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リフォームされた孤児院にて(前編)

今回も短いです。

 リフォームされた孤児院は、本当に様変わりした。

 現在は、外で子供たちが元気いっぱいに走り回っている。

 

 そんな子達も、昔の僕やセリナ達と同じく親に捨てられたり、親を殺されて孤児(みなしご)になってしまったのだ。

 院長さんは、そんな僕やセリナ達を優しく育ててくれた。

 そのおかげで今の僕達があるのだから……。


「お兄ちゃん、行こ」


「あ、うん」


 ルゥリに手を引っ張られるように、僕は孤児院へと入っていく。

 セリナ達は、既に孤児院の敷地内に入ったようだ。


 前もってセリナ達が話をつけているとはいえ、流石に不安が燻る。

 

「院長さん、カイトお兄ちゃんを連れて来たよー」


 施設の入り口で、セリナが声を掛ける。

 すると、ドアが開き始める。


「ああ、カイト君……!」


「お久しぶりです、院長さん」


 やや老いた感じの風貌だが、優しさあふれる女性がそこから現れ、僕を見て感極まった。

 この人が、この孤児院でお世話になった院長さん。


 フルネームは、リンジー・ファーレンスである。


「すみません、卒業した後、なかなかここに来れなくて」


「いえ、事情は仕送りの際に入っていた手紙で分かってます。 今は亡きゲズランドによる悪業による影響でしょう?」


「ええ。 でも、セリナ達が冒険者として頑張ってくれたおかげで、スカウトを受けてここに戻りました」


「あの子達もすごく立派になってましたね。 今でもここに支援をしてくれてますし」


「引き取ってもらった恩もありますからね」


 リンジー院長と僕は、色々と話をした。

 彼女も僕が、総合学校卒業後、クラフトギルドから出られなかった原因は理解していた。

 錬金術師であるがゆえに、ゲズランドが起こした事件が未だに国自体が尾を引いているのだと。


 セリナ達には改めてお礼をしないといけないなと思うようになった。


「さて、中に入りなさい。 お茶とお菓子を用意しますよ」


「では、お邪魔します」


「院長さんのお菓子、お兄は久しぶりだよね」


「うん。 だから楽しみかな?」


 リンジー院長が、僕達を中へと入るように促した。

 中でお菓子とお茶を用意してくれると言う。


 エリスにも言われたが、僕はリンジー院長が作ったお菓子を食べるのは久しぶりなのだ。

 あの時の味を久しぶりに味わえる。


 そう思うと楽しみで一杯なのだ。


「お菓子とお茶をもてなした後、少しでいいので子供たちとも触れ合ってあげて下さいね」


「昔と違って自信はないですが、やってみます」


「ルゥがフォローするから、大丈夫」


「うん、ルゥ達のフォローも頼らせてもらうよ」


 そして、リンジー院長から今の子供たちとも少しでいいから触れ合って欲しいと頼まれた。

 セリア達と違い、今の僕が行っても懐いてくれるのかが不安だが、ルゥがフォローすると言ってくれたので、彼女達にも頼らせてもらうとしようかな。


 そんな事を考えながら、僕達は新調された院長室へと向かうのだった。



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