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新社獣ハンター イスラム教土葬利権の闇を暴け!

いま、地上波で「ハングマン」が放映されています。その映像を眺めながら筆をとりました。昔のドラマには、どこか心を惹きつける力があります。

近年、移民反対のデモが盛んになっています。政治の場では「人間が足りなくなった分、移民を入れればいい」といった発言も聞かれます。時代の流れに対して歯がゆさを覚えることが多く、私はその思いを物語に託しました。

この作品「社獣ハンター」は、現代社会の矛盾や利権の闇を描き出し、読者に問いを投げかける試みです。フィクションでありながら、現実の影を映し出すことを目指しました。

【社獣ハンターのメンバー】

社獣ハンターとは、「社会を混乱させる害獣を駆除する」ために結成された精鋭部隊である。

伊田裕美いだ ひろみ

黒髪ショートカットにスーツを纏う首領格。格闘技の天才であり、必殺技「飛燕真空回し蹴り」で数多の悪人を沈めてきた。冷静沈着、頭脳戦と肉体戦を兼ね備えた存在。

• 五十嵐いづみ(いがらし いづみ)

女優・山岸あや花を思わせる美貌を持つスタッフ。身長175cmの痩身、知的な雰囲気を漂わせる。セクハラ社獣を罠にかけることを得意とし、今回から黒縁メガネを装着。視力は良好だが、中央に仕込まれた小型カメラで全てを記録している。

青島美香あおしま みか

アシスタントとして伊田と五十嵐を尊敬し、彼女たちを支える若きメンバー。

• モニター上のインターフェース

社獣ハンターに確実な情報を伝える、クリーンで信頼性の高い通信システム。

• 暗号屋

情報工学の専門家。盗聴や盗撮を駆使し、伊田裕美らを援護する。デスクはモニターと機材で埋め尽くされ、最新情報を解析し続ける。


第一章:代議士を襲う罠

高橋欣三。比例の末席に名前が載っただけで衆議院議員となった男である。政治信条はなく、ただ流れに乗っただけの存在だった。

党から厚生労働委員会に割り振られた彼は、最近流行の移民問題を取り上げることで一躍有名になった。

その風貌は、黒縁のメガネをかけた頼りなさそうな中年男。背筋は少し曲がり、演説の場でもどこか所在なげに原稿を握りしめている。だが、SNSには彼を称賛する声が並んでいた。

