幕間③~アリア・セレティア(後編)~
今回も幕間です。
それからの私は、カイト先輩の元で一緒に錬金術の勉強をしつつ、自分のクラスの授業にも臨んだ。
今まで上手くいかなかったのが、カイト先輩が教えてくれたり悩みを聞いてくれたりしたおかげで、色々と上手く行ったのだ。
成績も下位から数えた方が早かったのが、上位に食い込むようになったので、担当の先生も驚いていた。
「せんぱい! 私頑張りました!!」
「うん、成績順位表をみたよ。 頑張ったね、アリア」
「えへへ♪」
12歳になった時の前期テストで、上位に食い込んだのをカイト先輩も見てくれてたようで、その際もカイト先輩に頭を撫でてくれたし、褒めてくれた。
この時の私は、すごく嬉しかったのは今でも覚えている。
「丁度お昼だし、一緒にご飯でも食べようか?」
「はいっ♪」
前期テストの成績も見終わったので、先輩と一緒にお昼ご飯を食べに行く。
実は、先輩とあの自習室で出会ってから、よく先輩とご飯を一緒に食べるようになった。
何故なら、先輩と一緒にいると楽しいから。
この時から、私は先輩のことが好きになったのだ。
それでも先輩は15歳になったら卒業をしてしまう。
その上、この当時に起こったゲズランド王国の事件で錬金術師は卒業後には、王都のクラフトギルドに籠る事を強いられる。
それは私も同様だった。
先輩の卒業から2年後には私も上位の成績を保ったまま卒業したが、クラフトギルドに別のグループとして籠ることになり、先輩と出会う事すら叶わなかった。
アーネスト王国による対応策の一環ではあるのだが、長年引きこもりを強いられるのは、私自身苦痛だった。
何せ、家族に会う事すら許されなかったのだから。
クラフトギルドのギルド長を務めるクラリス様曰く、家族が何とか規制の緩和を申し出ているとは言ってくれてるが、芳しくないとも聞いた。
やはり、ゲズランドの思想が、一部の貴族にも浸透し始めている事も原因となっているようだ。
王都の学校にも、錬金術のカリキュラムを作ろうとしたが、一部貴族からの反対で実現できなかったのも、この思想を抱える貴族の存在が原因だとも教えてくれた。
外に出る事すら許されず、中に引きこもりながら、指定されたポーションやクッキーを作るという機械のような行動を繰り返して過ごして3年後。
ある場所で、先輩がホワイトリリーという冒険者パーティーにスカウトされたという話を聞いた。
これを聞いた私はすごくショックを受けた。
二度と先輩に会えないと思ったからだ。
ショックを受けながら繰り返しの作業をして、さらに1ヶ月後に私にもスカウト要請があるとクラリス様が知らせてくれたのだ。
しかも、スカウトの相手は先輩がスカウトされた先と同じ【ホワイトリリー】。
そして、クラリス様からメンバーリストを渡しながら教えてもらった内容を知り、今に至るのだ。
「アリアちゃん。 どうする? 家族にも会えるチャンスだし、カイト君と一緒に作業できるよ」
「はい! もちろん、受け入れます。 先輩にもお姉様や家族にも会いたいですし、セリナちゃん達を一目見たいです」
この時の私は、この選択に後悔はしなかった。
何せ、先輩にも家族にも会えるから。
そして、大好きな先輩と一緒に仕事が出来ると言う事も決め手となった。
「じゃあ、早速会議室に向かうね。 カイト君やホワイトリリーのみんながそこで待ってるし」
「分かりました!」
この時の私は笑顔だったのだろう。
嬉しさを隠し切れずに、私はクラリス様についていったのだった。
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