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分散から集約へ

 現在ネットへの常時接続環境は当たり前のものになり、通信速度が上がった事で各個人のデータはクラウドに保存するのが普通になって来た。更なる通信速度の向上で、今度は個々の機器の計算能力やOSもリモート化されることになるだろう。


 コンピューティングを一か所に集中させる事の危険性から、全体として機能できるようにと作られたインターネットだったが、ここに来て逆に集約へと方向性が変わってきたのかもしれない。


 しかしこれはまた逆に集約される事での危険性を高める事になるのではないか?



 20XX年。国の境界は土地に引かれた仮想の線ではなくなった。


 各国が用意したクラウドと中央演算装置にアクセスする権利の単位が国を形作る。不毛な民族差別や資源の奪い合いによる戦争は無くなった。各地に眠る物理的資源は人類共通の財産となり、開発や生産に向けて注入された資本に対して、その見返りが供給されている。

 食料生産やほぼすべての製品生産は自動化されAIが管理している。飢えるものなどいなければ、全人類は労働から解放され快適な生活が約束されている。しかし貧富の差が無くなることはなかった。


 富める者は相変わらずに支配を広げようとしていた。そこには意味や意義などは無い。ただ欲望があるだけだ。しかし人々は生活の心配がない以上、エネルギーも食料も金銭でさえも支配を広げる決め手にはならなかった。


 支配に使われるのは思想と娯楽である。宗教や思想が支配に使われるのは昔ながらだが、音楽や漫画、ゲームなどの娯楽用コンテンツもそのまま支配力へと繋がるのである。

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