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魔法陣と転生と  作者: 昕箱
3/5

神、召喚

「とりあえず、現状打破だよな・・・」

今の最優先事項。

それは現状打破。

俺は今の動けない。

なぜなら、よく分からない根が張っていて動けないからだ。


「どうにか動く方法はないか? てか転生前の俺はなんてことを考えてんだよ・・・」


それは誰の耳にも入らないはずの、虚空の彼方へ消えゆくはずの言葉。


だがそれは。


〖あ、質問した〜?〗

「んぎゃーーーー!!!!!!!!!!!!」


謎の返答により異なったものになった。


〖んぎゃーとは失礼だぞんぎゃーとは。そんなにビビることではないだろう?〗


ゆっくりとした時間を送る大きな平原を忙しく送るのはソウメンシオンだけである。


「え・・・いや・・・ごめん、誰? 不審者だよな、おまえ・・・」


その質問にそれは実に滑らかに回答する。


〖ああ、私? 私はリナリア。君の身体に封印されることになったからよろしくね、我が眷属くん〗


「リナ・・・リア・・・」


知っている気がする。

なぜ知っている?

転生してから間もない。

俺がこの世界で1番危機を感じた瞬間。

その瞬間に知ったはずだ。


ジジイの手紙にはなんて書いてあった?

『君の身体に霊神種(プネヴマ)を滅ぼした伝説の、母聖種(テオグタ)であるリナリアを封印しちゃった・・・』

うん!滅ぼしちゃったリナリアくんだね!

ってふざけんなー!あの封印されてるのに自我があるとか聞いてねえぞ!


「ってか、おまえ〖我が眷属〗って言ってたよな・・・どういうことだ?」


姿は見えない。だが嬉しそうにリナリアは言う。


〖ふっふっふそれはね・・・私が邪従種(シャドーマ)の祖先なのだー!〗


「な、なんだってー!」


〖んふふ、いい反応ありがとう、感謝感激だよ。そして私が邪従種の祖先であるということについて、詳しく説明しようか!〗


そう言ってリナリアは説明を始める。


なんでも今から6005万年前、神話の時代に、「災厄の具現化」とか「終わり」だとか「最悪の女神」とかであらゆる種族から敵対していたリナリアはとりあえず戦いつつもとうとう破れたが、何となく魔力が全然余っていたから自分の魔力と血を継ぐ種族を遺したらしい。

その種族はリナリアと同じような思想を持っていて、もう敵対したいない子孫達はゆっくりとした時間を過ごしていたらしい。

するといきなり天従種(アポストリオ)という大体天使っぽいやつが襲撃。

そのまま戦争して普通に勝つも、天従種(アポストリオ)邪従種(シャドーマ)による襲撃だと発表。

そのまま「あの神の子孫はやはり凶悪かつ邪悪である」という共通認識がうまれ、邪悪に従うものという名で邪従種という名が付いたという。


〖まあ、ことにの経緯はこんな感じだね。お花に私の血と魔力が継がれたなんて私が驚いたけれど、まあスキル、『神』を持ってるから君にアドバイスできるよ!〗


「はーいせんせーい、質問でーす」


〖なんだい?シオンくん? 〗


こいつ俺の名前を知ってんのか。

スキル、「神」はどこまで俺の個人情報を知っているんだろう。

若干の恐怖を感じるが、知らぬが仏。


「なんであらゆる種族から敵対されるようになったんですかー?」


〖え・・・えっとね・・・忘れちゃった!〗

「は?」


こいつがどういうことをやったかで、今後の邪従種(シャドーマ)としての生き方が決まるだろう。

だがしかし・・・。


「あとひとつ質問させてくれ!」


〖ほい!〗


いま重要なことのひとつ。


そして、リナリアが出てくることになったきっかけのひとつ。


それは・・・!


「ここからどうやれば動けるか教えてください!」


〖忘れた!〗


「ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!」


怒りが漏れる。

腹のそこから出した声だ。

だが、転生前のように野太い声が出ることはなく、代わりに可愛らしいっちゃ可愛らしい声が出た。

俺はこの声を堪能する為、より多くの種類の声を出す必要があるだろう。


〖ちょい待たれよ・・・スキル『神』発動・・・〗


おお、カッコイイ!

異世界感が出てきたな!


〖よし、結果が出たよ!〗


「おお、すごいな! 早速教えてくださいくれ!」


〖んふふふふ〜わかりませんでした!〗


「なんでも知ってんじゃねえのかよ!」


ダメだこの神様。

へっぽこにも程があるだろう。

こんな奴が「災厄の具現化」とか、この世界は結構頭おかしいのが多いのかも知れないな。


〖あ、でも君「魔力統括」持ってるでしょ? それ結構強い加護だから、ちょい使ってみたら? 〗


「どうやって使うんだ? 呪文唱えるとか? 」


呪文を唱える、魔法を使う。

それこそ、異世界。

だが、この世界、リナリアは自分の能力である「神」を「スキル」と言っていた。

この世界に魔法はあるのだろうか?


〖んっとね・・・君の場合、心の中で使いたい能力を思うだけで使えるね。やってみ? 君の世界ではヤッテミソか。ミソって何?〗


心で唱える、か。やってみよう。

加護、『魔力統括』!


それを唱えた瞬間、自分に生えていた根っこは何も無かったかのように消えた。


「すげえ・・・これが「魔力統括」か・・・」


これで俺は立てるようになった。

それは歩行することができるようになったことを指す。


〖おお、君上手だね! ところで、ミソってなに?〗


「ああ、ごめんごめん。なんだっけ?ミソって何?だったか──」


人類は歴史を繰り返してきた。

人類はそれは、時には宗教。

古きの人々が信じた事、信じた正しい行いを繰り返した。

しかし、その歴史は内容が改ざんされて伝わってしまう。

その教えは、苦しみを紛らわせる為、それを信じない者、または悪魔となんの根拠も無く断定し、それを苦しみの理由にして虐殺を行った。

しかし、伝える内容が都合のいい事の場合、それには当てはまらない。

それは、思いやりの心。

いや、違う。

それは、他人を思う心。

いや違う。

それは、他人に頼る心。

いや違う。

それは、他人を悪にする心。


どの時代でも、恐怖の対象は特になんの根拠も無い事もあれば、歴史にある実際の事に基づく場合でも、それの対象は、悪だった。

それは、虐殺へと繋がる。

何一つ、虐殺をしていい理由にはならないのに。


しかし、「虐殺」という規模に行かなくても、相手を悪だとする事がある。

それは、嫌がらせ。

相手に非を見つけ、それについて嫌がらせを行う。


そして、その歴史は。


いま、繰り返されることになる。


「ああ・・・ミソ・・・なんだっけ!忘れた!」


〖なんでよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!〗

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