SNSには彼を称賛する声が並ぶ。

• 「高橋先生こそ日本を守る砦だ!」

• 「移民反対の旗手、頼もしい!」

• 「モスク建設を阻止してくれる唯一の政治家!」

• 「墓地問題を語れるのは高橋先生だけ!」

• 「次の選挙は必ず勝ってほしい!」

熱狂は広がり、街頭にも波及していた。片岡という男が辻に立ち、声を張り上げる。

「我々の土地を守れ! 移民を受け入れるな! モスクを建てさせるな! イスラム教墓地など不要だ!」

群衆は拍手し、歓声を上げる。その熱気に酔いしれた片岡は、口元を緩めて呟いた。

「これなら次は小選挙区で立候補できそうだね。」

ある男の部屋。

テレビを消す男の姿があった。宮田国三――埼玉の山林王と呼ばれる人物である。自らの土地の森林を切り抜き、イスラム教徒向けの墓地へと転用し、莫大な管理費を得ていた。

宮田の風貌は、頭を真ん中から分けた髪型に小柄な体つき。だが不思議なことに、女性にはなぜか持てるタイプだった。

「馬鹿なおとこだ」

宮田は薄笑いを浮かべ、光明な手で高橋欣三を呼び出すことにした。

場所は池袋の高級クラブ「サロン ド 優雅」。

慣れない雰囲気に戸惑いながら、高橋は店の扉をくぐる。

「先生!よく来てくれました。お待ちしていました」

宮田の声に迎えられ、ぎこちなく椅子に腰を下ろす高橋。左右には店のナンバー1と2のホステスが座り、華やかな空気が彼を包み込む。

まずはシャブリで酒攻め。

「先生、葉巻を吸ってみませんか?」

「吸ったことないから、一回いいか」

ナンバー1ホステスのしょう子が火を付ける。

「酒のせいかな、なんかすごく酔ったよ。目が霞むね」

高橋はしょう子の誘導に従い、ラブホテル「女蜘蛛の館」へと消えていった。

個室では葉巻を何本も吸わされ、本人はいい気持ちに浸っていた。だが、その葉巻には密かにアヘンが仕込まれていたのである。

翌日から、高橋欣三はあの葉巻のことが忘れられなくなっていた。

彼は宮田に電話をかける。

「ああ、先生ですか?しょう子ちゃんのお味、どうでした?しょう子ちゃん、また先生にお会いしたいそうです」

「それより、あの葉巻が欲しいんだ」

「お高いですよ」

「いくらだ」

「ええ、いいですよ。今回だけは無償でお届けしますよ」

宮田は議員会館へ葉巻を届けさせた。

その日を境に、高橋の行動は大きく変わった。

イスラム教のモスク建設、土葬墓地の補助金集めに奔走し、委員会ではイスラム教擁護の発言を繰り返すようになった。

「宗教的多様性を尊重すべきです。モスク建設は地域社会にとって重要な意味を持ちます」

「土葬墓地への補助金は、文化的背景を理解する上で不可欠です」

その姿は、かつて移民反対を叫んでいた男とはまるで別人だった。

SNSには彼の変わりぶりに対する非難が続いた。

• 「裏切り者だ!」

• 「昨日まで反対していたのに、どういうことだ」

• 「利権に取り込まれたのか?」

• 「もう信用できない」

熱狂から失望へ。

高橋欣三の転落は、静かに、しかし確実に始まっていた。


第二章:暗流の街頭

東京・都庁前。

移民反対、モスク反対、ハラル食反対のデモが賑やかに繰り広げられていた。旗が翻り、拡声器の声が群衆を煽る。

その中で、日本人で敬虔なイスラム教徒の女性がマイクを握った。

「土葬を認めろ!給食をハラル食にしろ、日本の法律をイスラム法にしろといっているイスラム教徒がいます。あたしからすれば彼らは正当なイスラム教徒ではありません」

彼女はさらに声を荒げる。

「パキスタンとかアフガニスタンから来ている人たち、本当のイスラム教を知らないんです。イスラム教の経典はアラビア語で書かれています。彼らはそれを読むこともできない。自分たちで好きなことを言っているだけなんです」

群衆はざわめいた。

「えっ、そうなの」

「本当のイスラムの教えを守っていないの?」

その熱気の裏で、宮田国三は過激派左派の「豚腹隊」に金をばら撒き、デモの鎮圧に躍起となっていた。

豚腹隊のリーダーは長汐早苗。大学を卒業後、就職することなく政治活動に専念し、活動資金で生活を続けていた。美貌の持ち主で、一目見れば男性が振り返るほど。いつしか「見返り美人」と渾名されるようになった。

突如、豚腹隊がデモ隊へ突進した。

長汐は容赦なく鉄の棒を振るい、デモ参加者を殴り倒す。警察が到着する前に隊を率いて撤収するその手際は、あまりにも鮮やかだった。

しかし翌日も、都庁前のデモは続いた。

移民反対の指導者は市会議員の綾小路多夢麻呂。今年当選したばかりだが、移民反対や財務省解体デモを長く続けてきた人物である。今年に入ってから、その活動に火がついた。

彼はいつも日本の国旗をマントのように羽織り、颯爽と登場する。ヒステリックに叫ぶのではなく、優しく説得するタイプであり、群衆の心を掴んでいた。

一方、宮田は余念がなかった。

池袋は今や完全な中国人街と化していた。どす黒い色をしたビルの地下へと宮田は降りていく。

地下は湿った空気に満ち、赤い提灯がぼんやりと灯り、異国の匂いが漂っていた。狭い通路の奥には、違法な取引が行われる部屋が並び、低い声が飛び交っている。

そこで宮田は、中国人の林勇生に会った。

「林さん、頼みたいことがある。移民反対の首謀者、市会議員の綾小路多夢麻呂を……消してほしい」

林勇生は無言で煙草をくゆらせ、宮田の言葉を静かに聞いていた。


第三章:社獣ハンター出動

東京のとある場所。

エレベーターから翁の能面をつけた一人の男が姿を現した。五十代、背は高く、高級スーツに身を包んでいる。政府の要人でありながら、社獣ハンターの前では「翁の能面をつけたブタッキー」と呼ばれる存在だ。

ブタッキーが社獣ハンターの事務所を訪れるとき、それは新しい依頼がある証だった。メンバーの誰一人として、彼の素顔を見たことはない。本人は「タッキー&翼」の滝沢秀明に似ていると自称しているが、太っているため皆からブタッキーと呼ばれていた。

