お嬢様の不穏な噂
自室に着いた私はメリルにお茶を淹れてもらい一息つきます。
「ふぅ、まだモニカには及びませんがメリルの淹れてくれるお茶も本当に美味しくなりましたわね」
私がそう言うとメリルは顔を真っ赤にしながら
「ありがとうございます!
これからも頑張ります!」
と頭を下げる。
私はそれを微笑ましく見ながらこれからの事を考えていた。
(いまもお部屋にいらっしゃるのでしょうね・・・やはり何とかしなければ。
私が学校で学んだことが役に立つと良いのですが・・・)
私がここに来た目的はとある人物に会うこと。
その人物とはお母様です。
お母様は身体が弱く私が知っている記憶では常にベットに臥せっておられたものしかありません。
それも私が12歳までの記憶になりますが。
そこでお母様は遂に身体が弱りきって亡くなってしまわれました。
私はその悲しみからこのような事が繰り返されないように入学後、この症状と原因、治し方の勉強をしておりました。
そして、私が産まれる前のお母様の話なども集めた結果、一つの仮説に行き着きました。
お母様は元々身体が弱い方ではありましたが、それでも私が産まれる前はお父様と庭を散歩されたりという事は出来ていたそうです。
それが私が産まれたことをキッカケにしてベッドから起き上がる事が出来なくなり、元々細い食がさらに細くなってしまわれたそうです。
つまり、私が産まれてから長期のベッド生活が続いた結果、元々少ない筋力がほぼなくなりベッドから起き上がる事ができなくなってしまったこと。
動かなくなったことで殆ど食事をしなくなったこと。
この2つの要因がお母様を弱らせたと考えています。
そこで私はお母様の身体を強化するという方向で計画を立てました。
その第一弾の作戦確認のためにモニカを呼びます。
「何でしょうか、お嬢様?」
「今からお母様に会う前にするべき事の手順確認をしたいのです。
そういうわけですので、服を脱いで私のベッドにうつ伏せに寝てください」
「ふ・・・服を脱いでベッドにですか!?
まさか、旦那様ではなくお嬢様にそのようなことを言われるとは・・・」
何か聞き捨てならない言葉が聞こえたような・・・
「モニカはお父様にそのような命令をされた事があるのですか?」
「いえいえ、旦那様は奥様一筋ですし常に紳士であられようとしておられる方ですからそのような事はごさいませんよ。
余所の貴族家では偶にお聞きしますが」
(まぁ、そうですわね。
お母様が亡くなられてから様々な縁談話が来ていたのを全て断れていましたから)
「その話はよく分かりましたので置いておきましょう。
肌着はそのまま着ていてよいので、そのメイド服だけ脱いでベッドにうつ伏せになってくれませんか?」
「はぁ・・・お嬢様がそう言い出すと止まりませんからね。
仕方ありません」
「ありがとう、モニカ。
メリルはこっちに来て一緒に手伝ってちょうだい」
「は、はい!分かりました」
こうして私はメリルと協力してお母様に必要と思われる措置の手順確認を行いました。
後日聞いた話ではありますが、この時私の部屋から何かを耐えるような声と、かん高い声が交互にあがっていて様々な憶測をよんだそうです。
女3人、密室。何も起きないはずがなく。
ご指摘頂き誤字を修正しました。
指摘ありがとうございます。




