ユリウスの森へ
「みんな、分かってるね? 【ユリウスの森】で素材を採取するお兄ちゃんの護衛とそこでの採取依頼を同時にこなすからね」
「ん!」
「「「了解」」」
「任せて!」
準備を終えてアトリエに集合したセリナ達。
ルゥリ達に今回の目的を再度確認しているようだ。
目的は【ユリウスの森】での素材採取だが、僕もそこで淡水を採取するのでその護衛も同時にしてくれる。
セリナの一声にみんなの気合が入る。
特にルゥリは僕の傍で守る気満々だ。
「そういえば、セリナ達が受けた採取依頼というのは?」
「淡水が採れる湖の周りに生えている【ブルーハーブ】だね。 これもクラフトギルドからの依頼なの」
「ああ、ひょっとして強化系ポーションの材料の草か?」
「そうそう。 お兄ちゃんは錬金術師だから知ってるんだね」
「向こうで一応作った事はあったからね。 でも、あれはトイレが近くなるから、周辺の魔物討伐くらいしか使い道がないはず。 あまり店でも売られてないんじゃないかな?」
「うん。 今年卒業してクラフトギルドに入った人に向けての研修用みたい」
出発前に僕はセリナに、受けた採取依頼の事を尋ねた。
どうやら、僕の目的である【ユリウスの森】の中にある湖の周りに生えている【ブルーハーブ】だった。
当然ながら、クラフトギルドからの依頼だそうだ。
これは、強化系のポーションを作るための材料の一つで、出来上がるのは確か【パワーポーション】という腕力を強化する薬だろう。
ただ、これは他のポーションよりも利尿作用が強く、あまりおすすめできない。
それに回復術士がいれば、強化系も使えるのでその人を組むほうがいいとさえ言われる。
とはいえ、錬金術師である以上、一度は作成しないといけないのだ。
僕もそれをクラフトギルド内で作ったことがあるが、それ以降は作ってない。
「じゃあ、出発ー! 目指すは北東の近場の【ユリウスの森】!」
「「「「「おー!!」」」」」
再度、セリナの掛け声で気合を入れたルゥリ達は、僕と一緒に【ユリウスの森】へ向けて出発するのだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「ここが【ユリウスの森】だよ」
「本当に徒歩で20分程度で着いたんだな」
「うん。 近場故に、総合学校卒業後にアローウィルで冒険者になったばかりの人向けとして有名なんだよね」
「ボク達も最初はここで採取依頼を受けたり討伐依頼を受けてたんだよ」
街を出て、確かに北東に徒歩20分でたどり着いた【ユリウスの森】。
セリナ曰く、この森は総合学校卒業後に冒険者になったばかりの人向けの場所らしい。
孤児院時代は街の外に出なかったから、この場所には初めて訪れる。
彼女達は去年、冒険者デビューしたての時に訪れたようで、採取依頼の際はここをメインに来るらしい。
「故に魔物もそれなりにいるし、お兄ちゃんを守りながら湖へ進むよ」
「うん」
「了解!」
セリナの指示にアルマとカレンが頷く。
この三人は、前衛系だから特にその役割が強いのだろう。
斥侯のエリスと後衛のフィーネとルゥリは僕の傍にくっついている。
森の中ゆえに、魔物もそれなりにいるようだし、仕方がないのかな。
僕は自衛程度の力しかないし、攻撃用の魔道具も持っては来ているが、少ないしね。
「さぁ、森の中に入るよ」
そして、いよいよ森の中に入る。
出来るだけ、魔物と遭遇しないことを祈りたいが、そういうわけにはいかないだろうなぁ……。
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