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ビリーの熱意

入学式の次の日、この日はまだお休みです。

部屋でジッとしていも仕方ないので、またいつもの中庭に来ました。

そこで2人で話をしているといつもの特待生組も来たのですが、よく見ると1人足りませんわね。


「ビリーはどうしたのかしら?」


「ああ、ビリーは部屋で寝てるよ。

ドグネス先生にたっぷりと扱かれたんだとか」


マークはそう言って両手を上げてやれやれと首を振ります。


「いや〜あたしたちは男子寮に入れないから会ったわけじゃないけど、相当ボロボロになるまでやられたみたいだから今日は動けないんじゃないかな?」


「そ・・・そうですか。

そう言えば一緒にパメラも訓練してたけど貴女は元気そうね?」


「ぶい!」


私の疑問にパメラは自信満々でピースします。


「ああ、パメラはちょっと別次元だから」


「そうそう、あたしらパメラっちが疲れてるところとか見たことないもんね」


「お爺ちゃん先生の特訓楽しかった。

授業が始まるの楽しみ」


やはりこの方が一番私の常識で測れない気がしますわね。

パメラに関しては深く考えない方がいい気がしてきました。


「あ・・・」


パメラが何かに気付きとてとてと歩き出しました。

とても運動ができる方の動きとは思えないのですが・・・

私がそう思った瞬間にパメラの姿が一瞬で消えます。


「貴女はまた何のつもりでくっついているんですか!」


唐突に聞こえた叫び声の方を見ると、そこにはシャルロットがおり背中にパメラが張り付いていました。


「何のつもりも私はシャルロットのことがお気に入り。

2人は仲良しだからいつも一緒」


「仲良しと言ってもらえるのは嬉しいですが暑苦しいですわ!」


シャルロットが力任せに引き離そうとしますがパメラはビクともしません。

逆にシャルロットの方が力尽きてへたり込みます。


「はあはあ・・・分かりましたわ。

もう好きになさい」


「んふ〜」


諦めたシャルロットの背中を顔をスリスリし始めます。

・・・やはり、この方に関しては考えてはダメですわね。


「そう言えばビリーとパメラからは聞いたんだけど、皆さんが選んだ学科は何処なの?」


「わ・・・私は領主科ですわ。

お二人とは同じになるのですわ」


「僕は見ての通り文官だよ。

将来クロード家に仕えて勉強を活かすつもりだから期待しててほしいな」


「あたしも文官科だよ!

外交関係の仕事したいから他国の文化や言語を学びたいんだよね」


前2人は予想通りですがカチュアは予想外でしたね。

最初は騎士科かと思っておりましたが。

私がそう言うとカチュアは笑いながら


「あたしが騎士なんて無理無理。

近くにパメラっちがいたら、普通は騎士になろうなんて思わないよ。

自信が粉々に砕け散るからね」


確かにお爺様の訓練に楽しいと言えるような逸材が近くにいては才能の差を感じてしまうかもしれませんね。


「あら・・・それじゃビリーは何故騎士を目指していますの?」


その問いにはマークが語り出しました。


「ああ、あいつは真っ直ぐな馬鹿だからね。

修道院に世話になって、その修道院や自分たちの為に動いてくれたクロード家に憧れたのさ。

憧れたクロード家や世話になった修道院を騎士になって守ってやるって子供ながらに思ったんだよ。

だから勉強も苦手だったけど頑張って特待生になったんだ」


「普通の人間なら諦めちゃうけどビリーっちは馬鹿だから諦めることを知らないだよ。

まぁ、そこがあいつの良いところなんだけどね」


口ではそう言いながらもお2人は優しげな顔で語り合います。

幼い頃から知っている心の通じ合う仲とは良いものですね。

私にとっては・・・。

なんとなく私はメリルの方を見てニコリと笑います。

メリルも私の気持ちを察してくれたのかニコリと微笑み返してくれました。


こうして1人欠けているものの皆で楽しく話し楽しく1日を終えたのでした。



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