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エリカの目標

メリルが壇上に上がると戸惑いの声が上がりながらも拍手されます。

戸惑っているのは制服のことでしょうね。

王太子殿下の婚約者で次期王妃のメリルが制服を着てくれば、ドレスを着ている上流貴族の娘達はそれは動揺されるでしょう。

それは良いのですが・・・拍手の音が大きすぎますよお爺様。

お爺様の鍛え抜かれた身体で力一杯手を打つと爆発音のような音がするのですから自重してください!

私がお爺様の方を軽く睨むと、それに気付いたお爺様はまた笑顔で手を振ります。

・・・これはダメですわね。

全く通じませんわ。

そんな事をしている間にメリルの挨拶が始まります。

これは過去に私が行った挨拶を参考にメリル風にアレンジした形になっています。

とは言え、私はも過去の挨拶を参考にしたのでありきたりなものになっていますが。

ただ、一点を除いて・・・ですが。


「私は王立学校が建てられた当初の理念、学生は皆平等であるという一文に大変な共感を持ちました。

私達は教師方の元で学ぶ生徒であり、皆が先生方を師と考え、周りにいる者を共に学び切磋琢磨する友と呼べるような学校生活にしたいと思っております」


そう、ちょうどメリルが言葉にしたこの部分がそうです。

前の時間軸での学校生活というのは上級貴族が下級貴族を虐げるのが当たり前でした。

メリルにもその矛先が向いたところをシグルド様がお助けになられたという話も聞きました。

まさか、それが積もり積もって婚約破棄という話になるとは思いませんでしたが・・・。

まぁ、それはさておいて2回目の学校生活もそんな息の詰まるようなものになるのはゴメンです。

確かに婚約破棄された2年後の卒業パーティーまでに何が起こるか分からないので対策の為に入学したというのはあります。

しかし、せっかくまた学校に通えるのであれば私はこの生活を楽しみたいのです!

そのためにも私が楽しめなくなる習慣はサッサと潰してしまおうと考えました。

それが私達が制服を着て次期王妃のメリルが挨拶で盛大に学生は皆平等だよ!

とアピールするというものです。

皆が制服を着れば選民思想も無くなり、連帯感も生まれる事でしょう。


挨拶が終わり皆の拍手の中、一部爆発音がしておりますがメリルが戻ってまいりました。


「素晴らしかったわ、メリル。

流石は自慢の妹ね」


「ありがとうございます、お姉様。

でも、お姉様の協力があってのことですわ」



この後は校長が締めの挨拶をして入学式は終わりました。

本当ならこのまま寮に帰る予定でしたが一度話はしておいたほうがいいのでしょうね。

というか、向こうからやってきましたわね。


「みんなは先に帰ってて。

私とメリルは少しお話ししてからいくわ・・・お爺様と」

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