「イスラム土葬利権の闇を暴いてくれ」

壁には宮田国三、高橋欣三、長汐早苗、綾小路多夢麻呂の顔写真が並んでいる。

「私の部下の調べでは、綾小路多夢麻呂の命が狙われている可能性がある」

伊田裕美には綾小路のガードが依頼された。すでに本人の了承は取り付けてある。

宮田には青島美香が秘書として潜入し、宮田が利用するクラブ「サロン ド 優雅」には五十嵐いづみがホステスとして入り込む。

こうして、イスラム教墓地経営者・宮田と社獣ハンターの対決が幕を開けた。

高橋欣三は「サロン ド 優雅」に入り浸っていた。しょう子の色気よりも、彼の目当ては葉巻だった。

その日はいづみの初出勤日。

いづみは長い黒髪を揺らし、背が高く、笑うとエクボが愛らしい。黒縁のメガネを常にかけており、その中央には隠しカメラが仕込まれている。店内で起こる出来事はすべて記録されていた。

高橋は彼女を一目で気に入ってしまう。

「あら、高橋さんはしょう子さんでしょう」

「君も気に入った。趣味はなんだ?」

しょう子が口を挟む。

「いづみちゃんはゴルフに乗馬、とても高尚な趣味の持ち主なんですよ」

「そうか、今度一緒にゴルフをやろうよ」

「あたし、先生と一緒に温泉に行きたいですわ」

いづみの接近は、着実に成果を上げていた。


第四章:邂逅と救出

都庁前の広場。

移民反対デモの中心に立つ綾小路多夢麻呂は、日本国旗のマントを翻しながら群衆に語りかけていた。声は穏やかで説得力があり、聴衆は熱心に耳を傾けている。

その群衆の後方に、黒髪ショートカットの女が静かに立っていた。伊田裕美――社獣ハンターの首領格。ブタッキーから依頼を受け、綾小路の護衛として配置されていた。

「この国の未来を守るために、私たちは声を上げ続けなければならない!」

綾小路の言葉に拍手が広がる。だが、その瞬間、群衆の影から鋭い殺気が走った。

林勇生。宮田に雇われた刺客が、懐から刃物を抜き放ち、群衆をかき分けて綾小路へ突進する。

「危ない!」

伊田の声が響く。次の瞬間、彼女の体は風のように動いた。必殺の「飛燕真空回し蹴り」が放たれ、林の腕を弾き飛ばす。刃物は宙を舞い、石畳に落ちた。

林はよろめきながらも逃げようとする。しかし伊田は冷静に間合いを詰め、拳で急所を打ち抜いた。林はその場に崩れ落ち、群衆は騒然となる。

名高達男似の暗号屋がそそくさ、車に乗せて、林勇生を連れ去った。

綾小路は息を呑み、伊田を見つめた。

「あなたが……私のボディガードですか」

伊田は短く頷いた。

「そうです。社獣ハンターの伊田裕美。あなたの命を守るために来ました」

群衆のざわめきの中、二人は初めて言葉を交わした。

その瞬間、利権の闇に立ち向かう戦いの絆が生まれたのだった。

日曜日の晴れた日。

千葉県、海を望む温泉旅館「三日月堂」。水着着用の男女共同プ温泉、効能別に分けられた五つの温泉、そして深さ五メートルの特別プールがあることで知られていた。

高橋欣三の運転で、いづみはこの旅館へとやって来た。高橋は彼女との夜を心待ちにしていた。

夜、ラウンジ。

高橋は酒を重ね、いづみは一滴も口にしない。

「いづみくん、僕の秘書にならないか?今、第二公設秘書の席が空いているんだよ」

その後、二人は部屋へ。

酔った高橋は欲望に任せ、いづみを求めた。両手で彼女の服を次々と剥ぎ取り、ついに下着だけの姿にさせてしまう。

その瞬間、ドアが勢いよく開いた。

「そこまでよ、先生」

現れたのは伊田裕美。

「なんだ!君は――」

「飛燕回し蹴り!」

一瞬の出来事だった。高橋はあっという間にノックアウトされ、床に崩れ落ちた。

「ちょっと遅いじゃない、裕美。下着だけになっちゃったわ」

「いいえ、絶妙のタイミングよ」

いづみの黒縁メガネは、すべての光景を録画していた。

倒れた高橋は、すぐにアヘンが切れて禁断症状に襲われる。震える手、霞む視界、荒い呼吸――その姿は、権力者の仮面を剥がされたただの中毒者にすぎなかった。

