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新入生代表と寮生活

私が今までの事をぼんやりと振り返っているとメリルが話しかけてきました。


「お姉様、学校ではどんな生活になるのでしょうね?

今から不安になってしまいますわ」


「学校では寮に入りますからね。

私たちは同室になりますし特に心配することはありませんわ。

自立した生活力を付けさせるというコンセプトから侍女もいませんが・・・一般的な貴族の娘には辛くても私達には問題ないでしょ?」


「そうですね。

私たちは一般的な貴族の娘ではありませんからね」


私の答えにメリルは嬉しそうに微笑みます。

貴族の娘の中には自分の身支度をした事がなく困っていたという話も聞きます。

しかし私は一度学校生活を体験して問題なく過ごしておりますし、メリルも元は平民であり侍女の経験もあるので全く問題ではないでしょう。

そこまでふと考えて、私は手鏡で自分の髪型を見ます。

そこには以前の時間で決して解けなかった縦ロール・・・意味は分かりませんがドリルと噂されていたものが左右についております。

以前の時間軸と違い私の髪は真っ直ぐですし今も固まる事はありません。

ですが、私は以前に時間を逆行した卒業パーティーである2年後までが肝要だと思い、その気持ちを表すためにも以前と同じ髪型で過ごすことにしました。


「それよりもメリルは新入生代表挨拶はしっかりと覚えたのかしら?」


「ええ、問題ありませんわ。

せっかくお姉様に考えて頂いたんですもの。

ミスするわけにはいきませんからね」


貴族学校に入学する前に簡単な試験を受けることになります。

基本的にそこで落ちるという事は無いのですが入学を希望する平民は同じ試験を受けて一定のラインを超えなければ特待生としてなることは出来ない・・・そんな試験です。

その試験の最優秀者が入学式で新入生代表となるのですが、その代表者に選ばれたのがメリルでした。

どんな挨拶をすれば良いのか困って相談に来たメリルに私は素案を出しました。

そこから自分なりの言葉を付けて完成させた挨拶を披露することになるようです。

・・・実はこの素案は私が以前の時間軸で使ったものです。

以前の時間軸では私は最優秀者として選ばれて挨拶をしましたが、今回はわざと数問空欄を出す事でメリルに挨拶を譲ることにしたのです。

メリルの教養であるなら間違いなく満点を取れる内容だったので目論見通りにいって良かったと思います。

これには幾つか理由があり、去年の最優秀者として代表を務めたのがシグルド様だからです。

次代の王と王妃が最優秀者であるという話は国中に広がる事でしょう。

その話を聞いた人々は安堵し2人の結婚を心から喜ぶ事でしょう。

時期王妃の姉という立場上、私が最優秀者になるのも様々な憶測を呼んでしまいます。

今回の学校生活では以前と違い目立たないという目標もあるのでここは譲ってしまって良かったのです。


さて、そのように和やかに話していると学校に続く門が近づいています。

この門をくぐって過ごす間はそれぞれの立場はなく只の学生となるのです。

馬車は門をくぐり学校に・・・は行かずに寮の方へと向かいます。

先に寮の部屋に荷物を運び込んでしまわねばなりません。

基本的なものは揃っていますので用意するのは衣類程度なのですが。

貴族の娘の中にはいつも通りの自分の空間を作ろうと大量の荷物を運び込むものもいますが私たちはそのようなものは必要ありませんので搬入自体は楽なものでした。

荷物を部屋に運び込み衣装棚に服を納めていきます。

学校には制服がありますが基本的に服装は自由です。

男子生徒は面倒がって制服を着る方が殆どですが、貴族の女子はドレスで着飾ることで学校内でも権威を示そうと躍起になる方が多いです。

その為にこの棚がパンパンになるまで服を詰め込むという話を聞いたことがありますが、私たちは制服を常用していこうと話しているのでそんな事にはなっていません。


「お姉様、まだ時間も早いですしせっかくですから制服を着て散策してみませんか?」


「あら、メリルってば色々と言い訳してるけど制服を着て歩いてみたいのでしょう?」


私の言葉にメリルは恥ずかしそうにながら


「バレちゃいましたか・・・でも、お姉様とお揃いの服を着て生活できるなんて嬉しくて」


「ふふ、私も同じ気持ちよ。

それでは早速着替えてデートしましょうか?」


「はい、お姉様!」


私たちは早速制服に着替えると仲良く手を繋いで部屋を後にしました。

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