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第57話『ゴーレムの情報収集』

 ────それから、私は一番最初に目に付いたゴーレムの出現場所に向かっていた。

徳正さんにお姫様抱っこしてもらいながら……。

というのも、今回のイベントはスピード勝負になるため。

それに移動しながらの情報収集は、無理があった。

『前方不注意で怪我したら、周りに迷惑を掛けるし……』と思いつつ、公式チャットと掲示板の情報を整理していく。


 ふむ……やっぱり、全体的に街での目撃情報が多いな。

街に人が密集してるからというのもあるんだろうけど、皆の書き込みを見る限り街中に出現したゴーレムの数は結構多いようだ。

一応、森や河原にもゴーレムの目撃情報はあるものの、そっちは一体……多くても、せいぜい二体。


 私は赤や青の点で埋まったマップを分析しながら、公式チャットと掲示板の情報を更新した。


 街中にゴーレムを多く配置することは最初から分かっていたけど、なんだろう?この違和感は……。

まるで、人の多い場所をピンポイントで狙っているような錯覚を覚える。

よくよく考えてみれば、私達の居るところピンポイントにゴーレムが降ってきたのもおかしいし……。

もしかして────ゴーレムの出現場所の基準……というか、条件って人の多さが関係している?

もし、そうなら……色々と辻褄は合うな。


 『箱庭め……面倒なシステムを組んでくれたな』と苦笑いし、私はクイクイッと徳正さんの服を引っ張った。

すると、彼は直ぐに走るスピードを緩める。


「どうしたの〜?ラーちゃん」


「行き先変更です。ここから、一番近い街に向かってください。あくまで私の予想ですが、ゴーレムの出現場所は人の多さと密度に比例していると思います」


「あ〜、なるほど〜。街の方がたくさん居るってことね〜」


 私の言いたいことを瞬時に察した徳正さんは、軽いステップを踏んで方向転換をした。

勢いを殺すことなく走っていく彼の後ろで、シムナさんやラルカさんも方向を変える。


 行き先は白虎(しろとら)の街か。

あそこは四神と呼ばれる白虎(びゃっこ)をモチーフにした街で、FROにしては珍しい観光都市だ。


 『だから、人もめちゃくちゃ多い』と考えながら、私は白虎の街に関するゴーレム情報を洗い出した。

さっきはゴーレムの数と位置を見るだけで、精一杯だったから。

『到着する前に細部まで把握しておかないと』と思いつつ、文章を目で追う。


 ん?ファイアゴーレム?アイスゴーレム?サンダーゴーレム?何それ?


 見覚えのない単語を複数発見し、私は眉間に皺を寄せた。

絶妙な言葉のチョイスから、言いたいことは大体分かる。

恐らく、炎や氷を……いや、魔法を(・・・)扱うゴーレムが存在するのだろう。

『やっぱり、通常のゴーレムとは異なるものが出てきたか』と嘆息し、私はゲーム内ディスプレイをじっと見つめる。


 それにしても、魔法かぁ……ウチは物理攻撃に特化したパーティーだから、場合によってはかなり不利になるな。

相手の懐に入ることが出来れば楽勝だけど、まず懐に入れてもらえるかどうか……。

いざとなれば徳正さんの影魔法があるとはいえ、軽々しく何回も使えるものじゃないし……。


 クールタイムや消費MPを考え、私は『う〜ん……』と唸った。

何か対策を立てようにも、実際に戦ってみないと分からない点も多い。

『もしかしたら、案外大したことないかもしれないし』と思いつつ、私は集まった情報を全て地図やメモにまとめた。

そして、『虐殺の紅月』のグルチャに送信する。


 とりあえず、これで良しっと。あとは白虎の街に着くのを待つだけだ。


 私はバサバサと風に揺れる髪を押さえながら、真っ直ぐ前を見据えた。

────白虎の街到着まで、あと五分。

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