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赤髪の少女
「冒険者やめちゃうの?」
「· · · · · え?」
前から声がした。聞いたことのない、少女の声。
思わず顔を上げると、そこには赤い髪の少女がたっていた。
「· · · · · どなた· · · ですか?」
「あ、そうか私の名前ね」
そう言うと、少女は思い出したかのように手をあわせ、名前を言った。
「私の名前は· · · レノンよ」
少女はそう言った。名前を言うのをためらった様に見えたのは気のせいだろうか。
「レ、レノンさんは何で僕に声をかけたんですか?」
「それは、君が冒険者をやめようかなって言ってたからだよ」
「それと僕に声をかけたのは関係ないんじゃ· · · 」
僕がそう言うと、レノンさんは両手を腰に当て言った。
「私とパーティーを組もうってこと!」
そう言われたとき、嫌な予感がしたのは気のせいではなかった。