表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/127

影の正体

私は疑問に思ったことを口にすることにしました。


「あの、もう既に知られていることはわかっていますが自己紹介をさせてください。

私の名はエリカ・クロード。

エリディス王国で公爵を務めるクルドア・クロードを父に持ちシグルド王子のこん・・・元婚約者です」


王子の婚約者と言いそうになり慌てて訂正をします。

私は婚約破棄を宣言されたのでもう殿下の婚約者ではありませんからね。


「ああ、エリカ嬢の事はよく知っているよ。

そう言えばまだ私のことを話していなかったね。

アイン・エリディスと言えば知っているかな?」


「アイン・・・エリディス様!?」


私はその名を聞いて愕然としてしまいました。

それは聞いたことの無い名前だったからではありません。

寧ろ、その逆。

この国に住んでいてこの名前を知らない者はおりません。

なぜならその名は我が国エリディス王国の建国者であり初代国王の名前なのですから。


「もちろん存じております。

こんな所で初代国王様であるアイン様に御目通りできたことに心から喜びを感じていますわ」


それは私の偽らざる本心であった。

この影の言う事は何故か疑いようの無い真実だと感じてしまった。


「私の紹介を終えたところで改めて謝罪をさせてくれないか?

この度は私の子孫であるシグルドがバカな真似をしてエリカ嬢を深く傷つけた事を謝らせてもらいたい」


そう言ってアイン様は私に頭を下げる。


「そんな・・・アイン様が頭を下げるような事ではありません。

むしろ謝るのは私の方です。

私が殿下の気持ちをもっと察してあげれば良かったのですが・・・」


私もアイン様に頭を下げる。

アイン様は困ったような声色で


「いや、あれは完全に我が子孫が悪い。

政治的な婚姻を自分の意思で破棄するとは・・・とても王族のする行為とは思えん」


どうやら初代国王であるアイン様にすら見限られる程に現在の殿下のありさまは酷く見えたのでしょう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