秋風にささやかれて
掲載日:2026/10/12
故郷に帰る駅のベンチで
列車が来るのを待っている
あなたの知らせを聞き
いろんな思いがよぎる
家を出た時の あの日
ギター1つだけ
夢を追いかけ、希望と言う名の
片道切符、列車に飛び乗った
今も忘れない、列車が
見えなくなるまで
手を振る母の姿
自分は照れて、手を振ることもせず
母の姿、ただただ目に焼きつけている
時は過ぎ、しだいに、あなたの事
遠ざけ、言い訳ばかりの自分
あなたが、自慢できる息子に
なりたかった
鉄橋を渡る列車の音
幼き頃、よく聞いた
ガタンゴトン、ガタンゴトン
家から出る時も
家に戻る時も
ガタンゴトン、ガタンゴトン
母さん、庭の金木犀
今年も咲いてるかな
なんて不意に思った時
秋の風がささやくように
優しく頬を撫でた




