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 それは、アンバーが十七歳のデビュタントを終えたころ。


 王宮勤務を目標としていたため気合を入れて用意した国王陛下への「初めの挨拶」が話題になってしまい、求婚の数に辟易としていたころのこと。


 父であるポラドル伯爵自身が強く勧めてきた縁談に、アンバーはこう言い放った。


「私、王宮で女官として務めたいと思っております。なので、生涯独身で結構です」


 今回こそは自分の能力を思う存分発揮したい。


 それは、アンバーが前世を思い出した時からの強い思い。


 たとえそれが男性社会のこの国で、女性が個人の才覚を発揮できる仕事の門戸が非常に狭いものであったとしても。そしてその女性が唯一政治にかかわって働ける仕事が王妃を含めた女性王族全般を管理する「女官」で、条件の一つが「独身」だとしても、揺らぐことのない強い思いだった。


 当然一人娘を独身にしておけない伯爵家としては大問題であった。

 というか、孫を楽しみにしていた伯爵には寝込む程の大問題で、そんな伯爵を愛する伯爵夫人には溜息で老け込む程の大問題だった。


 それでも、努力家な娘が十八歳で王宮の採用試験に合格したのを、両親は無下にはしなかった。


 とりあえず三年の時間をアンバーにくれたのだ。

 三年たてばアンバーは二十一歳。

 ギリギリ結婚適齢期である。


 それまでに女官としての地位を確立できればアンバーの希望通りに。できなければ両親の決めた相手と結婚することになる。


 そして、今年で二年目。


 第三王太子妃の筆頭補佐官となったアンバーは、見事自分の希望をかなえていた。

 そのはずだった。


こんなところまでお読みいただきありがとうございます。

幕末時代劇の連載の合間に、娯楽で転生物を書いておりました。

あんまり難しいことを考えないで書いているので、さらっと気軽に読んでいただけると嬉しいです。


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