってことは体調不良を知られたくないと」

忠次が言うのも頷ける。

「前回の織田と上杉との争いの漁夫の利を得なかったのも出陣できなかったと言うことか」

「突っついてくれる武将は居ないのかな」

美奈子が言うが直哉が、

「上杉は関東に出ると言う事だし、北条はそれに対する防衛と佐竹も含めての」

「駿府を攻めたいけど馬場だからな、それに間違ってしんげんが出陣してきたらだから信濃側で数百で境を越えて反応を見る」

そう決めて消極的で兄上から言われそうだが損害をこれ以上だしたくないのでそう決めた。

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