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2度目は腹をくくる

蜻蛉切りの家老のifになります

別世界の信照か、周りめぐって元の鞘には戻らずでも今回は歴史を変えようと思う。


「ちご何を布団でぶつぶつ言っておる」

これは兄上の声、それと共に布団をはごうとするのを長年の経験で押さえ込む、

「何を抵抗するか、往生際の悪い」

そう言って布団ごと持ち上げられて放り投げられ部屋の中を転げ周り壁にぶつかった。


「兄上非道ですぞ」

「ならすぐ起きんか」

布団が最高なのに兄上に起こされる不幸はありませぬ、

そう言うと捕まりそのまま簀巻きにされて馬の後ろにくくりつけられて走りぐったりしていると、

「ちご忘れておったわ」

「絶対わざとですよね、市ねえ様に言いつけます」

「どうだ」

「惰眠を邪魔してす巻きで寝かせたことに」

そう言うと笑い縄を解いてくれた。


「そう言えば何か布団で言っていたが」

「金儲けです。金鉱と水銀と皮等を揃えて」

「親父に似たか金儲けとは、それでどうする」

「専門家に頼みます。技術を提供する代わりに」

「当てはあるのだな」

そう言うと話を聞いて私を後ろにのせ走らせる。

場所を言うと領外だが気にすることもせず間道を通り抜け大きな河原に出た。


「あれがそうか」

河原には川の民とつながる山の民がおり昔の話通りに安堵しながらこちらを見ている者達に向けて歩き始めた。



「織田小十郎と申す。山の民に金の採掘と南蛮渡来の技術での採掘をお願いしたい」

「お侍さんが頼みに来るとは、織田と言われましたが」

「名古屋の織田家嫡男だ」

兄上が言うが少しも驚かず兄上は怒ろうとするのを、

「兄上、ここはお任せとお願いします」

そう言うと黙って頷いた。

「わかりましたが南蛮渡来の技術とは」

そう聞かれて伊勢と美濃と尾張が接する場所の金鉱と水銀と毛皮等を調査と用意してくれる様に頼むと尾張へ戻った。


「それと田圃をいくつか父上から借りたいのですが」

「何をする」

「もちろんたくさん米を取るために試してみたいのです」

そう言うと兄上は頷き父に頼んで小さな村の領地を貸してくれた。

「先ずは塩水1対16で種籾の選定」

桶のなかに水と塩をつかんでいれてかき混ぜ浮いてきたのは捨てる。

「そして桶に日影で苗を育てる」

しばらくすると田圃に紐と結び目で場所を決めて等間隔に植えさせていく、

「百姓が騒いでおるわ、植える量が少ないとな」

そう言うが私のかおを見て大笑いして馬を走らせていく兄上、

水の調整や草取りを行い収穫を迎えることになる。


「振り落とされるなよ」

兄上の後ろに乗せられまたあの道を走らされ河原へ到着すると転げ落ちた。

「兄上」

怒ると笑いながら山の民の中に入っていく、長老が待っておりすぐに作業に取りかかった。

「この水銀は熱せれば毒になるから扱いは気をつけて素手でも触らない」

そう言いながら砕いたり一連の作業を終えて最終的に残った金の粒に長老を含め驚いていた。

「倍以上ですな我らのとは違い」

待ってる間に兄上はごった煮の美味しく盛られたお椀を何杯か食べ中身を聞いて頷いている。

「技術は山の民で秘匿する。そして川沿いの金鉱をいくつかあげたからよろしく」

そう言って10ヶ所以上の場所に驚きながらも全国にある自分達のネットワークで採掘を行うと約束した。

私も食べてお腹一体になると兄上が、

「帰る」

そう言うとまた後ろに乗せられ走り抜けた。

「ちご、どこで覚えてきたか知らんが色々出して父上の力となろうぞ」

そう言って兄上は嬉しそうにこちらを見たので大きく返事をした。


秋にも収穫が終わり他の倍近い米の収穫に父上も喜び他の田圃でも行うこととなった。

「こう言う理由から行ったのです」

村井に説明を行いそれを織田家の領地では行うこととなり林などの抵抗はあるが収穫が増えたのを目の辺りにしてしばらくして従う事になった。


「これほどとはな」

翌年小規模ながら金が取れた知らせを受け兄上の後ろでしがみついて落とされないように我慢した。

長老から金の小粒が手のひらに乗るほどの量であり兄上も声をあげお椀をもらい一気にかきこむ、

「うまいな、もう一杯」

「小十郎様、短期間でこのようになりました」

「ここから必要経費は3割で良いかな」

「十分にございます。それで金の送り先は」

そう言うと兄上も食べるのをやめてこちらを見るので、

「決め手はいるが相手に頼まないとだな、兄上おねがいが」

そう言うと笑って聞き返すので、

「津の母方の父である中根に堺へ連れていっていただきます」

「父上に渡すのではないのか」

「渡せばこれだけ、堺で商人に託せばこの数倍の見返りがずっと続き必要な武器なども買えます」

