別の領地による粗悪品ポーション事件
「え!? 粗悪品のポーションを売ってる領地がある!?」
「うん。 さっきギルドにそこから逃げて来た冒険者さんパーティーが来て、そんな話をギルド長にしていたのを聞いたの」
アリアをホワイトリリーのメンバー兼僕の嫁として迎えて一週間。
ポーションやクッキーの作成もアリアと一緒なので順調に進んだ。
そして、今日の分のノルマを終わらせた後で、ルゥリが来て僕とアリアにそのような話を聞かされた。
まさか、粗悪品ポーションを作ってる所が出て来たとは……。
「アリア、クラリス様にも聞いてみて。 クラフトギルドにも伝わってるかどうか」
「はい、聞いてみます」
そこで、アリアに王都のクラフトギルドに聞いてと伝えた。
アリアはすぐに水晶玉を用意し、魔力を流してクラフトギルドにアクセスする。
「それで、その冒険者はどこから逃げて来たのか分かる?」
「んと、ギルド長に教えてもらった所、バーレル男爵領から逃げて来たって」
「バーレル男爵領……か。 確かアーネスト王国の最北端にあるバーレル男爵が治めている領地だって聞いてるけど……」
「はい。 一昨日の両親の話によれば、あそこもゲズランドの思想に染まってると言ってましたね」
ルゥリ曰く、逃げて来た冒険者は、アーネスト王国最北端のバーレル男爵領から逃げて来たらしい。
そこにクラフトギルドへの確認を終えたアリアがこっちの話に再度加わる。
その際に、アリアは一昨日ここに来たセレティア家の両親からバーレル男爵がゲズランドの思想に染まった貴族だと言った事を思い出していた。
「それでアリア、どうだった?」
「王都の冒険者ギルド経由で先程知ったようです。 対策を練るそうです。 あと、念のため錬金術師の部屋をチェックするそうで」
「そうか……」
アリアによると、王都のクラフトギルドも先程知ったばかりなようで、錬金術師の部屋をチェックするようだ。
対策も同時に講じるそうだが、もしかしたら、クラフトギルドの錬金術師の誰かが攫われたのかも知れない。
クラリス様の結界は多重に展開されているが、ゲズランド思想に染まった輩はそれを破るための何かを持っているかもしれないから、油断は出来ない。
何せ、女神様に近いとされる錬金術師や聖女を消そうとする連中だからね。
「ちなみに粗悪品はどんなものなんだ?」
「本来の回復効果が得られず、利尿効果が倍増だとか。 ものによっては毒に侵されるって……」
「うわぁ……」
「冒険者にはトイレ問題がつきものなのに、それを飲まされたら……」
なお、ルゥリから聞いた粗悪品のポーションは、内容にもよるが大まかに回復効果が薄れる、さらにトイレが近くなる、毒に侵されるが多いそうだ。
冒険者は、トイレ問題が付きまとうのに、その粗悪品ポーションを飲まされた人たちはたまったもんじゃないだろう。
「多分だけど、そこから錬金術師に対するヘイトを与えるんじゃないかって、ギルド長が言ってた」
「なる程、粗悪品が作られたら、錬金術師なぞ信用できんとかになるか」
「ポーションは錬金術師しか作れませんからね……」
何故そのような事をするかに関しては、ルゥリは粗悪品ポーションを通じて錬金術師に対するヘイトを与えるのではと予想している。
ポーションが錬金術師にしか作れないため、粗悪品を持ち出された冒険者は錬金術師に対する印象は確実に悪化する。
ゲズランド思想の者は、まずそれをしようと言う訳か。
ゲズランドは、女神様に対する憎しみを持っていて、錬金術師や聖女などの女神様に近い職業を排除したがってたしな。
「ゲズランド思想を抱いているのは、一部の貴族ですからね。 王族としては厄介でしょうね」
「多分……。 ルゥ、教えてくれてありがとうな」
「ん……♪」
「あぁ、目を細めてるルゥちゃん可愛い……」
今回の事を教えてくれたお礼にルゥリの頭を撫でる。
嬉しそうに目を細める彼女にほっこりしているアリア。
ルゥリは16歳だが、小柄だからなぁ……。
とにかく、今の僕達には対策のしようがないので、普段通りにポーションを作りしかないのだ。
クラリス様から報告や対策が伝えられたら、それを実行しようとは思うけどね。
そんな報告から3日後、とんでもない内容がクラリス様から聞かされることになる。
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