公爵令嬢と防具屋で(後編)
「伯爵以上の貴族が通う王都の学校は、あくまでも宮廷魔術師や騎士を目指すための学校だから、錬金術師は元からカリキュラムに含まれてなかったんですよ」
「ああ、それで……」
「確かに、錬金術師が女神様の加護をふんだんに受けたジョブだといっても、上位の貴族がなるっていうのは聞いたことがないですものね」
後輩のアリアがシルビア様の妹で、同じ公爵令嬢だと知って驚いた僕をよそに、シルビア様は話を続けた。
どうも上位の貴族が通う王都の学校は、錬金術師にまつわるカリキュラムが元からなかったという。
あそこは、宮廷魔術師や騎士を育てる学校だから。
アルマもそこには納得していた様子だった。
確かに、いくら錬金術師が女神の加護をふんだんに受けたといっても、上位の貴族がそのジョブの素質を持っているというのは聞いたことがない。
だが、セレティア公爵家の娘の一人のアリアが錬金術師の素質を持ったと判明。
王都の学校では、そのカリキュラムが無いために、アリアを身分を隠して総合学校に入学させたわけだ。
総合学校なら、錬金術師のカリキュラムも受けられるからな。
「そんな中で、カイト様に出会って錬金術師の授業も楽しくやれたって言ってましたね」
「あはは、そう言って貰えれば先輩としては嬉しいですね」
アリアはやはり僕のおかげで楽しくやれたという。
それに関しては、先輩として誇れるかな?
「だけど、卒業後はクラフトギルドに引きこもらざるおえない感じでしたよね」
「ええ。 ゲズランドの件が尾を引いて、王家が取った対策としてそうなってます」
「私達は最近、カイトお兄ちゃんをスカウトしたばかりですからね。 1ヶ月は間を開かないと他の錬金術師をスカウト出来ないルールですし」
「それで構いませんわ。 ぜひともアリアもスカウトしてあげてくださいね」
「面談が通るかは向こう次第ですけど、何とかします」
「頼みますね。 卒業後、あの子からの連絡がないのが心配で。 一応、両親が王家に請願してはいますが」
「むぅ、厳しいかも。 今でもゲズランドの生き残りが潜んでいるかもしてないし……、何より冒険者の思想はピンキリだし」
アリアも卒業後は、クラフトギルドに引きこもらざるおえない状況になっている。
未だに王家がスカウト以外では外に出さないようにしているらしい。
何せ今でもゲズランドの生き残りが冒険者になりすましたりしているし、冒険者自体の思想もピンキリだ。
それにホワイトリリーは、僕をスカウトしたばかりなので、最低1ヶ月は経過しないと他の錬金術師をスカウトできないのだ。
それでもシルビア様は、アリアの事を心配しているので、ホワイトリリーにアリアのスカウトをお願いした。
セリアは、ホワイトリリーの代表として、シルビア様の頼みを引き受ける事となった。
「それじゃあ、私はここで失礼します。 今後もよろしくお願いしますね、カイト様」
「あ、はい」
一通り話したシルビア様は、購入したとされる防具を持って防具屋から出て行った。
結構緊張したせいで、一気に脱力感が襲ってきた。
「お兄ちゃん、大丈夫?」
「あ、ああ。 悪い。 緊張したまま話していたから……」
「初対面じゃ仕方がないよね。 でも、ああ見えても気さくな人だから」
ふらつく身体をルゥリが支えてくれた。
アルマが気さくな人だと言ってはいるが、あの圧力は流石にね……。
「お兄、お待たせって、あれ?」
「兄さん、どうしたの?」
ルゥリに支えてもらってるタイミングで、エリスとカレンがこっちに来た。
斥侯用の買い物が終わったようだ。
様子が変だと気付いた二人だが、シルビア様も防具屋で買い物をしていた事をセリナが伝えてくれた。
それで、エリスとカレンも納得してくれたようだ。
「あたしの買い物も終わったし、後はセリナちゃん達戦士用の防具も見ておこうか」
「そうだね。 私とアルマとカレンは、この街で一番いい装備をしているから問題はないけどね」
ひとまず合流した事で、次は戦士系の防具コーナーを見て回ることにした。
セリナ達はいい装備をすでに持っているので問題はないが、どんな装備を売っているかは見ておきたいからね。
そんな感じで売り場を見回った後、防具屋の店長やスタッフにも挨拶を交わしてから防具屋を出た。
「次は孤児院とか公園だね。 ここから私達のパーティーハウスへ戻る途中に公園があるよ」
「公園は今はチラ見するだけでいいかな?」
「うん。 孤児院の院長さん達にもお兄ちゃんの帰還の挨拶をしないとね」
さて、次はパーティーハウスへ戻る途中にある公園の場所を確認してから近所にある孤児院へと向かう事になる。
久しぶりの孤児院。
院長先生とか元気にしてるだろうか……?
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