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ケルヴィンとの積もる話

「まさか君がギルド長をしているなんて思わなかったよ」


「ああ。 これはアーネスト国王からの頼みでな。 元々俺もこの街の冒険者ギルドを変えたかったしな」


 セリナに連れてこられた先にある冒険者ギルド。

 そこで、今のギルド長でありかつての総合学校時代の同期でもあったケルヴィンと再会した。


 彼が現在ギルド長をしているのは、アーネスト王国の国王様からの頼みが大半らしい。

 だが、どうも自分自身もギルドを変えたかった事もあって、それを引き受けたようだ。


「お兄ちゃん」


「ん? どうした、ルゥ?」


「お兄ちゃんとギルド長、知り合いなの?」


「ああ、俺とカイトは総合学校時代の同期でな」


「なるほど。 だから、スカウト成功報告をした時に顔合わせさせてほしいって言ったんですね」


 ルゥリが僕の袖をクイクイと引っ張りながら、僕とケルヴィンが知り合いなのかと聞いて来た。

 この仕草すら小柄のルゥリだとすごく可愛いな。


 僕とケルヴィンが知り合いなのは、ケルヴィン自身から説明してくれたけどね。

 それにセリナも納得してくれたみたいだし。


「それで、変えたかったってのはギルドの改革なのか?」


「ああ。 セリナちゃん達が総合学校に通い始めた頃に、大きな問題がこの街のギルドに起きててな」


「それは私達が仲良くしている公爵令嬢のシルビア様からも聞きました。 確か、シルビア様の祖父の毒殺事件があったって」


「そうだ。 アーネスト王国じゃ公爵家でも国内に土地を治めて住民を導くと言う決まりがあってな。 シルビア様の祖父もこの街を住みやすくというコンセプトで動いていたんだ。 で、そこで壁となっていたのが当時の冒険者ギルドなのさ」


 セリナ達が総合学校に通い始めた頃に、どうもこの街で大きな問題が起きていたようだ。

 それが、公爵家の身内の毒殺事件で、死亡したのは現在、セリナ達と仲がいいシルビア様の祖父だという。

 その祖父は、アーネスト王国の貴族のしたきりで大きな土地を治めていた。

 この街を含め、住民が住みやすくするというコンセプトで動いていたのだが、どうもこの街の冒険者ギルドが問題だったと言う。


「当時のこの街の冒険者ギルドはどんな問題を抱えてたんだ?」


「【世界冒険者連盟】が設定したルールを守らなかったのさ。 自分達がルールと言わんばかりにな。 実際には【世界冒険者連盟】のルールが優先されるのに、何一つ従わなかったのさ」


「どんな感じでだ?」


「ランクの不正やジョブ差別、パーティーの追放とか、各店へのカスタマーハラスメントとかな」


 うわぁ。

 出るわ出るわ、ルール無視のオンパレード。

 確かに昔から設定している【世界冒険者連盟】のルールは、今でも優先されるから、それを犯せば厳罰が待っている。


 しかし、当時のこの街の冒険者ギルドは、自分ルールで取り仕切っていたようで、【世界冒険者連盟】で禁止しているパーティーの追放やジョブ差別をやっていた。

 さらにランクを不正していたり、道具屋や武器屋などに対するカスタマーハラスメントが平然と行われていたと言う。

 

「当然ながら、これはアーネスト国王も伝わり、【世界冒険者連盟】にも伝わっている。 シルビア様の母親がそこのスタッフでもあったしな」


「どうなったんだ?」


「国王や【世界冒険者連盟】は、直接冒険者ギルドに立ち入り捜査を実施したよ。 そこでシルビア様の祖父がいつの間にか毒殺されていたらしい」


「すごいタイミングだな」


「私達もシルビア様から聞いて驚いたよ。 どうも当時の冒険者は【世界冒険者連盟】のルールに縛られるのが嫌だったそうで、定期調査すら物理的に妨害して排除したくらいだから」


「じゃあ、その祖父も?」


「そうさ。 国王や【世界冒険者連盟】の言いなりになっているからという理由でな」


「最悪だな……」


 どうも、当時の冒険者ギルドは真っ先に国王や【世界冒険者連盟】の捜査が入る前に、シルビア様の祖父を毒殺したという。

 だが、捜査の手を妨害しきれずに、がっつり捜査を受けたようだ。

 その過程で、毒殺も判明されたという流れらしい。

 セリナやアルマ達もシルビア様から聞いていた時に驚いたことを明かした程だ。


「で、結果として当時の冒険者ギルドは強制解体。 場所を現在の位置に移転してから当時まともな冒険者を纏めていた俺が国王の要請でギルド長になったってわけだ」


「そういう事だったのか」


「丁度、セリナちゃん達が総合学校を卒業するまでに、人員も刷新して冒険者の質も上げたさ。 大変だったぜ」


「だろうな……」


 そして、結果として当時の冒険者ギルドは強制解体。

 現在の場所に移して、新たにやり直しとなったそうで、そこに国王様が当時冒険者を纏めていたケルヴィンに白羽の矢が立ったようだ。

 ケルヴィンもそれを受け入れ、セリナ達が卒業して冒険者になるまでには、人員の刷新と冒険者の質の向上を成し遂げたという。


 ここまで来るのにかなり大変だったようだ。


「さて、積もる話もあるが、これから町巡りだろ? 何なら、ここの近くにあるそれぞれの店によってみたらどうだ?」


「武具屋とか道具屋は、この付近に?」


「ああ。 冒険者達が買い物しやすいようにこの付近にも支店を持っている。 孤児院付近にも道具屋はあるけどな」


「じゃあ、まずは兄さんをそこへ案内するって事で?」


「特に道具屋は錬金術師のカイトにとって取引先にもなるだろうしな」


「ああ、そうだね」


 他にも積もる話があるが、今は街巡りを始めたばかりだ。

 そこで、ケルヴィンはギルド近くの各お店を回ってみる事を提案された。

 特に道具屋は、錬金術師の僕にとっても取引先になるかもしれないだろうし、先に行くべきだろう。


「じゃあ、私達はここで。 さ、お兄ちゃん行くよ」


「ああ。 ルゥ、手を繋ごうか」


「うん」


「ははは、仲がいいなお前らは。 じゃあ、頑張れよ」


 ケルヴィンに見送られ、僕達は次の場所へと向かう。

 次は、道具屋を始めとしたお店だ。


 さて、どうなるかな……?



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