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久しぶりの再会

「ここで彼女達が待っているわ。 私が先に入って一言告げてくるから待っててね」


「はい」


 クラリス様と一緒に案内された会議室。

 錬金術師のカウンセリング的な面談にも利用されているこの場所で、僕を知るあの6人の少女が待っていると言う。

 クラリス様が先に入って、これから僕と面談する旨を告げるので、少しだけ待機する。


(まさか冒険者になっていたとはね。 しかもたった1年で(ダブル)(エー)ランクにのし上がる程の実力を得てるとは……)


 待機中に、僕はクラリス様から渡されたホワイトリリーを立ち上げたあの6人について思い出した。

 孤児院時代のあの子達は、面倒を見ていた僕に懐いてくれており、甘えん坊だった。

 そんな中で、ルゥリは人一倍僕に甘えていたのを思い出す。

 両親がいなくなって寂しいのか、捨てられたのかは分からない。

 でも、ルゥリは誰よりも僕に甘えて来た事は事実だ。

 よく一緒に寝たり、一緒に風呂に入ったり、一緒に散歩をしたりしてあげていたからね。

 他の5人は、ルゥリの事情を知っているのか、あまり苦情を言ってこないのが救いだったかな。


「お待たせカイト君。 さ、入って」


「あ、はい」


 そんな事を思い出していたら、クラリス様がドアからひょっこり顔を出した。

 一言告げ終わったようで、そろそろ入っていいらしい。


(いよいよ……か)


 総合学校を卒業してから、例の置き去り事件で世界を騒がせた後で、どれくらい引きこもってたかは分からない。

 だが、久しぶりに冒険者となった6人と再会する。

 期待と不安を胸に抱きながら、僕は会議室の中へと入る。


「お兄ちゃん!!」


「うぼぁっ!?」


「あっ、ルゥちゃん!?」


 僕が会議室の中に入ったと同時に、その姿を見たひとりの少女が僕に思いっきり抱きついて来た。

 その際に腹部にダメージを受けたのか、変な声を出してしまった。


「この甘えっぷり、やっぱりルゥか」


「んみゅ。 やっとお兄ちゃんに会えた……!」


 抱きついてすぐに僕の胸に埋めて頬ずりするこの甘えっぷりにその少女がルゥリだと理解した。

 僕がルゥリの愛称を言うと、上目遣いのように顔を見上げては、嬉しそうな笑顔を浮かべる。

 この可愛さは、あの時から変わっていなかった。


「ごめんね兄さん。 ルゥちゃん、ずっと兄さんに会えなくて寂しかったみたいだから」


「大丈夫だよ。 カレンも久しぶり」


「うん、久しぶりだね。 5年ぶりかな。 兄さんの事は孤児院経由での半年に一度の手紙を見てはいたけどね」


「5年……か。 なかなか顔を見せられなくてごめんな」


 ルゥの頭を撫でながらカレンにも挨拶をする。

 カレンは幼少時と違い、顔写真と同じくボブカットとなっていたが、雰囲気は変わらないままだ。

 しかし、5年か……。

 いつの間にかそんなに時が流れていたのか……。


「仕方ないよ。 お兄ちゃんが総合学校を卒業して、クラフトギルドに入ってすぐにあのニュースがあったから……」


「私達が丁度総合学校に入る11歳の頃でしたからね、あの事件は。 それが原因なのか世界中の錬金術師は冒険者に対する恐怖心が芽生え、国の政策も重なって、錬金術師はクラフトギルドの中に引きこもることになりましたしね」


 5年間顔を見せられなかった事をカレンに謝罪するが、剣士のセリナと回復術士のフィーネは仕方ないと言ってくれた。

 やはりゲズランド王国が起こしたダンジョン内での錬金術師置き去り事件を始めとした錬金術師排除のニュースは、セリナ達にも知られてたようだった。

 それによる世界中の錬金術師たちの冒険者に対する感情と各国の政策によって、錬金術師たちが各国の王都や首都にあるクラフトギルドに引きこもることになったのも知ったようだ。


「でも、お兄が元気そうでよかったよ」


「うん。 手紙だけじゃちょっと心配だったしね。 まぁ、国も絡んだ特殊な事情だしね」


 斥侯(スカウト)のエリスと魔法剣士のアルマも僕の姿に安堵する。

 手紙だけではいささか不安があったのだろう。

 それでも、国が絡んでる事情だったのは知ってたようで、そこから先は言う事はなかった。


「じゃあ、最終確認を始めましょうか。 ルゥリちゃんはそのままカイト君の隣でね」


「はい」


「うん」


 ルゥリをそのまま僕の隣に座らせたまま、クラリス様は最終確認を始めると言った。

 手続きとか色々あるのだろう。


 とはいえ、僕の意思はもう決まっている。

 5年の空白を埋めるために、彼女達と一緒に外で歩んでいきたいから。



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