宮田の部屋。

宮田の秘書となった青島美香は、机に積まれた資料をこっそりカメラに収めていた。緊張に汗が滲む。

そのとき、突然ドアが開き、宮田国三が入ってきた。

「なにをやっているんだ」

「いいえ……」

「お前、綾小路のスパイだな」

宮田は懐から黒光りするトカレフ(TT-33)を取り出した。改造銃販売組織「小島商会」から手に入れたものだ。

空気が張り詰める中、突如、もう一人の女性が姿を現した。

「ああ、長汐……なんでここに来たんだ」

「何を言っているんですか?宮田さんが呼びつけたんじゃないですか?」

「俺は呼んでなんかいないぞ」

「えっ!じゃあ、誰が――」

その瞬間、さらに一人の女が現れる。

伊田裕美。黒髪ショートの影が部屋を切り裂いた。

「上手いタイミングで集まってくれたじゃない」

彼女は隠し持っていたナイフを投げ、宮田の銃を握る手に命中させた。

「いてぇ!」

銃が床に落ちる。

続けざまに、伊田の必殺「飛燕真空回し蹴り」が宮田の首を打ち抜いた。宮田は呻き声を上げて崩れ落ちる。

部屋から逃げ出そうとした長汐早苗も、すぐに駆けつけた暗号屋によって取り押さえられた。

こうして、利権の闇に関わる者たちはすべて捕縛されたのである。


第五章:沈黙の檻

夜の湾岸。巨大なクレーン車が唸りを上げ、鉄製の檻を吊り上げていた。中には四人の影――宮田国三、高橋欣三、長汐早苗、林勇生。鉄格子の中で互いに目を合わせることもなく、ただ沈黙が支配していた。

檻はゆっくりと海面へ降ろされていく。足元に冷たい水が迫り、恐怖がじわじわと広がる。

最初に声を上げたのは高橋だった。震える手を伸ばし、必死に叫ぶ。

「やめてくれ!全部話す!墓地の補助金も、葉巻も……宮田に言われたんだ!」

その言葉は、禁断症状に苦しむ彼の体から絞り出された悲鳴だった。

宮田は顔を歪め、汗を流しながらも強がっていた。だが水が腰まで迫ると、ついに口を割る。

「俺がやった!イスラム教徒を煽り、土葬で儲けた!アヘン入りの葉巻も俺が作った!」

長汐は蒼白な顔で鉄格子を掴み、声を荒げた。

「宮田から金を受け取った!豚腹隊を動かしてデモを潰せと命じられたのよ!」

林勇生も観念したようにうなだれ、低い声で吐き出す。

「俺はただの雇われだ……綾小路を消せと命じられただけだ……」

四人の声が重なり、夜の海辺に響き渡る。

社獣ハンターの黒縁メガネは、その瞬間を余すことなく記録していた。

こうして、利権の闇を暴く決定的な証言が一斉に揃ったのである。

エピローグ

都庁前、夕暮れ。

綾小路多夢麻呂がマイクを握り、移民反対の声を響かせていた。

日ごとにその声は大きくなり、イスラム教モスク建設反対、イスラム教徒のための土葬墓地反対の叫びが群衆を揺らしている。

遠くで伊田裕美が静かに綾小路を見つめていた。

その視線は鋭くも温かく、次なる戦いを予感させるものだった。

近くのスターバックス。

「それにしても裕美の飛燕回し蹴りは必殺ね」

「いづみの色仕掛けこそ必殺よ。あたしもひっかかってしまうわ」

二人は大声で笑いながら、カフェカプチーノをすする。

その笑い声は、嵐の前の静けさのように街に溶けていった。

社会を害する獣は後を絶たない。

社獣ハンターの戦いは、まだ始まったばかりだ。

(完)

本作では、政治家と宗教団体の癒着、イスラム教土葬をめぐる利権の闇を描きました。社会を害する獣は後を絶ちません。だからこそ、物語の中で「社獣ハンター」が立ち上がるのです。

次回は「米買い占めのからくり」を題材に、さらに深い社会の暗部を描こうと思っています。

この物語が、現代を生きる私たちにとって一つの鏡となれば幸いです。

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