第1話 転生しました。
途中視点が変わります。
俺は生まれた時は幸せだったのかもしれない。だけど、俺が幼稚園にあがった頃両親の喧嘩が頻繁に起こり、父は母や当時園児だった俺に手を挙げ、そして家を出ていった。
小学生にあがったら母は父に似てきた俺に対して嫌悪し始め育児放棄。洗濯の仕方なんて分からない俺は学校ではいじめの標的にされた。
大人になり、社会の歯車の1つとして真面目に働いていても俺に不運は襲いかかる、高卒で入社して同じ会社で10年以上荒波立てずに働いていたのに直属の上司からいきなり会社のお金を横領したと疑いをかけられ会社をクビになり、就職活動中にやってもいない痴漢にされた。
そんな俺は人生に疲れてしまった。
「はぁ、なんでこうなるんだ、俺はただ幸せに生きていきたいのに、いっその事誰にも見つからない場所で死にたい。」
そう決意した俺は、1人山奥に来ていた。
「生まれ変わったら幸せになりたいな。」
そんな淡い期待を胸に抱き俺の人生は終わる一瞬「その願い叶えましょ」と女性の声が聞こえた気がしたが、幻聴だと思いそのまま二度と目を開けることは無かった。
はずだった。そう、はずだったのだ、なのに俺は生まれ変わってしまっていた。
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豪華な部屋に元気な泣き声が聞こえ、30代の男性と10歳と8歳の男の子が入ってきた。
「お母様弟が産まれたのですね!」
「兄様俺にも見せてください!」
長兄のアルバが産まれたばかりの赤子に近づきベビーベッドを覗き込むように見ていて、その後ろから次兄のハルトが言ってきた。
「お前たちアズは疲れているから静かにしなさい」
母親のアズの事を心配して兄弟たちに注意を促す父親ヒューザ
「2人とも静かにね、旦那様無事に産まれました、この子にも名を与えてあげて下さい。」
ベビーベッドから赤子をすくい上げ父親のヒューザに渡す。
「そうだな、この子はアズにそっくりだな、そーだな・・・エリスと名付ける」
エリスそれが今世の俺の新しい名前。
優しそうな両親に産まれたばかりのエリスに可愛い可愛いを連呼する長兄アルバと次兄ハルト。
俺は今世こそ幸せに生きていきたい。
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転生して2年が立つ、俺は母親と顔立ちが似ており家族から溺愛されていた。
「エリス、お兄様が遊んであげる!」
「兄様狡いですよ、俺もエリスと遊びたいです!」
「おにぃさま、さんにんで、あそぼ」
俺はまだ、この名前には慣れてないけど、この世界では普通なようだ、母親は美人だったから俺は将来美少年になるに違いない
「なんて、可愛いんだ!エリス」
「そうですね、エリスは誰よりも可愛い!」
兄弟2人からの可愛いの言い合いを聞きちょっぴり嬉しく思うエリス。
兄弟3人の遊びは使用人が扉をノックするまで続き、俺たちは食事をとる為に食堂まで歩いていた。
「エリス、今日は沢山遊んだから眠いだろ?」
「はい、アルバにぃさま、ぼくちょっとねむいです。」
「アルバ兄様、エリスを俺が抱っこして食堂まで連れて行こうか?」
「うーん、エリスどーする?食堂まで歩ける?」
「ハルトにぃさま...だっこ」
俺は幼児退行してしまったようで、食堂までの距離を次兄に抱き抱えてもらった。
「くっ、僕にエリスを抱き抱えるだけの力があったら。」
「まぁまぁ、アルバ兄様は次期公爵なんだし、領地の警備は俺が担当するから、兄様は領地運営を任せるよ。」
「そういえば、ハルトお前また、勉強から逃げたらしいな、家庭教師が怒ってたぞ。」
「俺はじっとしてられないので、勉強なんかより、体鍛えていた方がいいので。」
「そうは言ってられないぞ、そろそろお前の二次性の検査があるだろ?まぁ多分αだと思うが、二次性検査が終われば社交界デビューだぞ?」
「そうでした、ダンスしないとなんですよね....嫌だなぁー」
2人の会話を寝ぼけながら聞き流していた。
「(二次性...?α...?なんの事だ?)」
食堂に着く頃には俺は完全に寝落ちており、メイドの1人が俺を部屋まで連れて行ってくれた。
アルファポリス様にて先行して投稿してます。