「面白い、わしも行く」

ああ、わかっていたけど兄上の好奇心には勝てずに向かうこととなり長老には決まったら命じたところに運ぶように伝えた。


「もうしばらく馬には乗りたくありません」

「この程度でへたばるとはな」

津まで一気に走り抜け中根の商家に到着して鞍から落ちた。

「ばあさま」

母に似て美しいお婆様を呼ぶ前に兄上に担がれて店の中に入った。

「中根か頼むぞ」

「若様、準備はできております」

「その前にこの金で木綿を買えるだけ買います」

そう言って懐かしい伊勢屋に行く、

「織田の若様が木綿を買われたいと言うことですな」

相変わらず一癖も二癖もある店主にお茶をと言い値踏みをされるように兄弟で所望した。

「中々ですな、それでいかほどですかな」

「これだけですけど」

兄上の腰の後ろから袋を買ってに取ると目の前に金で山を作った。

「これ程とは、触っても」

そう言われて頷き伊勢屋は確認の後金額を提示してくる。

「確かに適正と言えば適正ですが買う量が量ですから、この程度にしていただけるとこれからの取引にも弾みがつきます」

そう言うと伊勢屋はしばらく考え、

「よろしいでしょう白綿丸に運び込みましょう」

こうして他の店にも行き取引量は少ないがさらに負けさせほとんど手元に金は残さなかった。

「ちごでなく小十郎と呼ばなければならぬかもな、伊勢屋との取引もだが中々」

そう言うと中根の爺が待つ白綿丸に大量に詰め込み出港した。


「げろげろ」

何時ものごとく船酔いで寝込んでいるが兄上は爺や船長に色々聞きまわり航海を続け九鬼にお金を払い数日後に堺が見えてきた。

「ちごに逆戻りだな、しっかりせい織田の名を持つ者として」

「船酔いは貴婦関係ありません兄上、もう少しで足に地がつきますれば」

そう言うと笑いながら入港まで色々見ては聞いてまわった。


「さて兄上、天王寺店の津田に会いに行きますぞ」

そう言って中根の爺を連れて迷いなく歩き始めると兄上から頭を叩かれた。

「初めてなのだろうよく知っているな」

「布団の神様が教えてくれますから、だからね」

そう言った瞬間頭の左右から拳骨が伸びて梅干しを食らうが本当の事は言えずに悶絶した。

「強情目まあ良いわ」

中根の爺の説明を聞きながら大通りの何時もの場所に到着した。


「頼もう」

そう言うと懐かしい手代が現れ対応してくる。

「津の中根が木綿を買っていただきたく参上した」

決まったと思ったが、

「武家の若様が商売人の様な、冗談で」

そう言った瞬間兄上が進み出て刀を抜こうとしたのを慌てて止め中根の爺が代りに出ると繋がった。

「申し訳ありませぬ、手代には重々申し付けておきますれば」

津田宗久が茶室に迎え入れてくれ茶を兄上にそして私に最後に爺にすすめてくれ話となった。

「それほどの木綿を、そして南蛮貿易に投資をしたいと言うことですね」

「はい、毎年送りますので利息と共に投資をお願いします」

「かなりの金額なので堺衆とも話をつけましょう」

そう言ってくれ後日会合が開かれ話は終わった。


「帰りは歩きだと」

「淀川をさかのぼって京へ、そこからさらに北に向かいます」

「またなにか隠しておるのか」

そう言う兄上を船にのせ中根の爺は白綿丸で津にもどっていった。

「この辺りも酷いな」

「足利の世は終わったと言うことでしょう」

京に行くまでにも戦乱の傷跡は至るところに有り尾張の方がましと言える状況に兄上も何かしら考えておりそのまま琵琶湖を横断して目指す国友村に顔を出した。


「鉄砲ですか」

村長に聞くと期待したものを持ってきてくれる。

「しかしこれを買ってくれる者が、将軍様でも」

この時代はまだ知られていない武器に大枚をはたいてと言うのが現状で困っているらしい、

「兄上、この者達を尾張で雇っていただくよう父上にお願いをします」

「この筒がか」

そう言われて弾と火薬を装填して火縄をつけて岩の上に筒をおいて30m程の木を狙い引き金を絞った。

「あちちち」

久しぶりの火薬の火花に顔が少しやけどしてしまったが兄上はすぐに鉄砲を持ち木を確認すると、

「教えろ」

兄上からにらまれ頬の煤を払うと砲身を掃除して火薬の量と弾を入れ棒で突っつき皿に火薬を火縄を取り付けて構えを教えると引き金を引いた。

「外れたか」

「引き金を引いたので横にそれたのです」

そう言うと再度自分で装填して狙うと命中させた。

「ちご、これがお前が言っていたが物か」

「はい、これなら尾張の弱小の兵でも戦えます」

そう言うと村長に尾張に移るように言い私は持っていた金を渡すと驚きながらも納得して準備が出来次第と鉄砲を2丁貰い受け馬を手に入れると尾張へと走らせた。

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