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お爺様がハルト兄様に剣術指南1

 朝起きると、訓練所の辺りが妙に騒がしい。


「なにかやってるのかな?」

「お目覚めでしょうか?エリス様。」

「おはよぉー、はいっていいよ。」

「失礼致します。」

「ねぇ、もしかして、くんれんじょで、なにかやってるの?」

「はい、大旦那様とハルト様が使っております。」

「ふーん、ぼくみにいきたいな。」

「かしこまりました、それでは一先ず(ひとまず)着替えましょう、寝巻きのまま部屋の外に出るのは、はしたないですので。」

 起こしに来たメイドに着替えと髪の毛を整えてもらい、朝食の前に訓練所に様子を見に行った。


「どうした、ハルト!儂を倒せぬと民達を守ることなど、できぬぞ!お前は、領民を守るために騎士になると誓ったのだろう!ならば、腕がちぎれようが、足をもがれようが、剣は絶対に手放すな!良いな!」

「はい!!」

 お爺さんはその場から動いていないのに、ハルトの攻撃をいとも簡単に防ぎきってハルトのほうが、息が上がっている。


「む?そろそろ食事にしよう、食後はゆっくり休み、その後再び儂が教えられる剣の全てをハルトお前に教えてやる、心せよ。」

「はい!ありがとうございます!お爺様、それに名前間違えてませんね。」

「名前の間違えは、忘れろ、ほらエリスが見に来ているぞ。」

 祖父が俺が来ていることを知らせるとハルトは爽やかな顔でこちらに駆け寄ってきた。


「おはよう、エリス、どうしたんだ?こんな所まで。」

「あさおきると、すごいおとがきこえて、それで、きになってしまって。」

「そうか、ここから近いのはエリスの部屋だったか?起こしちゃったか、ごめんな。」

 そう言うとハルトは俺の頭を撫でた。


「エリス!おはよう!」

「ひゃい、おはよーごさいます、おじぃさま。」

「うむ、朝の基本は挨拶だ!心がけるが良い!では、皆で朝食をとりに参るぞ。」

 俺は祖父に抱き抱えられ食堂までそのままだった。


「エリス、お前朝から何かつけてるか?」

「??いいえ、なにもつけてないとおもいますよ?そうだよね?」

「はい、朝私が身支度を整えましたが、エリス様に香油などは使用しておりません。」

「む?そうか、なに気のせいだろう。」

 「そう言えばお爺様って鼻が良いと、お祖母様が話しておりました、馬車の中に居たお爺様がたまたま、お出かけしていたお祖母様を見つけたって、本当なのですか?」

「そうだとも!まぁこの話はリュートから直接聞いてくれ、儂から話すことはない。」

 雑談をしながら歩いていると食堂に着き、祖父は俺を降ろしてくれて、メイドが扉を開けた。


「すまぬ、遅れたか?」

「いいえ、大丈夫ですよ、それよりエリスちゃんお祖母様の所にいらっしゃい。」

 祖母に呼ばれ俺はノコノコと寄っていく。


「さて、皆揃ったので、食事を始めましょ。」

 お婆さんの合図でシェフが食事をそれぞれの前に運ぶ。

 食事はつつがなく終わり、皆それぞれの部屋に戻って行った。


「さて、ぼくは、これからどーするかな、おにわで、おはなでも、みようかな。」



 俺が庭で花を眺めている時祖父と父が書斎で話をしていた。


「お父様どうかなさいましたか?」

「うむ、エリスの事なのだが、儂の勘違いなら良いのだが、食堂までの道中、抱き抱えていたのだが、僅かにΩのフェロモンが香った気がしての。」

「そうだったのですか、にしても名前間違えませんでしたね、お父様の名前の間違いどうにかして治したいと思ってたのですが。」

「名前の件は今はどうでもいいでは無いか、今はエリスの事だ、もしかすると、エリスもリュートと同じで、Ω性が強いかもしれない、気をつけておくように。」

「分かりました、近いうちに医師を呼びましょう、二次性検査は早くても5歳にならないと出来ないですから、今は抑制剤を作っておいて貰いましょう。」

 そんな話をしているとは知らず「このおはな、いいにおーい」と思っていた。


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