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シャルロット・カミール3

私達は現在、クロード公爵令嬢の部屋の前待機しております。

ネリィが先に挨拶を済ませ、その後に私達を紹介するという流れになったからです。


しばらくすると扉が開き、なんとメリル様が現れました。


「ネリィの話では皆様そこでずっと待ってらしたのでしょう?

気付かずに申し訳ありません。

さぁ、どうぞ中に入られてください」


メリル様は自身が悪いわけではないのに謝罪の言葉を口にして私達を招き入れてくれます。

私はその態度に衝撃を受けます。

今までに私が出会った上級貴族の令嬢は違いはあれど基本的に傲慢な方ばかりでした。

しかし、この方にはそのようなものは一切ありません。

このような方だからこそ未来の王妃という重責のある立場が務まるのでしょう。


私達がお二人の部屋に入ると更に驚きます。

寮では立場に合わせて部屋が変わります。

これも昔は同じ部屋で生活をさせられていたそうですが、一部の上級貴族が不満をあげ、自ら立場に相応しい棟を建てられてしまったそうです。

しかし、お二人の部屋は下級貴族のこじんまりとした部屋をお使いになっておられました。


「ごめんなさいね、狭い部屋で。

人数分の椅子が無いからお付きの方達は良かったらベッドに座ってちょうだい」


呆然としている私達にエリカ様から声がかかります。

ハッとした私が指示してお付きの4人をベットに座らせ、エリカ様とメリル様。

私とネリィの4人が椅子に座りテーブルを囲んでいます。


「あ、あの。なぜお二人はこんな狭い部屋に?

もっと良い部屋を取れるのでは?」


と、私は謝罪も忘れて思わず疑問を口走ってしまいました。

すぐに自分の失態に気がつき、心の中でのたうち回りたい気分になってしまいます。

しかし、そんな私の言葉にお二人は気分を害することなく


「私達2人しか使いませんからね。

あまり広い部屋では掃除も大変ですから」


「お姉様と2人ならこの広さで十分ですよね」


と答えてくれました。

私はその答えに更に驚きます。

いまお二人は自分で掃除をすると言われたのです。

学校に侍女を連れてくることは厳密には禁止されておりません。

許可されていないのは宿泊なのです。

そのため、日中の授業を受けている間に各貴族は自分の屋敷にいる侍女を派遣し部屋を整えさせる。

これはこの学校に通う上級貴族なら皆がしていることです。


「お二人は侍女を部屋に呼ぶ予定はないのでしょうか?」


私の更なる質問に今度は首を傾げられます。


「侍女?その話は聞きますけれど、私達はこの学校で自立した生活を送ることを求められているのでしょう?」


「それなら自分のことは自分でやらなければ意味がないですわ。

ここには勉強しに入学しているのですから」


私はお二人の考えに鈍器で頭を殴られたかのような衝撃を受けました。

見栄を張り中身のない令嬢など掃いて捨てるほどいます。

しかし、この方達はそんな見栄など必要なく、ひたすらに己を磨くことに注力しておられるのです。

私は真の貴族のあり方というものをお二人に見出した気がしました。


「それに・・・私、楽しみにしてたいたのです!

お姉様と同じ部屋で生活して一緒に寝れるなら他に何も必要ありません。

それだけで私は満たされますわ」


「ふふふ、私も貴女と一緒に生活出来るのを楽しみにしてたわ。

共同生活は相手によって生活の満足度が変わると言うけれど、メリルと一緒なら毎日が楽しいでしょうね」


お二人はそう言って笑いあいます。

本当にお二人は仲が良いのですね。


「!?」


その時、私の心の中に何とも言えない感情が産まれたのを感じました。

今までの人生で感じたことのない気待ち。

ここに何かを建てたくなるようなそんな気持ちです。

その気持ちに戸惑い、ふと隣を見るとネリィが胸を抑えて蹲っておりました。

おや、シャルロットの様子がおかしいぞ?

ネリィの様子はもっとおかしいぞ?

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