第5話 にぃさまに婚約者?!
あれから何度かハルトの剣術の見学して、俺も近くにあった木刀を振ろうとしたら、盛大に先生ニラ叱られてしまった。
「ダメですよ!エリス様、お怪我をしてしまいます。」
「そうだぞ、エリス、もう少し大きくなったら俺と一緒にやろうな!」
そう言われ少々眠くなってきた俺は、先生に一言謝罪して自室に戻った。
昼寝をし終えて、おやつと飲み物をメイドに頼み、日課の絵本を読んでこの世界の情報収集を欠かさない。
「じょーほーはぶきになるって、だれかがいってた!」
1冊の絵本を読み終えた時に部屋の扉をノックする音が聞こえた。
「エリス様、お飲み物とお菓子をお持ち致しました。」
「どーぞー」
「失礼致します。では、こちらはテーブルの上に置いておきますね。」
メイドは、コップに飲み物を入れ退室した。
「さて、つぎは、なにをよもーかな。」
ふと思う、今まで読んできた中で有益だったのは、二次性と魔力の絵本だけだった、他は前世でも似たような話の絵本ばっかり。
「(参ったな、だけど、難しい本をこの歳の子供が読んでたら不思議に思われるだろうし、どうしたものか)まぁーしかたない、つぎのえほんよも。」
お菓子をつまみながら飲み物を飲みながら、絵本を読み続け気づいたら寝落ちしていた。
「えほんに、かかってなくてよかったぁーそういえば、ぼくっててんせい、したんだよね?たしか、どうきの、しみずくんがいせかいてんせいものの、しょーせつよんでたな、ぼくあまり、きょーみがなかったから、くわしくきかなかったけど、このせかいも、しょーせつのせかいなのかな?」
そう、俺は、この手の話には疎くてまったくついていけなかった、唯一見たものは額に傷がある某魔法の話だったので、派手な魔法に期待したけど、蓋を開ければちょっと残念だけど、魔法が使えることには変わりないので良しとしよう。
耽ってると扉が叩かれ、アルバが入ってきた。
「エリス、遅いから心配しちゃった、迎えに来たよ、さぁ食堂に行こ。」
アルバの手を握り歩き出した俺たち、だけど、アルバの顔は悩んでいそうな顔していた。
「アルバにぃさま、なにか、なやみごとですか?」
「え?あーあ、エリスには、バレちゃったか、実はね先日、父上が学生時代仲の良かった伯爵家の当主が我が家にやって来てね、その時ご令嬢も一緒だったのだけど、その・・・ご令嬢に一目惚れしてしまってね、どうしたらいいのか悩んでしまってたんだ。」
「え?!アルバにぃさま、すきなひとができたんですか?」
「まぁ、そうだね、エリスは可愛いし好きだけど、あの方は綺麗だったなぁ。」
「アルバにぃさま、そのかた、おなまえはなんですか?アルバにぃさまがおてがみ、かかないのなら、ぼくが、かわりにかきます!」
「え!?ふふっエリスは可愛いね、ご令嬢の名前はヨルナって言うんだよヨルナ・ラルート。」
「アルバにぃさまは、そのかたが、おすきなんですよね?でしたら、すきですっておてがみに、かいたらいいとおもいます!」
「それもそうだね、ありがとうエリス。」
アルバは小さくなった俺の頭を撫でてくれた、なんだろ、この感じとても癒される。