表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/51

お家を買いに商業ギルドに行って見た。えっ、予知能力・・・?

5話目


 ーーー サイド アンジー ーーー


 【白虎亭】の食堂で朝食の野菜たっぷり、肉たっぷりのポトフ風スープと白くて柔らかいパン、別メニューで注文した、私達には定番のサイドデザート、果物たっぷり入ったドデカヨーグルト。朝からがっり食べます。


 お腹いっぱいです。


 部屋に戻って出掛ける用意をします。


 昨日考えた家を買う事を2人に話したところ、思いの外食いつきが良くてビックリ。


 今日の予定が決まりました。


 先ずは、商業ギルドに行ってみる事にします。


 商業ギルドは王都に向かう時に使う南門の近くの中央広場に有る大きな建物です。


 チョット距離が有るので乗合馬車で行きます。


 この都市は道に石畳が敷かれているので安心して馬車に乗れます。


 いつの間にか馬車には板バネが装備されていて揺れも少なくお尻も痛くなりません。快適です。嬉しいですね。


 商業ギルドは大きくて立派な建物なので、チョット気後れしてしまいますが。家を買うならギルドに頼むのが一番安心です。


 1階玄関ロビーに沢山有る受付に、行儀良く並んで順番を待ちます。


 順番が来たので「すみません。」と話しかけると。私達を見た受付のお姉さんは、「あら?あなた達、グレアム君の幼馴染のアンジーちゃんとサーニンちゃんとマックスちゃんよね。」と、言って来ました。


 「えっ?」


 グレアム君が有名なのは分かりますが、何故、私達の名前を知っているのでしょうか?


 あれよあれよという間に2階の奥の豪華な部屋に通され、ジュースとお皿に山盛りにされたお菓子を出され、直ぐに担当の者が来ますのでお待ち下さい。と言って案内してくれた受付のお姉さんは退出して行きました。ポツンと残された私達は居たたまれない気持ちで一杯です。


 いや、まあ、私以外はお菓子とジュースを食べるのが忙しい様で、気になどしてませんが。


 ぶれなくて、羨ましい限りです。図太いわぁ。流石です。


 私まだ要件も言って無いよね。何でこんな豪華な部屋に通されたの?


 謎ですぅ。


 不安いっぱいです。


 うううっ。


 涙が出そうです。


 胃が痛いです。


 ・・・・・。


 もう帰っても良いですか?


 ノックの音と共にガチャリとドアが開き2人の人間が入って来たのは、サーニンとマックスがお菓子の山とジュースを食べ終え、私のジュースにターゲットを向けた頃でした。


 長かったのか短かったのか全然分かりませんが、多分2人の食べる速度と飲む速度を考えると短かったんだと思います。


 私の気持ち的には1時間ぐらいに感じられましたが。


 「お待たせ致しました。お菓子とジュースお代わりいたしますね。」とニコニコ顔でテーブルの上を見て言います。「気に入って貰えて良かったです。」とまで言っています。


 ギャー。


 サ「美味しかったです。是非お願いします。お代わりプリーズ。」


 マ「プリーズ。」


 2人は嬉々としてお代わりを要求されています。


 やめてーっ。恥ずかし過ぎる、私の顔は真っ赤です。


 直ぐに運ばれて来たお菓子の山とジュースに飛びつく2人を放って置いて、本題に入ります。


 と言うか、商業ギルドの2人が勝手に話を進めて行く感じですが。


 私はええ、とか、ハイとかしか喋って無いですぅ。


 それでもちゃんと私達の用事は済みました。


 家を手に入れました。


 結論から言えばまた、グレアム君の仕業です。


 私達がお金を持ったら次に手に入れようとするのは家だと予想して先回りして手配しておいたのでした。


 冒険者ギルドに近く、尚且つ【白虎亭】に近い所を確保してくれているそうです。


 私達が【白虎亭】の食事から抜け出せないの迄、見透かされています。


 ・・・・・。


 女の子が3人も居て食事が作れないって・・・。ダメダメです。


 「本日は家の購入の件でいらしたと言う事で宜しかったですね。」


 領都ザザビーズの商業ギルドの支店長の言葉から始まった会話は最後まで途切れることなく、必要な書類に私がサインして終わるまで続きました。


 物件の実物も見ないでサインするなんてって思うでしょうが、何しろ貴族が住む様な広大な土地に有るどデカい建物なんてどんなボロくても良いです。


 極めつけはお金先払いで貰ってます。と来たもんだ。


 おいおい。


 どんだけ私達を甘やかすつもりだ。あいつは!


 「ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております。」

 と、支店長を筆頭に10人位の従業員に並ばれ、建物の正面玄関の前で お見送りをされていた。


 お礼を言うのはこちらの方ですぅ。と思いながら、お菓子の詰め合わせをおみあげに貰い、ほくほく顔の2人と私を乗せた豪華な特別馬車で送ってもらった先は・・・。


 高い塀に囲まれた貴族屋敷のどデカい門の前した。


 何本もの鍵の束を渡され帰って行った馬車を見送り。


 ・・・・・。暫く無言で佇んでしまいました。


 お~い!連れて来る所を間違っているよ~。


 心の中の突込みにも力が入らないですぅ。


 私達はお屋敷の門の中にも入らずに、そのままトボトボと歩いて【白虎亭】に戻るのでした。


 もうね、気力が湧かなかったのですぅ。


 お菓子のおみあげを貰っている2人は文句も無く宿に向かいます。


 まあ、昼どきですが。お菓子をあれだけ食べた2人が昼食を食べられるか分からないですが。私もそれ程食欲が無いのですが1階の食堂に入ります。


 厚切りフレンチトースト3枚、ポテトサラダ乗せトマトとレタスの山盛りさっぱりドレシング掛けサラダと、コンソメぽい透き通ったスープ。極めつけは特別注文のバニラアイス果物添え大盛り。


 食べました。食欲無いのなんか吹っ飛びました。


 お腹いっぱいです。


 幸せ。


 今から夜の食事が楽しみです。


 何はともあれ、今はまったり食休みです。


 お疲れ様でした。

ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