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第6話 魔獣なる生き物がいるなんて。

 アルバに春が訪れたことに、俺はちょっとだけ浮かれどんな女性だろうかと思い馳せていた。


「エリス様、旦那様より新しい絵本が届きました。」

「あ、はいって」

「失礼します、こちら旦那様よりお預かりした絵本で御座います、お飲み物もお持ち致しました。」

「ありがとー」

 俺の返事を聞いて執事は、部屋を出ていき俺は新しい絵本にワクワクしていた。


「そーいえば、ぜんせでは、えほんなんて、かってもらえなかったなぁ、だから、けっこううれしかったりする。」

 1番上に置かれていた絵本を手に取り、読み始める。


「ふぅー、きゅーけーしよっと、のどかわいた。」

 執事が用意してくれた飲み物はいつも飲んでる果実のジュースだ、程よい甘みとほんのり酸味がマッチしていてとても美味しい。

 陶器のコップはまだ、重いから木のコップ、この木のコップがまたなかなかにいい、重すぎずかといって軽すぎない、今の俺に持ちやすいコップだ、これを作った職人は素晴らしいな。


「あたらしい、えほんも、つぎでおわりか、たのしいじかんは、すぐにきてしまう。」

 最後の絵本に手を伸ばし、タイトルを読んだらびっくりした。


「まじゅうずかん?うん?まじゅうってなに?」

 魔獣とは、この国に生息している動物とは違う生き物であり、その脅威は家畜の数倍、狼の何十倍獰猛である。

 魔獣は、一定の期間かなりのスピードで繁殖し、人々に牙をむくそのため、騎士団が力を合わせて、魔獣の間引きを行う。

 魔獣は獰猛であるが故その肉は絶品で、皮や骨は武器や装備品に使える。


「まじか、このせかい、まじゅうがいるのか、こっわ、にしてもまじゅうのにくは、おいしいのか、たべてみたいな。」

 魔獣図鑑を1度閉じて、喉を潤し、ふと考える。


「あれ?これってぼくがよんでいいやつ?みるからに、だめなよかんがする。」

 俺の予感は当たっていたらしく、本を持ってきた執事がやってきた。


「申し訳ございません、エリス様こちらにハルト様に渡すはずの本が紛れてしまいまして...あの...エリス様がお持ちの本読まれました?」

「(どうしたら返事したらいいかな、素直に読みましたって言ったら変に思われるかな?)さいしょのページだけ。」

「なんと、そうでございましたか。」

 執事は俺から本を受け取ると、「失礼致します」と言い部屋を出ていった。


「やっちゃったかな?まぁなんとかなるかな?だめかも?」

 コップに残っていた、ジュースを飲み干し眠くなったので、今は諦めて寝ることした。


 エリスが寝ていた頃本を持ってきた執事はヒューザに話していた。


「それは、本当なのか?エリスが魔獣図鑑の本を読んだって言うのは。」

「はい、旦那様、エリス様ご本人がそう仰っていました。」

「ふむ、それが本当ならエリスもαの可能性があるな。」

「左様でございます。」

「だが、困ったなもし仮にエリスがαだとすると、他の公爵家にΩはまだ産まれていない、皇族の子供らは皆αだから、婚約者が居なくなってしまうな。」

「旦那様、まだ、エリス様の二次性は判明しておりません、先の未来をここで、悩んでいても仕方がないかと。」

「それもそうだな、まぁ最悪侯爵家の子供に頼るとしよう、にしてもあの可愛いエリスが魔獣の本を読むとは、家庭教師を早めるべきか?」

「それは早計かと思われます、まずはエリス様をのんびりさせてみてはいかがでしょう。」

「そうだな、急ぎすぎては何も上手くいかないからな、今はエリスの成長を見守るとしよう。」




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