第7話 転生してから3年たちました。
二次性やら魔法、魔獣の衝撃のあった1年間だったけど、ついに俺氏この世界に産まれ3年が経ちました。
だからといって生活環境は変わらないし相変わらず家族から溺愛されて嬉しい。
なんでも、今日は父方の祖父母が皇都から遊びに来るらしい、逆じゃないのかって思ったけど、俺まだ幼いから長旅は無理。
「エリス、もうすぐお爺様たちが到着するから、兄様と待ってよ。」
「はい、アルバにぃさま。」
どこからか勢いよく扉が開く音がして、こっちに向かって物凄いスピードで走ってくる。
「ハルト、お前11にもなって慌ただしいやつだな。」
「兄様、これには深い訳がありまして、なかなか服が決まらなくて。」
「どこが、深いんだ?雨上がりの水溜まりの様に浅いじゃないか、まったく。」
「俺のことはいいんです、それよりも兄様は、婚約者との中はどーなんです?」
「あ、ぼくも、ききたいです、アルバにぃさまおしえてください。」
「今、そんな話してる場合じゃないだろ。」
俺たち兄弟の話を両親は聞き耳を立てておりくすくすと笑っていた。
「話はそれくらいにしなさい、そろそろ来るはずだ。」
「すみません、父上」
その時扉が勢いよく開かれ俺はデジャブを感じた。
「ヒューザ今帰ったぞ!それに子供らも息災のようだな!」
「貴方、孫たちが怯えてしまいますよ、いい加減分かってください。」
「うむ、そうだな!それで、エリザはどれだ?」
「お義父様、エリザではなくエリスですよ、ほらエリスこっち来てご挨拶なさい。」
母に呼ばれ俺は祖父の前まで行き挨拶をする。
「は、はじめまして、え、エリスです。」
「声が小さい!病気なのか?!」
「もう!貴方が煩いのよ!エリスちゃん、この人の妻のリュートよ、よろしくね。」
祖母は男性Ωで祖父母の夫婦中は良好なようだ。
「はじめ、まして、おばあさま。」
「可愛いわ!アズさんからお手紙頂いた時に可愛いとは聞いてましたけど、ここまで可愛いなんて、思いませんでした、貴方もそう思いますよね?」
「うむ、儂はお前が一番可愛いと思うが?」
「はぁ、孫の可愛いさは別でしょ!全く何が頭に詰まってるのか不思議だわ。」
「それよりも!ハルシ剣の腕はどうだ?」
「俺の名前はハルトです、お爺様、剣術指南の先生からは独特の技を持っていると褒められました!」
「そうか!ハミト!なら、後で儂と手合わせしよう!」
俺は悟ったね、この爺さんわざと名前間違えているんじゃなくて、覚えてないんだって、それに皆諦めてるっぽいし。
「じゃあ、お祖母様とエリスちゃんとアルバちゃんとでお茶会でもしましょうか、アズさんもいかがかしら?」
「まぁ!ご一緒なさってもよろしいのですか?」
「勿論よ!エリスちゃんの話聞きたいわ。」
祖母は男だけど、母並にスタイルがよく、ドレスが似合っていた。
「エリス、お祖母様が着ている服は男性Ω用のドレスなんだ、元々は存在してなかったらしいけど、お爺様がお祖母様の事を思って作らせたらしいよ、愛だよね。」
アルバは俺に小声で囁いてきた、ちょっとぞわぞわした。
「(へぇー男性用のドレスとかあるんだ、いいな、いいな?なんでそんな事思ったんだろ)」
「ほら、エリス早く行くよ」
俺がボケっと突っ立っているとアルバが手を引いて歩き始めた。